国別アーカイブ:グアテマラ ( 4件の日記 )

[グアテマラ]エスキプラス

<巡礼者が向かう夕方のバシリカ(大教会堂)撮影ポイント

コパンのあるホンジュラスからグアテマラに戻らずエルサルバドルに入るルートもあったが、(犯罪が非常に多いという)恐怖のサンサルバドルに着くのが夜になりそうなので、刻んだ。パーオンを狙わず、ボギーで十分という作戦に出たのだ。

エスキプラス(あるいはエスキプーラス)は黒いキリスト像を詣でに巡礼者が集まる門前町だそうだ。

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私も黒いキリスト像を拝ませてもらった。スペインのモンセラットで拝見した黒いマリア像には感動したが、こちらでは伝わってくるものがあまりない。(もう少し言いたいことがあるが、他人様の信仰対象を評価すべきではないので右に写真を掲載)

前回盗難に遭った中米旅行ということで、ガイドブックやネット上の危険情報に目を通してしまっているので、いろいろとびびりながら行動している。ミニバスの場合、車掌と客がグルになり、外国人旅行者を襲うケースがよくあるそうだ。

コパンからエスキプラスへの移動中(区間ルート)、国境を越えグアテマラ側で客待ちしていた空のミニバスに私が1人乗ると、体格のいい若者4人が乗り込みすぐに出発した。もう少し客を集めてから発車するのではないか。この4人の男たちは荷物も持たずに国境に何の用があったのだ。なぜ、後ろの席が空いているのにこの人相の悪い男が私の隣に座るのだ。開け放されたサイドドアのステップに立つ車掌は二の腕が太く、客の男たちと時々会話している。集落のない山道をミニバスはなぜかゆっくりと走る。

もう、だめだ。このワルそうな男たちに身ぐるみ剥がされてしまう。逃げ出そうとしても、隣に座る男か車掌にひ弱な私は簡単に取り押さえられるだろう。せめてどういうタイミングにどんな方法でやられるのか、首を絞められ気を失う直前までを覚えておこうか。
隣の男がこちらを向き大きな手を伸ばしてくる。この瞬間に首絞めか、そう思って首の筋肉を硬直させると、男は振り返って後ろの仲間と話をする。

車が街道を外れ、細い道に入る。いよいよかとバッグを持つ手に力を入れていると小さな集落に入り、女性客を乗せた。しかし、彼女の表情が明らかに固い。やばい車に乗ってしまったという表情にみえる。そして、女性客はすぐ降りてしまい、また車内はワルそうな男たちだけに。あーもう終わりだあぁぁ...

結局何事もなく済んだのだが、相当に緊張した乗車を40分以上続けていたため胃腸がキリキリ痛み音を上げていた。外務省やその指導を受けたガイドブックの過剰な脅しはなんとかならないのだろうか。(あとから考えるとあの体格の良い男たちは国境警備員だったのかも)

エスキプーラスに着いてほっとすると、胃腸の痛みが和らいでいた。一昨日の腹の壊れ具合から回復まで3日以上はかかると予想していたが、グアテマラの不衛生度はそれほどでもないのかもしれない。
この巡礼町はホテル、レストラン、土産物やがやたらと多いのだが、レストランは見るからに衛生的な店が目につく。チキムラがひどく、フローレスがイマイチだっただけかもしれない。

コパンの宿代は高いのでエスキプラスで宿を取って、コパン日帰りという手もある。片道3時間でミニバスを3回乗り換える必要があるが、目つきの悪い車掌が親切に教えてくれるはず。(保証はしかねます)

<グアテマラ/ホンジュラス間の国境越え情報>

国境では、グアテマラ側で出国及び入国時に1.5ドル、ホンジュラス側で同様に3ドルずつ税金か手数料が取られる。コパンだけを訪れ、同じ国境に戻ってきても再度出入国税が取られるとガイドブックにあったが、コパンに2日滞在で戻ると告げたら別紙にそれぞれスタンプが押され、帰りには出入国税は不要だった。
コパン遺跡のみ訪れる旅行者に配慮した対応に変更したのだろうか。

グアテマラの観光地アンティグアとコパンを結ぶ旅行者向けシャトルバスが運行されている。国境周辺の男たちは人相が悪い(と感じられる)ので、ミニバスでなくシャトルバスに乗るのが正解かも。

