国別アーカイブ:イタリア ( 7件の日記 )

[イタリア]ミラノ

ミラノなかなか良い。
観光スポットが集まる場所には歩行者専用道路があり、ビジネス街の歩道も広く歩きやすい。警官が多く車のマナーも良い。公衆トイレが無料で清潔。観光客にとって心地よい街づくりがイタリアでもできるじゃない。

昼時に歩道に出されたテーブルでビジネスマンがおいしそうに食事をとる。パンやピザ以外の食事が多いのもイタリアで初めての光景。パスタは無理だとしてもあのOLたちが食べているビッグサイズのサラダは手が出るのではないか。路上に掲げられたメニューを覗く。えっ、15ユーロ!遠い未知の時代に迷い込んでしまったような気がして頭がくらくらしてきた。

ミラノは観光スポットとしては巨大な教会のドゥオーモと「最期の晩餐」が有名で他には味のある城があるぐらい。「最期の晩餐」はぜひ見たかったが月曜日は休み。夏のピークシーズンは1ヶ月先まで予約で埋まるというから明日まで滞在しても見られる可能性は低そうだ。
ドゥオーモは修復中で有名な正面からの姿が見られなかったが、屋根まで上がって装飾や街の景色を見ることができる。全ての尖塔の上に像が立ちミラノの街を見守っている。その姿が屋根に上がって初めてわかる。観光施設としてもなかなか楽しめるところだ。

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イタリアで最も物価が高いというミラノでの宿泊を避け、列車で2時間移動して、魅力的な雰囲気のあったジェノバも越え、次の特急停車駅サボナで降りる。ホテルがなかなかみつからない。地理がわからず街の人たちに聞きまくり、もうダメではないかと不安を感じる長い探索だったが、夜9時近くに駅から離れた中心街で少し臭くて汚い部屋をみつける。
今回も郊外での宿確保作戦は成功だったと日記には書いておこう。

イタリアの端の方に来たのだが、食い物価格の基準としているケバブがヨーロッパ最高値の3.5ユーロだった。空いているスーパーもなく他に選択肢がなかったため、イタリア最後の夜は久々のケバブで済ます。ついにパスタを食べずにイタリアを出るのか。
イタリアの端の小さな街だと思うのだが、サッカーにイタリアが勝っただけで、ホテルの外が異常に騒々しい。勝って当然の試合だったと思うのだが、こんな夜遅くにいつまで車のクラクションを鳴らし続けるのだろう。

<イタリアめも>

イタリア人もよくタバコを吸い、マナーが良いとは言えない。列車内の禁煙はほとんど守られている。しかし、路上やホームで、吸い終わったたばこをよく確認もせず1、2m先に火がついたまま飛ばす。私の目の前に飛ばされたことも何度かあった。木造建築物がないから問題ないのだろうか。足で火をもみ消す人は見たことがない。燃やしきった方がゴミが少なくなって良いと思っているようだ。

ヨーロッパのホームは低い。30~50cm。線路上にはタバコの吸い殻だけでなく、紙くず、ペットボトル、カン、そして保線作業におけるゴミと思われる錆び付いた金属類が転がる。列車を待つ間に貨物列車が通過した。すごい勢いで線路上のゴミが低いホームに舞い上がってくる。汚いだけでなくカンや金属類が飛んできたら非常に危険だ。ヨーロッパ人は危険が身近にあることを好む傾向にある。

イタリア国内の列車はなかなか快適。追加料金の不要なローカル列車でも、停まる駅が少なく危険を感じるほど飛ばす準急が多い。通勤客などで短い区間混雑している場合があるが、ほとんどはゆったり座っていられる。多少は遅れるが、高速運転で遅れを回復させたり早く着きすぎたりする。トイレは線路に直接落とすタイプがほとんどだが、水が出ることが多い。そして、何よりも料金が安い。15~20kmで1ユーロぐらいで計算されているようだ。パドヴァ、ミラノ間だけ乗ろうとしたローカル列車が季節列車で走ってなく、しかたなくIC(急行程度)を利用したが、他は全てローカル列車で問題なかった。ただし駅員は面倒なことは教えてくれないので、自分で調べて列車を乗り継ぐ努力が必要。

イタリア人は朝食をあまり食べない。カプチーノを飲み、軽く何かをかじれば終わりのようだ。駅のBARでもエスプレッソをスタンドで飲む姿をよくみかける。あんな小さなカップで特においしいとも思えないものを飲んで満足しているかと思うと、昼に出されるピザは1人30cmサイズで、同じものをこんなに大量に食えるかという大きさだ。私が空腹時でも3分の2が精一杯だったから。他でもカフェテリア方式で何か注文すると食べきれない量を盛られる。胃袋の構造が異なっているのか、まとめ食いができるようだ。

イタリアのタオルはシーツか枕カバーかと思われる薄いものが利用されていることがある。ナポリのホステルで最初に出された時は言葉が通じていないかバカにされているのかと思った。こんな薄いものでもハイテク技術により大量の水を吸収できたりするのだろうかとも考えたが、そんななことはない。すぐびちょびちょに濡れてしまう。手ぬぐいで体を拭くようなものだ。フィレンツェ以降この手ぬぐいタオルに出会わなくなったが、サボナのホテルでまた出てきた。

トイレは汚く、便座がない場合が多い。男性の私は公衆トイレに便座がなくても困らずに済んだが、女性はどのように対応しているのだろう。たとえ便座があっても、男女共同トイレだと、男性が便座を上げずに利用するため汚れていることが多い。便座が固定されていて上げることができないトイレもあった。便座が何のためにあるのか理解されていないようだ。

[イタリア]ヴェネチア

巨大なテーマパークのようによくできた素材だ。

迷路のような路地には車やバイクがなく飲食店や土産物屋が並び、細い運河を越える石橋が何度も現れ、その下をゴンドラがくぐり抜ける。華やかな屋台通りを歩いていたかと思うと巨大な広場に抜けたり、店のない静かな小道が突然、海の見える広い運河に出くわす。ヨーロッパの街や祭りの人混みの中を歩くのが好きな人にとってはたまらない場所だろう。
私も最初はわくわくして歩いていたが、だんだんと気が滅入ってきた。建物も水も汚く、写真を撮りたくなる場所がない。色が落ちブロックが崩れた古さを残したいというのはいいとしても、落書きをそのままにしたり、水の中にゴミが浮いたままにしておくというのは、世界有数の観光地を整備しようという気がないと思われる。また、例によりトイレは少なく、1ユーロと高い。唯一の交通手段である船やゴンドラに不当な値段をつけて観光客から巻き上げた金は何に使われているのだろう。食べ物も有名観光地だからと当然のように高いが、ここは普通の観光地と違いオフシーズンがないのだからコスト高にはならないはずだ。ピンハネしている胴元は誰だ。旅行者が少しでも気持ちよく観光できるよう還元すべきだ。

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毎回、食べ物が高いという話しばかりで恐縮だが、今日も食べ物がなく苦しんだ。パドヴァには駅から街の中心部方面に3キロの範囲にはこれといったスーパーマーケットがない。昨日、華僑とアフリカ系の怪しいミニスーパーはみつけたが、日曜日は休みだった。駅近くの裏通りには黒人があちこちでたむろしているが、近くには食堂はなく店は閉まっている。駅や表通りにあるSNACKやBARはサンドイッチが3ユーロだ。いったいこの人たちどこで何を食べているのだろう。

イタリアの安ホテルは朝食が付かないのが基本で、出たとしても食パンとインスタントコーヒーだけとか、エスプレッソコーヒーに合わせたように小さく硬い食パンのお菓子だけというのが今までのパターンだった。しかし、昨晩から泊まっているパドヴァの3つ星ホテルはビュッフェスタイルでパン、ハム、チーズに果物まで付いている。パンや取り皿がやけに小さいのが気になるが、腹持ちしそうな食べ物と水分を可能な限り補給しておいた。おかげで暑いヴェネチアにいる間、食事だけでなく飲み物も絶ち、トイレを我慢することができた。

イタリアでは安食堂で本場のスパゲッティを毎日たらふく食べるということをイメージしていたが、それは妄想にすぎなかった。それどころか、パンと水分を取れる時にまとめて吸収して、トイレも可能な時にまとめて済ませ、あとはじっと我慢するという動物的な忍耐を強いられるのだ。(予定していた以上の金を使えばいいだけなのだが)

ヴェネチアの鳩は馴れ馴れしい。子供たちに追いかけられても飛び立たず、陸上をスキップしながら逃げ回る。餌を与えている子供の腕にとまり掌にある餌を直接ついばんだり、サービスなのか腕を差しのばしただけでその上にとまったりする。
おいハトっ、おまえは手乗り文鳥か。

[イタリア]パドヴァ

<サンタントニオ聖堂>

次はいよいよヴェネチアなのだが、ここも宿確保が非常に難しそうだ。列車で30分手前のパドヴァで足踏みすることにした。
パドヴァも世界遺産の植物園や有名な教会がある観光地。ツーリストオフィスでもらったホテルリストをもとに駅から近くて安い部屋のありそうなホテルにあたる。3つ星ホテルの別館にトイレ、シャワー共同の部屋があり、ちょっと値切って30ユーロ。今回も1軒目で大成功。
郊外での宿確保作戦は有効だ。

パドヴァは750年前に設置された大学が街の中心にある。大学があれば安い食堂があってもいいはずだが。大学周辺でみつからず、フィレンツェの経験をもとに青空市場の周りを探したが1軒もない。学生や庶民はいったい何を食べているんだ。こうなれば中国人を探すしかない。
中国人の歩くところに安い店あり。
中国語で会話する家族の後を追うと駅近くの路地に中国人向け店舗が何軒か並んでいるのを発見した。食事をとれる所はなかったが東欧なみの安い値が付けられたミニスーパーがあった。
この店のようにそれなりの価格で売ることができるのだが、特に付加価値もつけずに2倍、3倍の値をつけた店ばかりが目につく。ヨーロッパの一般庶民がより安い店で買おうと努力せず、高いコーラや水を買っていくのが納得できない。

フィレンツェの古い街並みの中に99セントショップが何軒か店を出し、日本人などの外国人観光客で賑わっていた。マクドナルドはどの街も盛況だ。ヨーロッパの商店における高値販売システムもいつか崩壊するのだろうか。

この小さな植物園が世界遺産とは何事じゃと言いたくなるところが、パドヴァの世界遺産オルト・ボタニコ(航空写真)。少なくとも外国人が訪れる観光スポットではない。ヨーロッパの世界遺産には(観光という観点では)町遺産クラスが多く紛れ込んでいるので注意が必要。

[イタリア]フィレンツェ

<ドゥオーモ>

フィレンツェはいかにもイタリアの観光地。
歩いて回れる範囲に観光スポットが集まり、適度な数の観光客がいて、主なスポットには警官が配置されている。街の案内は比較的わかりやすいが、ホテルや博物館のスタッフの態度はあまりよろしくない。

中心街は古い街並みが残され、イタリアの観光都市を歩いている気分になれるが、私がイメージしていた美しいヨーロッパの通りというものが見つからない。高いところからフィレンツェの街を見下ろしても、赤い瓦屋根が多いが特に魅力的な部分はない。ただドゥオーモだけは他にはない華やかさを持っていた。しかし、この建物も磨けばもっときれいになるはずなのに正面以外の壁はやたらと汚い。イタリア人はどぅおーも手を抜きたがる。

フィレンツェにもローカル列車で来た。ローマから特急の倍近い4時間かかったが、これで10ユーロ以上は節約できているはずだ。このままイタリア国内は最低料金で乗れるローカル列車のみで通すことができるだろうか。

フィレンツェは安いホテルが駅周辺に数多く集まっているという情報から、駅を降りて足で探したが、到着時間が15時とあまり早くないこともあり、安そうな部屋は軒並み埋まっていた。1時間ぐらいかけて40ユーロの部屋をみつける。それにしても、この古い石畳の道を重い荷物を持って歩くのは非常に疲れる。石がごろごろした登山道を歩くようなものだ。疲れてくるとすり減った石の隙間の窪みに足がはまり、捻挫しそうなほどに足首が曲がる。ヨーロッパの人々は関節が丈夫なんだろうな。

この街でやっと安くて栄養のある食事をみつけた。華僑が経営するテイクアウトの店だがチャーハン、焼きそばなどを使い捨ての皿に盛り、店内の隅にあるスタンド式カウンターで食べることもできる。この店を使えば、1日10ユーロあれば栄養十分で腹を満たし喉も潤すことができる。
華僑えらい。これから行くヨーロッパの街で次々と現れて欲しい。

[イタリア]ローマ

<スペイン坂/コロッセオ航空写真)2枚組

ローマに入ってから好天が続きナポリの寒さがウソのように暑い。今がローマ観光のハイシーズンなのだろうか。どこへ行ってもあふれんばかりの観光客だ。たとえツアーの観光客でも混雑した中で長時間待たされ、広い敷地内を延々と歩かされ、トイレは少なく、ローマ観光には体力と忍耐力が必要だ。ヨーロッパは年老いてから観光するところだという考えは大きな誤りだということを知らされた。

それにしてもこれだけの史跡を街中に残しながら、よく二千年以上も大都市として発展を続けてきたものだ。観光すべきモノがとてつもなく多いが、不勉強のために何がどれだけすごいのかが全くわからない。
印象に残っているローマの観光用写真がないため、これぞローマという1枚が撮れないものかと思い歩き回った。予備知識を持たずに見る分にはコロッセオがずいぶん大きいなあと感じるだけで、絵になるポイントがないことに気づく。
世界中からやってきた旅行者がローマの街を楽しんでいる姿を見ているとそれだけでうれしくなるが、相当の金と体力を使って観光するからには、十分に事前学習をすべきだと思う。

結局、2泊することになったラティナのホテルはステーションビュー(駅と列車が真ん前にみえる)の清潔な部屋なのだが、シャワールームがくさい。おそらく水のにおいだろうが、ボスニアやモンテネグロでも全く同じ不気味なにおいを水まわりに感じた。そう、モンテネグロのバルでは、カフェで出された水からこの強いにおいがして、口に含んだとたん吐き出しそうになった。

[イタリア]ナポリ(2)

<ヌオーヴォ城>

ナポリはどこ?
風光明媚で、史跡名所が多く、安く美味な食べ物が豊富で、明るく陽気な街。そんなナポリを探してしまった。

火曜日が博物館の休館日だったり、時々激しく雨が降るという不運が重なっていたが、それにしても1日歩き回ってもこれといった景観や見所がない。食事処は食べ飽きたピザ屋ばかり。
天気が良ければサンタルチア港やヴェスーヴィオ火山がもう少し魅力的なのだろうが、街はどこも見映えがしない。歴史的建築物の多くが黒ずんでいて、古い通りをベースに無秩序に発展させた街には絵になるポイントが見つからない。歩道は、駐車車両に占領されていたり、バイクが優先して走っているため歩きにくい。地元の人も恐れるひったくりは無法に走り回るバイクに乗って近づいてくるというから、バイクの音がする度に身構えてしまう。

観光スポットが整備されてなく案内板が少ない、交通規制や防犯対策を強化しようとしていないなどから、ナポリは観光客を歓迎しているとは思えない。見たければ勝手にみれば、スリやひったくりが多いけどね、という態度だ。

それにしても、中心街の多くを占めている石畳の道を一体いつまで使い続けるのだろう。滑りやすく大きな水たまりができる雨の日は、車も人も苦難を強いられ、社会的弱者を拒絶する。先進国イタリアの大都市に石畳の通りを残す必要はないはずだ。観光都市でもないのだから。

[イタリア]ナポリ(1)

<ドゥオーモ教会>

モンテネグロのバルからイタリアのバリへの夜行の船旅は値段が高いだけで何の面白味もない。モンテネグロ側で運行しているようだが、サービスが悪くトイレが汚い。これでは価格が安くなっている飛行機に客を奪われるだろう。

バリからナポリへの移動は距離が200kmぐらいだと思うのだが、予想以上に交通の便が悪く、ローカル列車を乗り継いで1日がかりの移動になってしまった。

モンテネグロの隣国アルバニアの入国も狙っていたのだが、安価で安全な交通手段がみつからなかったので断念した。アルバニアに行かないとなると、今回の旅で最も危険な国はイタリアではないかと思っている。ナポリでチェックインしたホステルのスタッフからスリひったくりに対する注意を受けるが、その深刻さはソフィアやサラエボの比でなさそうだ。

街を歩くと車やバイクの凶暴さがエジプトやギリシャを思い出させるが、ここでは歩行者も負けていない。車の間隔が少しでも空くと赤信号にかかわらず強引に渡ろうとする人をよく見かける。すると2台目か3台目の車がその無謀な横断者の直前で停止する。今までの国ではなかったパターンなだけにちょっとしたカルチャーショックを受けた。