国別アーカイブ:オーストリア ( 4件の日記 )

[オーストリア]ザルツブルク

ザルツブルクには華がない。
ハルシュタットやザンクトグリゲンなど、周辺の景色が魅力的だったためこの街の観光も期待できると思い、同じホステルに3連泊した。街の中心を流れる河、街中の丘陵の上に築かれた城、大きな教会、赤い瓦屋根。今までずっと見てきたヨーロッパの街のパターンを踏襲しているだけで、何ひとつ優れたものがない。有料施設は見せようという努力は感じるが、これといった見所がない。モーツアルトの故郷であることとビールで有名な街だが、観光客もこれでは辛いだろう。

半日で観光を終え、スーパーでそのまま食べられる食料や靴下を探す。大きなスーパー(SPAR)があるが、なかなかそのまま食べられるものがない。おとといの予期せぬ登山で、今まで毎日の手洗いに堪えてきた唯一の靴下がついにキレ、大きな穴を空けた。ストラスブールにはあった1ユーロショップはこの街でみつけられない。安い靴下がなかったので穴を縫ってもう少し頑張ってもらうことにした。

スーパーで売られる真空のビニール袋に詰められたパンは安いのだが、極限まで乾燥している。(何かしら調理すべきパンなのだろうか)
私は食事の際に飲み物を取らないことが多いが、このパンはひと口ごとに水を飲み込まないと喉を通らない。まるで粉薬のようだ。
ドイツやオーストリアなどの水道水は私でも問題なく飲めることがわかってきた。ミネラルウォーターなどという高価なものは買わず、ペットボトルに水道水を入れて凌いでいる。
しかし、スーパーのパンに水道水という組合せは、不味さを際立たせている気がするなあ。

[オーストリア]ハルシュタット(Hallstatt)

晴れてはいなかったが、気候が良かったのだろうか。とてつもなく心地よい。

濃い緑に囲まれ、ひんやりとする空気を吸うと体の中がきれいになっていく気がする。静かな湖が木々の緑や湖岸の建物を映し出す。驚くほどの景色があるわけではないが、自然のひとつひとつが輝いてみえる。

ここは塩坑の残る歴史ある町。ケーブルカーに登って訪れる塩坑博物館は、ちょっとしたアトラクション付きで見学が楽しめる。オーストリアの観光地は入場料が高いがそれなりのものはある。

私のガイドブックで半ページほど紹介されているだけだったがいいところを見つけたと思っていた。博物館のある山から湖岸の町に降りてくると、日本人、韓国人、中国人などの東洋人ツアー客がいるわいるわ。
実は有名だったんだ、ハルシュタット。
また訪れてみたいところだが、夏は相当混むんだろうなあ。

[オーストリア]ザンクトギルゲン

<ツヴェルファーホルン頂上からの眺め(2枚組)

目測を誤った。大幅に誤った。
ザンクト・ギルゲンのバス停近くにあるロープウェイの麓駅からは頂上駅が見えていた。険しい山を登っていくように感じたが途中に支柱は2本しかなく、ロープが大きく垂れ下がっていた。標高差200mぐらいか。これで往復17ユーロは高い。歩いて2、30分程度とみて、ロープウェイのパンフレットに載っていた大まかな地図を頼りに頂上に向かい登り始めた。

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集落を抜けると、車2、3台分の幅で整地された林道が続いていた。案内板も時々設置されているため、この道を進めばまもなく到達するものと気楽に歩いていた。路面の凹凸が少なく歩きやすいが、かなり急な坂が延々と続く。
30分経った。高度差はほぼ正確に計測可能な腕時計で300m登っているが、まだ林を抜けていない。200mと思った頂上は意外と高かったんだ。標高差400m以上あったら日記に書いておかないと。その時はまだそんなことを考え、汗をかき始めていたが水も持たず、カメラだけぶらぶら提げてペースを落とさずに登り続けた。
500mを越え林をやっと抜けると、まもなくしてロープウェイが見えてきた。頂上駅がそこにあるのか。しかし、全体が見渡せるところまで出てきて愕然とする。まだロープウェイの支柱1本目だった。視界が開けて上方にロープウェイ頂上駅が見える。今度こそ近そうだ。標高差100mいや150mぐらいだろうか。ノンストップで550mぐらい登ってきたため、かなりばてていた。山小屋レストランが2軒あったが高そうだ。喉が大分乾いていたが、もう少し我慢しよう。相変わらずハイキングコースのようなのんびりした道が続いていたため、頂上に向けてスタートした。

麓で大きく誤っていた目測は最後まで修正されなかった。頂上を間近に見ながら、なかなか辿り着かない。そんなはずはないと思いながら登り続け、だんだん意地になる。最後は雪渓をトラバースしながらツヴェルファーホルンの頂上に到達した。麓駅からの標高差900m以上。1時間半かかった。(普通にゆっくり登れば3時間近くかかるのでは)
残雪のある頂上付近だったが、Tシャツ姿で顔や体中から塩が吹き出ていた。水なしでこれだけの高度差を一気に登ったのは初めて。

ヨーロッパ人には軽い散歩道のようだが、日本であれば本格的な登山に相当する標高差だったのだ。ヨーロッパのスケールは大きい。恐るべしヨーロッパ。

[オーストリア]ウィーン

ウィーンもブダペストの延長上にある。更に物価はあがっているだろうか。街中の地元の人々が利用するキオスクで500mlの水が2ユーロ、アイスキャンディーが2ユーロ以上。何か間違っているんじゃないの。日本が安すぎるのか。

ブダペストでの経験を生かし、バス、地下鉄、路面電車が自由に使える1日券を購入して移動する。特に路面電車が網の目のように発達していて非常にわかりやすい表示があるので楽しく乗り回すことができた。そして、有料の施設は絞り込み、シェーンブルン宮殿と美術史博物館だけにするが両方とも約10ユーロ。うーん高いが、双方ともそれだけの価値はある優れものだった。博物館では世界のお宝を見せられ、消化不良ではあったが。