[モロッコ]フェズ(2)

<なめし皮作業所>

世界一巨大な迷路フェズで知らない道を歩き大いに迷ってみようと思ったのだが、袋小路が多く結局同じ道に戻ってしまう。地図上で近くにあるはずのなめし皮作業所にたどり着けず、声をかけてきた男に連れて行ってもらう。一帯に近づいてきただけで、噂に違わず悪臭がすごい。客引きに連れて行かれたのは皮製品を扱う土産物店で、その屋上から作業所(上の写真)を観察できる。ここで見学料を支払うか店で買い物をしないといけないのだろう。しかし、この臭いをかいでしまうと皮製品を買う気がなくなるのではないか。
もとからその気のない私は店内見学につきあっただけで何も買わず、撮影料を取られることもなく店を出てくる。モロッコ人はあっさりしているなあ。インドでこのような状況であれば、何か買わなければ生きて店から出られないのではというほど脅されるのだが。

メディナ内の人通りが多い商店街を抜けると密集した建物と狭い道が続く住宅地がある。なめし皮作業所の近くを流れる川には篭に詰められたゴミが次々に捨てられていく。隣のユダヤ人地区の川では少年たちがプラスティック容器を持って水を汲みに来ている。メディナから3km先には現代的都市生活が営まれる新市街があるというのに、城壁で囲まれた狭い地域に密集して生活し続ける必然性があるのだろうか。

<路地内のお子さま>

食堂の屋上でメディナの路地を見下ろしながら、タジンと呼ばれる土鍋料理を食べた。よく煮込まれた鶏肉と野菜が口の中でとろける。これだ、こういう料理がずっと食べたかったのだと感激した。
猫が2匹、食事中の客にねだりながらテーブルの間を歩き回る。客の足に鼻をこすりつけ蹴り返されても、離れずに下から見上げているだけで、決してテーブルには上がってこない。
ところが、食事を終え手を洗おうと席を離れると、あっという間に2匹の猫が皿に残された鳥の骨と皮を奪い、テーブルの下に運んで静かにむさぼっていた。
よくしつけられた猫たちだ。

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください