国別アーカイブ:ネパール ( 5件の日記 )

[ネパール/インド国境]スノウリ

かつては強盗や詐欺が多いと悪名高き国境だったが、今はその面影もなくあっさり通過。
国境を越えると、ネパールと比べてインドはなんて生活レベルが高いのだろうと感心してしまった。

<ルンビニからゴーラクプルまでの国境越え>
  • ルンビニからバイラワ(シッダールタナガル)まで路線バスで1時間、50NPR、終点バスターミナルで降りる。
  • ポカラから国境まで続くハイウェイまで移動して、バス停らしき人だかりのある場所でスノウリ行きを捕まえる。たまたまかもしれないが、中型バス内は東京の超満員電車なみの混雑。そんな中でも車掌が最後部にいる私のところまで必死に手を伸ばしてきて料金徴収。とてもつり銭を返せる状況ではなかったのであきらめかけていたが、終点で降車時に6NPR返却される。乗車時間はほんの20分、14NPR。(ルンビニからスノウリまでのルート
  • 降車するとすぐ近くに小さな両替ボックスがあり窓口へ向かうと横からどかどかと割り込んでくる者がいる。しかし、ボックス内のスタッフは彼らを手で退けて先に私の両替を受け付ける。ネパールルピーからインドルピーへ全く問題ないレートで両替。出入国審査はゲート近く左側にあり、あっさりと通過。
  • 国境ゲートを越えてインドに入ると急に垢抜けた街なみになる。(気のせいかもしれないが、ネパールと比較するとそう感じる)
    インド側出入国審査場は、100mぐらい歩くと店に挟まれて左手に突然現れる。看板はいちおうあるが、Kioskかパチンコ景品交換所のようなので見逃してしまいそう。外で長々と入国カードの記入をさせられるが特に問題なく処理される。インドVISAは日本で取得済。
  • 国境から500mすぎ右手に小さなバスターミナルがあり、停車しているバスが12時発ゴーラクプル行きだと言われる。シートが横2+3席であること以外は日本で走っていても不思議でない、ごく普通の大型バスだが、ネパールでは乗ることがなかった洗練された車体に感動。さらに乗客がまだ数人しか乗っていないのにほぼ定刻に出発して驚く。
    出発してから1時間後に運転手と車掌のみが食事をとる20分の停車があり、15時30分、ゴーラクプル駅南口から300mほどのバスステーションに到着、92INR。(国境からゴーラクプルまでのルート
  • バスでゴーラクプルの町中に入ってくると、道に車、バイク、リキシャ、人が溢れ、ただならぬ雰囲気。バスを降りてから、ゴミゴミ、ゴチャゴチャとした混沌に加えて悪臭、粉塵に襲われ気絶してしまいそう。車やバイクを避けながらゴミ溜めや穴ぼこに気をつけて人をかき分け100mも歩くとどっと疲れる。これがインド大都市の平均的姿なのだろう。
    ネパールから移動してきて一瞬勘違いしてしまったが、インドは決して洗練されていない。

[ネパール]ルンビニ

ルンビニは暑い。急に暑くなった。
午前中から40度越え、夜になっても30度から下がっていないのではないか(というぐらい暑い)。
エアコン付きの部屋を取ったのだが、夜は停電になり、暑さでのたうちまわる。少しでも涼を求め夜中にシャワールームに入ると、蛇口からはお湯しか出てこなくて手を濡らしてもアチチ状態。ホテル屋上の貯水タンクで熱せられてしまったのだろう。

ネパールは国全体が山岳地帯というイメージがあるが、ポカラから南に下りインドとの国境手前30kmのブトワル(タンセンからルンビニへのルートの中間)で山岳地帯を抜けインド大平原に出る。
ポカラが800m、カトマンズタンセンでは1,300mだった標高がルンビニで100mと急激に下がる。その標高差以上に暑さが厳しく、まるで別世界へ移動してきたような気分だ。

<マーヤ-聖堂/オーストリア寺(2枚組)

四大仏跡のうちサールナートだけは20年前に訪れているので、今回は残りの3つ、ルンビニー、クシーナガルブッダ・ガヤーを順に巡る。

サールナートは花や緑が美しく、古代に思いを馳せることのできる遺跡があり、人々の祈りの姿が見られた。と良い記憶ばかり残っているので、ブッダ生誕の地ルンビニは期待していたのだが、自分のイメージとはかなりかけ離れていた。

聖堂の跡や石柱など遺跡はごく一部で、歩き回るには広すぎる聖園内には最近作られた池や運河、そしてたくさんの寺院。
各国の寺院は競うように立派でそれぞれのお国の仏教建築を表現しているようだが、そのようなものを見にルンビニまで来たのではない。ブッダや原始仏教に触れたくて訪れているのだが、素っ気ない聖園(航空写真は聖堂のある南端部)内には見つけられない。ただ、中国人やインド人を中心にした大量の外国人旅行者に接するだけだった。

