国別アーカイブ:スペイン ( 8件の日記 )

[スペイン]ロンダ

<ロンダのヌエボ橋航空写真/市内から見下ろす牧場(2枚組)

峡谷に橋の架かる街。ガイドブック(ロンリープラネット)のその言葉に惹かれてロンダに立ち寄ることにした。
アルジェリアのコンスタンティーヌのような街を期待したが、橋は一つしかなく、川には水がほとんど流れていなかった。小高い丘の城塞都市からは周辺に広がる長閑なアンダルシアの風景を望むことができ、小さな街だが楽しめないこともない。
しかし、海外から来てまで観光するような所でなさそうだが、街中のレストランなどにグラナダよりはるかに多く日本語表記が見られる。来るのかな日本人がここまで。

グラナダからの列車はかなり揺れる。(鉄道利用のグラナダからロンダまでのルート、()で車によるルート)
先進国の列車がここまで揺れていいのかと思えるほど。いかにもローカル列車を感じさせるディーゼル車による各駅停車だが、駅が少ない。イタリアに比べ、はるかに列車本数が少なく乗客も少ないのは、人口密度が低い以外に原因があるのだろう。

今日も暑い。この辺の特徴としては30度以上の時間帯が長いことだ。夜7時でも強い日差しを感じ、日なたでは30度を超える。
しかし、陽が沈むとぐっと冷えてくる。ここまで南下して、ホテル代がかなり安くなってきた。朝食は相変わらずつかないが、かなり清潔な部屋で21ユーロ。物価の安い東欧諸国なみだ。ただ、この暑い街でエアコンもファンもないのが不安だったが、夜の急激な冷え込みにより不要だった。

[スペイン]グラナダ

<アルハンブラ宮殿 ライオンの中庭/グラナダ旧市街の眺め(2枚組)

プロはかなりきれいに写すものだ。
アルハンブラ宮殿に入り、アーチが幾重にも連なる写真が印象的なポイントを探したが、気づかずに通り過ぎていた。
ライオンの中庭がそのポイントだったが、そこには写真のような光景はない。私が見たライオンの中庭では琉球を連想させる屋根とイスラム建築が不思議な調和を保っていた。(表の写真)

その他の場所も含め、美しい部分はいくつもあるのだが、イスラム建築にありがちな局部的な美なので、そのつもりで臨まないとどこがアルハンブラなのだと探してしまう。
アルハンブラ宮殿から見渡せる旧市街の光景も見所の一つだろう。純白の壁に薄いベージュの瓦屋根が密集する姿は独特の美しさがある。(裏の写真)

コルドバ、セビーリャ、グラナダと訪ねたが、似たような街を3つも観光する必要はないような気がする。どこかひとつを選ぶとなると、やはりグラナダになるんだろうな。

[スペイン]セビーリャ

<アルカサルの庭園/黄金の塔(2枚組)

セビーリャも南国の街。観光ポイントであるカテドラル(教会)とアルカサル(城)は内部が広く見応え十分。セゴビアのカテドラルの柱の太さに驚いたが、こちらはさすがにスペイン一の大きさを誇るだけあり、更に柱が太く天井も高い。ヨーロッパで大分見飽きてきた教会だが、想像以上の壮大さに新たな感動があった。
アルカサルもイスラムによる建築がベースなだけに今までの城とは異なる魅力が見られる。
カテドラルもアルカサルも全体を見渡せるのだが、外観の象徴的ポイントがないのが残念だ。これが今ひとつ知名度を上げられない原因なのでは。

<たびメモ>

スペインに入ってから、街の至る所にあるBARやレストランでおいしそうな食事が目につく。しかし、スペイン南部に来ても観光地周辺の値段はあまり変わらないので店で食事することはない。最近、スーパーの買い物による食事が定番になってきた。サラダ用野菜セット(1.5ユーロ)、ハム(1.5)、オリーブ(0.5)、パン(1.5)、オレンジジュース(1)の合計6ユーロで2食分ぐらいになる。これにケバプと水でちょうど1日分目標の10ユーロだ。(実際は魚の缶詰をつけてしまったりコーラに手を出してケバプまで届かないのだが)
多少栄養に偏りありそうだが、ヨーロッパを出るまでこれで凌ぐしかない。