[グアテマラ]チキムラ

<子供向けイベントが催される中央公園撮影ポイント

ついにやってきた。私の旅では恒例の食あたり。このぐらいのペースで移動していると10日前後で発症するのだが、今回は20日近くも持ちこたえた。
疲労の程度も関係あるだろうが、食品の不衛生さによる影響が大きいと思われる。

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<中央公園近くの市場>

メキシコの食べ物は衛生的だった。路上で売っている食べ物のほとんどはプラスチックケースなどに入れられ外気にさらされていない。大衆食堂の食器類も清潔に保たれているため、ほとんど庶民向け食堂で食べるか、立ち食いしかしてなかったが、あたることはなかった。
同じ感覚でグアテマラで食事したため、かなり不衛生な物を口にしてしまったような気がする。

チキムラでの夕べの食事は、通りで一番混雑している食堂に入ったのだが、食べてる最中に羽蟻のような虫がライスの山に次々と突入してくるのに驚いた。厨房の大鍋にはいったいどれだけの虫が混入していたことか。

過敏な私の腹はその国の不衛生度をはかることができそうな気がする。覚えているところで言うと、チュニジアモロッコベネズエラウズベキスタン(ここは家庭料理のみだからちょっと違うか)で食あたりと思われる急性下痢症になっているが、グアテマラもこのリストに加えておこう。

<チキムラからコパンまでの国境越え>

腹を壊して躊躇していたため出発が遅い時間になったが、チキムラからコパンまでの移動(区間ルート)はあっさりしていた。
チキムラから国境までミニバスを1度乗り継いで1時間半(25ケツァーレス)、国境からコパンまでミニバスで15分(20レンピーラス)と、いずれもガイドブック表記よりはるかに短かった。
ただし、ここのミニバスは結構詰め込むので、荷物を抱えたままでは苦しく、宿に入ってから寝込んだ。

[グアテマラ]キリグア

<キリグアの遺跡公園撮影ポイント

芝生の緑はきれいだが、遺跡公園には保護のための屋根で覆われた石碑が何本か建っているだけ。
予想はしていたが、世界遺産のキリグア遺跡は観光資源としては厳しいものがある。

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この2m四方ぐらいの大石が一番の見もののようだが、わざわざこんな辺鄙な所を訪れて見るべき価値があるのだろうかという気がしてしまう。しかし、大きな石段の上にある球戯場跡が修復中だったり、木々に覆われたエリアで発掘が進められていたので、キリグアはコパンに行く途中に寄ってもいいかなという程度の観光スポットになるかも。

本日の移動はフローレスからグアテマラシティ行きのバスに乗り遺跡への分岐点で降ろしてもらい、そこからミニバスかトラックバスでキリグア遺跡に向かい(フローレスからキリグアまでのルート)、また、遺跡からミニバス、街道バス、ローカルバスと乗り継いでチキムラに向かう(キリグアからチキムラまでのルート)、というもの。かなりの困難を伴い、バスが来なくて途中で暗くなってしまうのではないかといろんなケースを想定していたが、それぞれのバスの待ち時間もほとんどなくあっさりとチキムラまでたどり着いた。(フローレスからチキムラへ直行した場合のルート距離

乗り合いミニバスやローカルバスが満員にならなくても出発して本数が多いのは意外だった。また、メキシコ人より更に無愛想なグアテマラ人ながらメキシコ人なみに親切なのだ。私が尋ねると他のバスの客引きをしている男でも私が乗るべきバスまで案内してくれたり、バス停らしき場所で一緒に雨宿りしていた農夫が、お前あのバスに乗るんだろと、私がバスだと気づかず走りすぎようとしていたミニバンを止めてくれたりなど、親切な人だらけだった。みんなが脅すほど犯罪が多い国とは思えないのだが。

グアテマラの人は良いのだが食事はまずい。
1食目、2食目まではたまたまかと思って耐えていたが、3食目以降も全てまずいので我慢できなくなってきた。素材や調理法はメキシコと変わらないようにみえるが、味付けや調理後の保存方法が悪そうだ。味の単調さや外し方はフィリピンやスリランカの料理に通じるものがる。
水がくさいのだろうか、レストランで出されたネスカフェコーヒーもあまりのまずさに途中から飲めなくなった。