聖園の外に出て田園や集落を訪れれば、何かしらこの土地らしさに触れられそうだったが、暑すぎて気力出ず断念。
中国人団体客は聖園内もエアコンがガンガン効いたバスで移動していて、とてもうらやましく感じた。猛暑の時期はツアーで訪れた方が良さそう。

[ネパール]タンセン

ポカラからタンセンまで(ルート)のバス旅は楽しかった。(あとから考えると、今回のネパール旅でこのバス移動がハイライトだった)

乗り心地の良くない中型ぼろバスで、くねくねと曲がる山あいの道を飛ばして行く。舗装された道だが荒れていて、幅は狭く大型車とのすれ違いは余裕がないことが多い。急な崖につくられた道で峠を越えると村が現れ、またすぐ峠道となり、それを越えると集落が現れるということを繰り返していく。

このバスが食事休憩した峠の茶屋からタンセンへの入口となるバルトゥンまでの37kmのルートは、数百メートル下に流れる川を眺めながら進んだりとか今まで味わったことのない高度感を体験でき、これぞネパールの旅という気した。

<タンセンの町なみ(2枚組)

観光客があまり訪れない町に行けば、求めていたネパールらしさが見られる気がしてタンセンに立ち寄った。

ポカラからのバスを降りたバルトゥンからタンセンまでは乗り合いジープが通っているが、車道でも4km(ルート)ほどしかないので歩いてみる。「地球の歩き方」に点線で示された、町までショートカットするルートは地元の老人たちも歩く道なのだが、2kmで200m以上登る急傾斜。町中に入っても傾斜のきつい道ばかりで心拍数が高止まり。坂好きの私はわくわくしてきた。

しかし、他には小さな寺院がある以外、歩き回っても特に目に止まるものがない。アフリカやインドのような異国感は強くない、かといってかつての日本を想起させる情景があるわけでもない。いったい私は何をネパールに求めていたのだろう。

ま、あまり深く考えず、山を下りてルンビニへ向かうことにした。

<参考図書>D29 地球の歩き方 ネパールとヒマラヤ 2013~2014 => 最新版 2018~2019

[ネパール]ポカラ

昨日ポカラに移動して2日目の朝、ホテルからヒマラヤの山々が見えた。

今回のネパールの旅は雨季に入ったためやむなしとあきらめていたが、やはり見えると感動。
ポカラから望めるヒマラヤの中で最も特徴的な山容のマチャプチャレ(6,993m)。まわりに無数のパラグライダーが群がるように飛んでいた。

<マチャプチャレ>

山が見えるならばとヒマラヤビュースポットのひとつ、日本山妙法寺(World Peace Pagoda)を目指した。
宿から歩いて(水量少なくつまらなかった)デヴィズ・フォールに立ち寄った後、先へ進み舗装の主要道路を右折して土埃の上がる林道を登る。途中からは、日本の低山の登山道のようなハイキングルートを上っていくと白いパゴダが見えてくる。頂上部のパゴダ周辺からは湖を見下ろすことができ眺望良いが既にヒマラヤ山脈は雲に姿を隠していた。(この後もネパール滞在中、二度とヒマラヤを見ることはなかった)

主要道分岐から日本山妙法寺まで距離2.4km、標高差300mのハイキング(GPSログによるルート)。他に車道を歩いていたのは外国人旅行者2組だけで、現地人は車やバイクで頂上の近くまで登っているようだ。(その場合のルート
帰りはダートロードを下り、舗装された主要道路に出れば、どのバスに乗ってもポカラ市内に戻れるはず。

<フェディからダンプスへのミニトレッキング(2014年6月3日)>

ポカラでも入域料不要な日帰りトレッキングに出かける。

バグルン・バスパークから中型バスでフェディまで35分、50NPR。バス停すぐ近くに登り口がある。石段の区間が多く、民家を巡りながら登っていくような道。ダンプスの展望所らしき場所まで距離2.2km、標高差550mの登り一辺倒(GPSログによるルート)だが、途中の茶屋でのジュース休憩を含め1時間ちょっと。荷物がほとんどない軽装のためどんどん登っていったが、全般に歩きやすい道だった。
さすがに物足りなかったので、そこからほぼ平坦な車道を村の奥に向かって800mほど進んだが、農作業をしている人を見かけるだけで何も面白味がなかったため引き返す。

<ダンプスまでのトレッキング途中の眺め(2枚組)

ダンプスまでは車も通っていて(ルート)、展望所付近では中型バスでやってきた中国人団体客がはしゃいでいた。
ネパールでトレッキングした気になりたくて手軽なコースを選んでみたが、達成感なく、軽い運動がてらポカラ郊外の農村めぐりをしただけという感じ。(ダンプスからヒマラヤが見えていれば感想も違ったかも)

