[アゼルバイジャン]バクー

地下鉄のポリスチェックで高額紙幣を抜き取るという噂は本当のようだ。

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少し後れた国の空港では、高いだけでなくトラブルの多いタクシーを利用したくない。ここバクーでもかなりふっかけてくるという噂。初めての国で最初の移動は不安と緊張を伴うものだがバスを探すことにした。
空港ビルの外でしつこく寄ってくる運転手たちを無視して周辺を見回していると、ビルの端の方に乗り合いミニバスと思われるワゴンが走り出すのを発見。駆け寄ると停車してドアを開けてくれた。満席だったが通路スペースに中腰になったまま乗り込む。よしっと、次はどこで降りるかだ。バクーには空港から市内まで直接向かう交通機関がないとガイドブックに書かれている。どこかで乗り換えなければならない。20分ほど走り、人込みの多い場所で停車した時、大きなMの字の看板を発見。これは地下鉄のサインではないか。ミニバスを下車すると確かに地下鉄があるようで駅に向かい階段を下りる。これで市内に入れるとほっと安心していた。

階段を下まで降りると制服を着た警官から声をかけられた。聞こえない振りをして通り過ぎようとしたが、「ポリスコントロール」と大きな声を出し歩み寄ってきたので応じた。

歩き方ガイドブックへの投稿によると、「バクーでは地下鉄の駅で外国人を対象にしたポリスチェックが行なわれ、そこで高額紙幣を抜き取られる事件が多発している。日本のパスポートを見せると確実に個室に連れていかれるので、提示を求められても決してパスポートを出さないように現地大使館から指示されている」とあった。しかし、私の場合、パスポートの提示を求められる前に私服のおやじが現われ、個室へと連行されてしまう。
個室で背の低いおやじと2人きりになり、荷物チェックが行なわれる。確かに彼は現金にしか興味がない。私は財布を含めて4ヶ所に現金を分散していたが、プロである彼はあっという間に全てを探りあてた。そして、彼は紙幣を1枚1枚チェックする。「なぜ、そんなことをする必要があるのだ」と尋ねても「ポリスチェック、ポリスチェック」としか言わない。彼らは優れたマジシャンのごとく旅行者の目の前でも紙幣を抜き取るとのことなので、彼が枚数チェックする間、私はずっと紙幣のはじを強く押さえていた。
すると、いらいらした彼は紙幣のすかしをチェックする必要があると言い出してきた。もうこの時点で旅行者は強硬に拒否するか場所を替えて行なうよう要求する権利があるだろうが、彼のお手並みを拝見しようかと思い、私が手渡す紙幣を1枚ずつ行なうよう求めた。
後進国におけるこの手のケースで経験することだが、何か悪いことをしようとする警官には威厳がない。彼は私から渡されたドル紙幣を蛍光灯に透かし、最もらしく覗き込んでいる。
「うーん、ちゃんと透かしが入っているようだな」
「そうなんだ。じゃあこっちはどうなの」
「ああ、こっちも問題ないようだ。ちょっと、そっちの紙幣もチェックさせてくれ」
「ええ、君、日本円の透かしもわかるんだ、すごいねー。いいけど、1枚ずつだよ」
警官を幼い子供のようにあしらっていると、彼はあきらめ、被害を受けずに解放された。

たまたま運が悪かっただけかもしれないが、入国まもない時点でこのような不愉快な対応をされ、アゼルバイジャンというひどく後れた国を旅する気がすっかり失せてしまった。

<参考図書> 地球の歩き方 ガイドブック A31 ロシア 2006~2007 =>最新版 2018~2019

<2007年6月8日>

<カスピ海遊覧船から見えるバクーの街>

トビリシまでの夜行列車のチケットを取るのに3時間かかった。昼休み時が重なりタイミングが悪かったのかもしれないが、そもそもこちらの人は列を作ろうとしない。窓口の幅いっぱいに5、6人が横に並び、待ち客が増えるとそれが2重3重になり、後方からでも窓口に手を差し込み大きな声で叫んでいる人が先に処理される。窓口のおばさんたちも処理しやすい者やうるさい者から受付けていくようだ。

割込み処理にじっと耐え、やっと自分が窓口正面になり、用意したメモを差し出しながらザーフトラ(明日)、トビリシと声を出すとこの窓口ではない何番に行けとたらい回しにされる。結局、4つ目の最も混雑した窓口で1時間待ち、やっと切符を発行してもらうことができた。

切符を購入するだけで1日分の気力を使い果たしてしまった。

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キルギスの宿はひどかったが、同じく旧ソのこちらのホテルも劣悪だ。
バクーはカスピ海の石油産業に沸き、物価が高騰している。私が泊まれそうだった中級ホテルは改築され1泊200ドル以上になったりしている。中心部に適当な宿が見つからず、結局、老朽化の割に宿泊費が高く、サービスが最悪なソ連式ホテルを取ることになった。

トイレットペーパーがないので、部屋のドアを開けて廊下をのぞくと、掃除婦がいたので要求する。すると、彼女は一緒に来いという風に歩きだし、階段を下りる。下の階の踊り場まで降りると、最も奥にある部屋に向かって彼女が大声を出す。すると、その部屋からたばこをくわえた女が顔を出し、手でこっちに来いと指図する。私は自分の部屋のドアを半開きにしたままであることを気にして、遠いその部屋まで小走りで行く。そこは掃除婦たちの控え室で、女は私に部屋の入口で待つよう指示すると棚からトイレットペーパーを取り出し、たばこをくわえたまま私に渡す。
偉そうな態度の女たちにロシア語で「こっちは客だぞ。てめえが部屋まで持って来い!」
と、怒鳴りつけてやりたかった...

<2007年6月9日>

バクーでは、乙女の塔(航空写真)などがある世界遺産の旧市街に期待していたが、迷路状になっただけの古い街並みに雰囲気も味わいもなかった。

拝火教寺院を見に郊外電車に乗っている時はワクワクしたが、あとは海と大都会があるだけで外国人観光客が楽しむ街ではなさそうだ。

繁華街でカタコトの英語で愛想良く声をかけてきたケバブ屋でシャワルマ(ピタにはさむドネルケバブ)を頼む。できあがってから要求してきた金額が高いので、何でだと言うと、わかった特別に安くするよと半額にする。まだ高いと言っても、あんたのリクエストが特別だから高いんだと言ってつっぱねる。
ミニコンビニで水の値段を確認して高いのでやめようとすると半額になる。ビシュケクのように、どこの店に行ってもよそ者はふっかけられているような気がして、食事や買い物が面倒になってしまう。

さっさとこの街もこの国も出てしまった方が良さそうだ。

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