国別アーカイブ:ルワンダ ( 4件の日記 )

[ルワンダ]ギコンゴロ

<メモリアルセンター航空写真への道からの眺め>

ブタレから30km、ジェノサイド(集団殺戮)のメモリアルセンターがあるギコンゴロに入る。
ギコンゴロまでの道は、丘というか小さな山が途絶えることなく現れ、道沿いの傾斜には耕された田畑が延々と続き、ある一定間隔に集落がある。
ルワンダに入ってから今まで通ってきた幹線道路でもずっと同じような景観が続いていた。人間が手を加え続けることにより美しさが保全された里山がルワンダ国土中に広がっているようだ。

メモリアルセンター(航空写真参照)はどのように評価したら良いだろうか。アウシュビッツのようなコンクリート造りの長屋がいくつかあり、室内に悪臭のする死体が積み重なっている様を見せてもらうだけ。あと法廷だったという小さな建物も見せられたが、同行するスタッフからの詳しい説明はなく、写真やパネルなどでより理解を深めてもらおうという気は全くないようだ。
センター周辺の自然は美しい。道を行きかう人々は平和な顔をして、私に笑顔を見せたり挨拶をする人も少なくない。
インパクトがあったがよく理解できなかったので、帰ってからルワンダのことを少し調べてみよう、そんな気にさせるのがメモリアルセンターだった。

<メモリアルセンター近くの民家>

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ほぼ体調が回復した。長かった、約3週間、病んだ体にアスピリンを与えながら旅を続けていた(途中3日間は完全に休養)ことになる。
それで、久しぶりに歩き回り、これぞというビューポイントを探し、子供をはじめとした地元民との触れ合いや出会いを求めたのだが、ほとんど不発だった。
どっちに行けばいい景色がありそうだとか、気さくな住民たちが出迎えてくれる集落がありそうだとか、勘を働かせながら歩く必要があるのだが、全く機能していなかったようだ。
清潔感があり、気持ちが通じやすい人が多いルワンダはとても好きになりそうな気がしているのだが、私との相性がよくないのかもしれない。

<ルワンダめも>
  • マリなみかそれ以上に顔の造りは良くない。しかし、内面は穏やかで日本人の感覚に近く、アフリカ人らしくないという人を多く見かけた。
  • 女の子の頭がほとんど丸刈りできつい顔をしている子が多く、識別が難しい。スカートを履いているから女なんだろうなという程度。逆にやさしい顔をしてピンクの服を着ていた男の子を女の子と間違ってしまった。
  • 私が旅した12月は日中ほどよく暑く、朝晩ほどよく涼しい。扇風機不要でシャワーにお湯が必要という気温。
  • 道は良い。ウガンダやケニアとは比べものにならない。国中ほとんどに起伏があり、坂道だらけで下りではいくらでもスピードが出るのだが、多いときは5km間隔ぐらいに警官がいて、スピード違反を取り締まっているようだ。私が乗っていたバスの運転手が1時間に2回捕まりそれからはおとなしく運転していた。
  • バイクタクシーは運転手だけでなく客もヘルメット着用が義務づけられていて面倒。ハイエースの乗り合いミニバスは助手席でシートベルト着用を運転手から要求される。しかし、最前列真ん中の席はシートベルト不要。
  • フランス語と英語が公用語で、銀行員などそれなりの職に就いている人は英語を難なく話すが、バイクタクシーの運ちゃんや安宿の主人はフランス語なら問題ないが英語はカタコトといった感じ。子供はフランス語のみが多い。よって、私のように旅行仏会話ならなんとかというレベルの人は結構楽しめる。
  • 幹線道路沿いは一定間隔で集落があり、家々が集中せず点在している。唯一の大都市キガリでも人や車、建物などの密集が見られず分散している。国土の計画的土地利用はお見事としか言いようがない。
  • 幹線道路をぞろぞろと歩いている人をあちこちでみかける。そんなに歩く用事があるのか、比較的発達している交通機関をなぜ利用しないのか、不思議で大きな疑問だった。
  • ブタレからキガリまで日本のマイクロバスにあたる中型バスが4社以上運行しているのだが、ほとんどが30分間隔で驚異的なことに定時運行している。
  • どこも似たような景色で3日いれば飽きるかもしれないが、アフリカにしては異常に規律正しく清潔な国ルワンダは一見の価値あり。国境周辺の治安が安定すれば、自転車でゆっくり旅するのが楽しいかもしれない。
  • マイナースポットをゆく(西アフリカ編/東アフリカ編)のまとめ

[ルワンダ]ブタレ

<町中の2つの教会(2枚組)

町はずれにある博物館は評判が良いようだが、確かになかなか頑張っている。私は十分楽しめたが、ほとんど藁と木で作られたものしか展示されておらず(館内撮影不可)、アフリカのお宝ってこんなもんなのかよと一般の人々は思ってしまうだろう。

ルワンダ国内の他の町と同様、ここブタレも丘の上に町の中心部が小さくまとまり、周囲に広がる農村から急な斜面を登り降りする村人の姿があちらこちらにある。豊かな自然と生活が融合した景観が見られる私好みの町だ。
しかし、なぜか絵になる景色がみつけられず、教会の2枚の写真でごまかすこととする。

[ルワンダ]キガリ

<キガリ中心部付近>

来てみて、触れてみないとわからないものだ。
1994年にツチ族とフツ族の争いで大量虐殺が行なわれていたルワンダの首都がこれほど洗練され華やいでいるとは、人々がこんなに大人しく暖かみがあるとは思ってもみなかった。

東アフリカに来て、西アフリカとのギャップに驚いているが、キガリはケニアやウガンダと比べてもあらゆる面で更に洗練され、アフリカらしからぬ街である。

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例えば、バイクタクシーのドライバーはみな制服のジャケットを着て、ヘルメットをかぶり、客にもヘルメット着用が義務付けられる。
路上で調理して食べ物を売る店がない。食堂の食べ物に野菜が多く、先進国なみの普通の料理が多い。
環境への配慮からビニール袋の使用が禁止されている国だから、『どこでもトイレ』や『どこでもゴミ箱』などは許されない。アフリカの都市における空き地や用水路にみられるゴミ溜め状態がなく、非常にクリーン。
交差点で車が停車しても物売りが寄ってこない。
大量虐殺の影響による肢体不自由な人が大勢物乞いをしているのではと思っていたが、特に他の国と比べて多いことはなく、たまたま見かけた人たちは物乞いなどせず、不自由な体で元気に動き回っていた。
東アフリカに来てから黒人以外の現地人をみかけるようになったが、キガリはその数が増えた。

小さなやさしい声で話す人が多く、感覚的に日本人にぐっと近くなっている。
「チャイニーズ」とか「シノワ」(ルワンダでは現地語以外に英語とフランス語が公用語)と呼びかける声が、今までの国のような罵声に聞こえず軽い挨拶に感じるため、私も無視せず手を上げたりして反応する。今までの国では、日本人に対していきなり「中国人!」と罵るとは何事だと思っていたのだが、キガリの人々の表情を見ていると、「これはこれはおめずらしい、東洋のお方ではないですか、我々の国にようこそいらっしゃいました」という気持ちが「シノワ」にこめられているように感じてしまうのだ。

私が駐車中の車のドアに寄りかかってぼうっとしていた時、その車の運転手が無言で私の腕をそっと触り、彼がドアを開けようとしていることを知らせた。他の国ではまずでかい声で「どけ!」と言い更に強く体を押されたりするものだが、その運転手の行為が日本人に非常に近いなあと感じたのだ。

<ルワンダのキャッシング情報>

西アフリカからずっと今まで旅した国は全てVISAカードでATMからのキャッシングが可能だったが、ルワンダではダメだった。

銀行の数が異常なほど多く、ほとんどの支店にATMが設置されVISAマークも表示されているのだが、どの銀行の機械で試しても出金できず、銀行員が言うには窓口でのみVISAキャッシングが可能とのこと。
銀行巡りをして尋ね歩いたところBancorという銀行でのみ窓口キャッシングが可能ということがわかり、3.5%の手数料でキャッシングできた。(現在はATMで日本発行のVISAカードによるキャッシング可能なもよう:2012年6月)

それにしてもキガリの銀行店舗は洗練されていて驚いた。日本の地方銀行よりも余程あかぬけていて、入口で受付係が用件を聞いた上でカウンターに案内したり、来店目的に応じて番号札を機械から発行するような店舗がいくつもあった。

[ウガンダ/ルワンダ国境]Katuna(Gatuna)

カバレからキガリまでの道は景色の良い峠を越えていく。峠を挟んだウガンダとルワンダで土地利用が変わるのが面白い。

<国境越え詳細(ルワンダのアライバルビザ情報)>
  • カバレから国境の町カツナのイミグレ近くまで(区間)乗り合いカローラが頻繁に出ている模様。約20分で着く。
  • 出国カードを書かせられるが、それ以外はスムーズに出国処理完了。
  • ウガンダのイミグレーション(出入国審査場)からルワンダのイミグレまで歩いてすぐ。
  • ルワンダのイミグレで入国カードに記入してルワンダビザ申請。シングルエントリーのみで60$。写真不要で10分程度で発給。
  • ルワンダ入国時には税関による荷物チェックがあり、ビニール袋持込禁止のため全て没収されるという噂だったが、私は税関チェックをパスしてしまった。(イミグレーションから先に進みミニバス乗り場手前に税関があるが、イミグレの側に停まっていた大型バスに乗ったため)
  • 乗客の税関が済み出発直前の大型バスに乗せてもらい、キガリまで(ルート)約1時間半。KAMPARA COACHのバスだったが、横一列が2+2の4人掛け(通常は2+3)で通路に人もなく快適なバスだった。但し、カンパラ深夜発の夜行バスと思われる。
<ルワンダ基本情報>

[首都]キガリ、 [通貨]ルワンダ・フラン(2008年11月, 1フラン = 約0.17円)
[公用語]英語、フランス語、キニアルワンダ語、 [宗教]キリスト教94%、イスラム教 5%
[入国ビザ] 必要、国境でシングルエントリービザ取得(60ドル)、
[歴史/概要]
17世紀にルワンダ王国建国。1889年にドイツ保護領となるが第一次大戦後はベルギーの信託統治領となる。1962年の独立以前からくすぶっていたフツ族(85%)とツチ族(14%)との争いが、1994年の大統領暗殺をきっかけに大虐殺となり、100日で80万人以上が犠牲となる。その後は二度と悲劇を繰り返さないよう部族という概念を捨て、平和を目指し現在に至る。
コーヒー、茶を主要作物とする農業が盛んで、農林漁業が労働人口の90%を占める。
国土全体が山や丘、湖に覆われ「千の丘の国」と呼ばれる。