[ネパール]カトマンズ

標高1,300mのカトマンズには多少なりとも清涼感があると思っていたがとんでもない。とにかく埃っぽい。

旅行者が多いタメル地区などでは、狭い路地を古い車やバイクが走り回り、排ガスの浮遊が耐えられないレベルに達している。寺院が集まるダルバール広場には車が入ってこないが、ハトのフンのせいなのか鼻や喉が常にむずむずする。古い寺院そのものから埃というかアレルギー性疾患を誘発する微粒子が発生しているようだ。

また、ミニトレッキングと称してカトマンズ近郊を歩いてみたが、そこは登山道というより山村のあぜ道や農道であり、あちこちで堆肥のにおいがして乾燥した大地から巻き上がる細かな砂に苦しめられる。

ネパールは6月から9月前半まで雨季で5月後半になるとヒマラヤが見えるチャンスは非常に小さくなるということを承知で来ている。初めて訪れる国はいつも下見だと思っているので最適なシーズンに旅をするというこだわりはない。

<パタンのダルバール広場>

下見の旅ではあるが、カトマンズは10USD前後でシングルに泊まれるので、ゆっくり滞在して面白そうなところを見つけるつもりでいた。ダルバール広場やスワヤンブナートなどカトマンズ内の観光スポットをいくつか訪れ、郊外のパタンにも出かけてみたが、どこもイマイチ。仏教寺院は好きなのだがすぐに飽きてしまった。

<ドゥリケルからパナウティへのミニトレッキング(2014年5月31日)>

雨は降っていないが湿気が多くヒマラヤが見える気配はないため、今回は大金を払って本格的なトレッキングをするつもりはない。ただ、トレッキングの雰囲気だけは味わってみたかったので「地球の歩き方」に載っていた日帰りコースを歩いてみる。

<ミニトレッキング中の眺め(2枚組)

カトマンズの宿を8時30分出発。カトマンズからドゥリケルまでバス1時間30分で55NPR

ドゥリケルを15分ほど徘徊後10時50分出発。11時30分にカーリー寺院(ルート)。見晴らし良いがヒマラヤは見えない。

出発が遅れているので急ぎ足。この先近道しようとして細い道に入るが迷う。GPSを頼りに強引にそれらしき方向へ進み、あぜ道や農家の私道を渡り歩く。ほどなくして車道に戻り12時10分カブレの食堂とバス停通過。そこから先は起伏のある固いダートロードを延々と歩きナモーブッダに13時40分着。

ナモーブッダには参道があり展望所に行けるようなので、大勢訪れていた現地の若者たちと競うように急な坂を登る。この丘の頂上部(航空写真ルート)には寺院の施設がいくつかあったが工事中のところもあり何が何だかわからずうろうろして戻る。眺望は良いのでヒマラヤが見えるならぜひ登るべき。

この参道で大分疲弊して食欲がなかったので、何軒かあった食堂に立ち寄らず14時20分ナモーブッダ出発。

この後もダートロードの車道を下るとサンサン(Sunthan)のバス停(ルート)らしき場所でバスが発車していくのを15時15分ごろ目撃して、そのまま農村の車道を延々と歩き16時10分、予定より早い時間にパナウティ到着。さすがに腹もへってきたので早めにカトマンズへ戻りたい。

川を渡って寺院を見学して町中を歩き大通りに出た16時30分、こちらに向かってくるバスを発見。車掌に「カトマンズ?」と尋ねると「カトマンズ」と答えるのでガッツポーズで徐行するバスに飛び乗る。(ここまでのGPSログによるKMLルート

合計5時間40分、距離20kmで上りの累積標高差900m、下りは1,000m。結局ほとんど休憩を取らずがむしゃらに歩いた結果なので、ガイドブック通り8時間はみておいた方が良さそう。

行き先を確認して乗ったバスはカトマンズ(Kathmandu)行きでなく、Khopasi行きで逆方向に連れて行かれ15分後の終点で誤りに気づく。車掌と行き先を言い合って確認したはずなのに最初の”K”しか合っていないじゃないか。そのバスが折り返すのを待ちパナウティに戻る。(パナウティのカトマンズ行きバスターミナルまでのGoogleマップによるトレッキングルート

パナウティからはバスで1時間30分、60NPRでカトマンズに戻る。

<トレッキング中出会った子どもたち(2枚組)

ナモーブッダの参道以外は自転車で走れるはずなのでマウンテンバイクで回れば快適だと思うが、これら農道や林道を何時間も歩くのは路面が固く膝や腰に堪えるだけなのでお勧めではない。

ただ、このルートでは入場料など一切不要で、かかった費用はバス代115NPR、途中で買った高価な水50NPRと間違って乗ってしまったバスの往復30NPRだけで(私の場合)合計200円ちょっとで丸一日山村歩きができたのは、ネパールならではという気がする。

時間に余裕を持ってもう少しゆっくり歩けば、かわいらしいお子さんに会ったり、村人との出会いがあり、楽しいハイキングになるのかもしれない。

<参考図書>D29 地球の歩き方 ネパールとヒマラヤ 2013~2014 => 最新版 2018~2019