<参考図書>B20 地球の歩き方 中米 2007~2008 => 最新版 2018~2019

<後日談>

昨日、テレビで日本人女性が経営する「キリグアの宿」が紹介されていた。
時間が遅くなりチキムラに辿り着けそうなければ、地球の歩き方にも紹介されていたその宿へ泊まることを検討していたが、スムーズに移動できたのでチキムラに向かってしまった。
しかし、結果として、チキムラはつまらなくまずい食事で食あたりを起こしてしまっている。今考えると、このキリグアの宿に泊まり、ゆっくりとグアテマラの農村の生活に触れ、キリグアから直接コパンに入るのが正解だったようだ。(2011年10月10日)

[グアテマラ]ティカル

<ティカル遺跡>

<Ⅰ号神殿とグランプラザ(撮影ポイント)

昨日、ベリーズのサン・イグナシオに泊まろうと考えていたが、予定を変更してティカルへの拠点となるフローレスまで来た。湖に浮かぶフローレス島周辺を観光したかったのだが、大雨のため中止。
本日、ティカルに向かったが、昼すぎから断続的に強い雨が降っていた。

ティカルは中米を代表する遺跡観光地というだけあって、さすがだ。適度な広さの公園内に巨大ながら味のある遺跡がいくつもあり、周辺の野性味溢れる自然が実にすばらしい。高さ30m以上ある遺跡の上に登れば、熱帯雨林の高木を見下ろし、珍しい野鳥の観察も行なえる。

遺跡観光は遺跡の見学だけでなく、周辺にある現在の生活や自然を合わせて観察すべきだ。ティカルは周辺に住居はないが、手入れをすれば植物園にもなりそうな自然公園の中で遺跡を探索できる。

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ただ、ティカルの遺跡自体は写真うつりがあまり良くない。実物を目の前にしても美しさを感じるものがほとんどない。
ギザのピラミッドは傾斜角度に美しさがある。アジア、中東、ローマ、ギリシャなど多くの遺跡は美を意識して造られている。しかし、このマヤ文明の遺跡には美しさを見出すことができない。
主な遺跡建築物は、日本でテレビのCMに出てくる不快な一つ目の宇宙人の姿をしている。この点が個人的に気になり、私の観光地ランクは☆3つ半(5つ星満点)だ。

右の写真の遺跡はかなり危険だった。40m以上の高さにある頂上部スペースが狭く、地面から頂上部までの遺跡の階段が急傾斜なのだが、観光客はそれよりも急な推定85度の梯子を登らなければならない。しかも、それは木製で熱帯の雨にさらされているため、木が腐りかけたり、釘が抜けかけたりしている。
頂上部にも遺跡保護のため板が敷いてあるが、釘が抜けているものがあって、端を歩いていると板が大きくはねあがり、ひっくり返りそうになった。私は、危うくティカルの40m階段転げ落ちを演じるところだった。

部屋を取ったフローレス島内はホテル、レストランなど観光客向けの施設が大半を占め、グアテマラとはいえ十分安全な地域だと思われる。
夜9時ごろ、ホテルの裏通りにスーパーをみつけ、こんな近くにあったんだと思って小躍りしながら店内に入ると、陳列棚の影に隠れていた男がふっと通路に現れ、ライフルの銃口を私に向けた。まるでゴルゴ13のようなスムーズな動きだ。
私が平和な顔をした外国人であることがわかると、男はすっと銃口を上に向けた。彼は店の警備員と思われるが、よく見ると70にも達しそうな年配だ。誤射でもしたら危ないではないか。
しかし、その辺にいる年寄りに見えて、実は鍛えられた元軍人なのかもしれない。私は彼を試してみたくなり、入り口を注視しているゴルゴ13の背後にそっと近づいてみた。ところが、銃に手が届くところまで近寄っているのに彼は全く気づかない。棚の缶詰で音を出してみると老人は振り向き、間近にいる私に相当驚いたようで体をびくっと震わせていた。

おいっ、ただの老いぼれじいさんにライフル持たせたら危ないではないか。

<たびメモ>

フローレスからグアテマラシティまで、少なくとも3社で7本の1等バス(トイレ付)があることを確認。うち4本は夜行だった。