[ルーマニア]ブラショフ

<ブラショフ(Braşov)中心部から黒の教会を望む撮影ポイント

シギショワラやシナイアは小さな町で観光客ばかりが目立っていた。しかし、ブラショフ(ブラショヴ)は大都会のようで観光客が多いが地元の人や車に埋もれている。黒の教会という巨大な教会が中心部にあり、石畳の道や古い街並み、洒落たカフェ通り、要塞跡、街を見下ろす小高い山が間近にあるなど、素材十分なのだがどこもイマイチぱっとしない。写真うつりが良さそうなこれはというビュースポットが一つもないのだ。

郊外の村にあるプレジュメール要塞教会(写真下)は悪くなかった。微妙な美しさがあり、円状の防壁の内側はいくつも仕切られた部屋があって中国客家の住居に似ていて面白い。

<プレジュメール要塞教会(2枚組)

[バスの車内刻印(信用乗車)シリーズ2/3]

車内のチケット刻印には十分注意を払っていたにもかかわらず、ブラショフの市内バスでまたしても検札官に不正乗車を指摘され罰金を科せられる...
が免れる。

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疲れが溜まっているようで、喉が痛み瞼が重く頭がぼうっとしていた。地図を読み解く気力がなくなっていて、バスの乗る方向を間違えた。どうもおかしいと思い運転手に尋ね逆だと教えられたのだが、降りようとすると、もうすぐ終点で戻るからそのまま乗っていろと手振りで教えられ、運転手から姿が見える一番前に座っていた。

バスが逆方向に走り出し、しばらくして検札官が乗り込んで来た。私がチケットを差し出すと刻印が違うという。他の区間のバスでは一方通行の道路が多くルートが異なることもあり、終点を越えて乗っている人が何人もいることを観察していたが、この区間のバスの場合だめなのだろうか。私は4人の男女の係官に囲まれ、英語を話す女性がanother ticket, another ticketと連呼する。一番前に座っていた私は他の乗客たちから鋭い視線を一斉に受けていた。「まあなんてかわいそうな旅行者」と思われているのか、「東洋人は悪い人が多いねえ」と思われているのか、目が窪み鼻の高いルーマニア人の顔からは感情が読み取れない。

私は体調が悪いと全く英語が出てこなくなるので運転手が助けてくれるだろうと思い、面倒な説明をしないでいた。しかし、運転手は完全に無視して運転を続け、係官は罰金45RON(1,500円弱)を要求した上で、私が英語を話さないので警察へ連行すると息巻いていた。仕方なく私は、運転手にそのまま残っていろと言われ終点を越えて乗り続けていることを説明した。

係官が運転手に確認してやっと彼が状況を説明したようで、係官は私の乗車券の裏面に刻印し直した後この乗車券で大丈夫と私に返した。結局何がどの程度問題だったのかわからぬまま私の罰金は免れた。10分にも満たない時間だったが、不正乗車客を吊し上げるという特殊な仕事で鍛え上げられた顔で睨まれ続け、不快極まりない。

今回のヨーロッパ旅行中に検札官の姿は何度も目にしており、頻繁に検札していることが伺える。不正者に不快な思いを与え乗車料金の30倍(日本のJRだと3倍)という高額の罰金を科すのは地元乗客に対してであって、外国人旅行者には、(状況にもよるだろうが)誤りを指摘して正しいルールを教えてあげるというのが筋ではないのか。

乗車券のルールはEU内で統一されている訳ではなく、国や町あるいは路線によって微妙に異なっていて、旅行者がそのルールを正しく知る術はない。そんな状況で外国人旅行者が少しだけルールを逸脱しただけで犯罪者扱いしたうえ高額な罰金を科すのはどう考えても間違っている。
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<たびメモ>

ブラショフのホテルはツーリストインフォメーションのホテルリストでほぼ最安値の部屋Postavarulがトイレ付シャワー共同シングルで60RON(2,000円弱)と宿泊費2千円の私の予算内に収まり、室内は清潔、街中にあるのに非常に静かでほぼパーフェクト。
このようなホテルがあるのならブラショフに3泊してシギショワラもシナイアも通いで良かったと思った。(後でブカレストは半日観光で十分だったので4泊でも良かったと気づく)

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