[エジプト]カイロ

歩きすぎたか、あるいは安全そうにみえたチュニジアで現地の食事を食べ過ぎたか。カイロのホテルで朝起きると下腹が鉛のように重い。
上半身を起こすと痛みを伴いトイレに駆け込む。しばらく休んだ方が良さそうだ。より上質なホテルに移動する。
考えてみれば旅行に出て数日後に体調が悪くなるのはいつものことだ。ただ、いつもは気合いを入れて旅を強引に続けて帰国後に熱を出すパターンが多いが、今回は旅の期間が長いのでそれほど気を張りつめていない。午後2時に深い眠りから目を覚ましたが、瞼が重く目を開けていられない。結局、ホテルの移動以外に外に出たのは、水の買い出し1度だけだった。

ホテル近くの路地をミネラルウォーターを探してフラフラ歩いていると、私の左後ろから顔をちらっと見せる子どもがいた。その子は私の背後をジャンプするようにスキップして、今度は右手に回り込みニコッと笑う。
はにかむように「ハロー」と声をかけてきたのは青い制服を着たお嬢さんだった。私は屈み込んで彼女の視線に合わせ、ハローと言いながら自分の顔の近くで手をパッパッと広げた。かわいいねという私なりの表現だ。
彼女はニコニコと笑みを返すとスキップしながら母親のいる店の奥に消えていった。暗がりの店内を覗くと、大きな瞳と白い歯を輝かせながらずっとこちらを見つめていた。
この無垢な子どもと一瞬触れ合えただけで、今の私には満ち足りた1日となった。

<翌日>

目は開くようになったが、腹の調子は悪化したようだ。24時間絶食しても治らない場合は水以外の食べ物も口に入れ、排出を促進しながら菌を体外に出す作戦に切り替える。

この日は15時ごろから考古学博物館にでかける。陳列のされ方は、ガイドでもいないと非常にわかりづらいものになっているが、展示品の量、大きさ、質の高さは半端ではない。今まで見てきたアジアや南米などの博物館はいったい何だったんだろう。有名な博物館でもここの10分の1もないような気がする。

恐れ入った、エジプト文明。

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