[ザンビア]チパタ
リロングウェからルサカへの直行バスは早朝発になるため、国境越えを楽しみながら移動しようとチパタに寄ってみた。
ザンビア東部州の州都で人口10万人ほど。低い山に囲まれ面白そうな町に感じたが、新市街、旧市街と巡っていると歩き回るには広すぎて、農村地帯まで足をのばすことができなかった。
国境からの乗り合いタクシーでバスターミナル(位置:S13 37.947 E32 38.894)まで連れて行ってもらうが、同乗者がみな降りた新市街から離れている。(ターミナル南西は旧市街マーケット)
乗り合いタクシーの運転手に最も快適なバスを尋ねるとJOHABIE EXPRESSと回答があり、Lonely Planetのお勧めと一致する。その会社はターミナルの角に発券オフィスを構えているのでそちらに向かう。すると営業担当(客引き)がすぐさま笑顔で出迎えた。
「いらっしゃいませ。ルサカ行きは毎朝5時、6時、8時と3本あり、弊社は最も豪華なバスを有し安心安全運行を心がけております」
「明日8時発のバスに乗りたいんだけどトイレ付いてるの?」
「申し訳ありませんが、この路線はどのバスもトイレは付いていません。しかし、8時のバスはまだお席に余裕があります。ドアに近い最前列の席をお取りすればトイレに行きやすいです」
「でもいつでもトイレに行けるわけじゃないからなあ」
「ご安心下さい。車掌にお申し付けいただけば、すぐにバスを停車させます。弊社の乗務員はみなreliableです」
感心した。百点満点の受け答えである。
ターミナル内の他社のバスを見た限りトイレ付は期待できそうもない。しかし、最前列の席を押さえられれば、ちょっとした停車でもトイレに行きやすく精神的に楽だ。何よりも、最後のreliableという言葉が心に響き、JOHABIEのバスチケットを購入した。
翌日、余裕を持って8時前にバスターミナルに着くと野獣のような男が近寄ってきた。
「どこへ行く、ルサカか?ルサカならこのバスだ。他にバスはない」
他社のスタッフのようだが私の腕をがっちり掴み、抵抗すると後ろから両腕を押さえ抱え上げられてしまう。強硬に反発して逃げ込むようにJOHABIEのオフィスに入り「ルサカ行きのバスはどこだ」と尋ねるとあっさりキャンセルになったと答える。そして、私のチケットを受け取りバス代150ZMWを返却すると、KANTHENGAのバスに乗れと連れて行かれる。すると先ほどの野獣が待ち構えていて「ほらオレの言った通りだろう」とニタニタ笑っている。
何たることだ。reliableだというザンビアのバス会社を信じたのに完全に裏切られた。
そういえば昨日バスのシートマップを見せられたとき、5時と6時のバスはかなり席が埋まっていたが8時のバスはほとんど空席で違和感があった。あの雄弁な営業担当に丸めこまれてしまった。
その客引きの姿はなく、このKANTHENGAのバスに乗ってみると1時間後の9時出発だというのに席は半分ほど埋まっていて後方の座席を取ることになる。
このバスの運行時間は9:20チパタ発、12:50休憩所到着、13:00休憩所出発、17:50ルサカ着(ルート)という感じなので、5時間ぐらい平気でトイレを我慢できるような健康体でないと、飲食を抑えても苦しい思いをすることになるのだ。
ルサカから先はトイレ付バスにしか乗らないことにしよう。
<参考図書>Lonely Planet Southern Africa 6版 (2013/08) => 最新版(2017/09)
バスターミナルに隣接した宿をのぞいてみると、部屋はバストイレ付きだが水が1日中出ないという。こりゃダメだ。
この町の安宿はどこも水が出ないのではと不安になり、まともなホテルに乗り合いタクシーで連れて行ってもらう。
町の南端にあるCrystal Springsはちょっと立派すぎたうえ満室で部屋をのぞくこともできなかった。しかし、そこまでの移動中にいくつか宿の看板が見えたのでバスターミナルに戻りながら宿を探す。
この辺でもういいかなとTravelodge(位置:S13 38.747 E32 39.026)にチェックイン。バストイレ付ダブルルームが130ZMW(23USD)。それほど安くもないが水も電気も通っていて全てにおいて無難な宿。
バスターミナルに明朝歩けるぐらいの近さかと思ったらまだまだ遠かった(ルート)。チェックイン後この通りをバスターミナル方面に向かうとまだいくつか安そうな宿があった。