[スペイン]コルドバ

<コルドバ ユダヤ人街の路地(2枚組)

チケットを買うために30分並び、30分後発車のチケットは取れず、2時間後発となる。切符売り場の列はどれも長く動きが遅く、私はまだましな方だった。明日以降の予約のためにロビーで待たされる人も多い。
長距離列車に乗る際は、荷物の機械チェックがあり(テロ後の対応かどうかは不明)、各ホームの手前にカウンターがあり、チケットの確認がある。飛行機なみだ。スペインではイタリアのように気軽に列車に乗れない。

コルドバは暑い。南に下っているから当然だが、どんどん暑くなる。スペインってこんな暑い国だったんだろうか。乾燥しているので、中東かインドにいるような気分だ。マドリードからの車窓も乾燥地域の疎林地帯のようだった。
エジプトのように身構えて迎えた暑さでなく不意を突かれた暑さのため、観光に身が入らない。ビタミン不足でもあるので。

スペインに来てから思うように写真が撮れない。素人にわかりやすい定番シーンがないのだ。これはという建築物の周りには撮影や鑑賞に適したポイントが用意されていない。また、修復工事中の場合が多く、イベント用のテントや舞台などにも邪魔される。コルドバの名所にもほとんどカメラを向けたくなるアングルがなかった。
歩いて楽しいユダヤ人街の路地を撮影してみたが、中年カップルを撮影しても面白くない。(表の写真)
夜9時ごろにサッカーをする子どもたちを見つけたが親が監視しているのでこんなもんしか。(裏の写真)
今や子どもからばあさんまで観光客のほとんどがカメラを持ち、絵葉書のような写真を自分で撮るのが楽しい時代なのだから、観光地はカメラ写りを意識した対応が必要だ。

[スペイン]セゴビア

<アルカサル/水道橋(2枚組)

中世の街並みが残るというセゴビア。マドリードから列車で片道2時間、日帰りで出かけられる。
こぢんまりとまとまった魅力的な街。大きく長い水道橋があり、立派な教会と白雪城のモデルになったというアルカサルもある。なかなか良いのだが期待したヨーロッパの美しい路地がみつからない。狭い道を多くの車が行き交い、教会周辺などスペースが少しでもあると駐車車両が連なる。これだけの素材があるのだから、本気を出して手を加え規制をすれば、これぞ中世と思わせる魅力的な観光地になりそうだ。

帰りは本数が圧倒的に多いバスに乗った。ほとんど高速道を走り、列車の半分の1時間強で着く。車内の快適さは劣るが、これでは列車より料金が高くても仕方ない。

バルセロナと異なりマドリードの人々の表情は固い。しかし、対応が悪いわけではない。ホテルの掃除婦に顔を合わせるとこわばった表情でこちらを見た後、視線をそらして小さな声で挨拶する。そんな感じだ。

これは、バルセロナも同じだったが、マドリードの人々に話し好きが多い。博物館のスタッフもチケット販売そっちのけで議論して、展示場でも監視員たちが真剣に言い争いをしている。
列車内の若者たちは、一人の話に二重三重に声をかぶせ、それぞれの声が独自の音域を保ち車内に共鳴していた。彼らは口先で声を出すのでなく、頭蓋骨かあばら骨を振動させて音を出しているようだ。
また、話す速度が異常に速い人が多い。単に早口言葉をつなげて話しているのではないかと思うほどだ。意味のある会話をしているならば、相当頭の回転が速いのだろう。

[スペイン]マドリード

<マドリード駅構内>

バルセロナからマドリードまでの夜行は比較的楽だった。3段の簡易ベッドにクーラーが効き、揺れをあまり感じず、同室者たちは静かで結構眠れたようだ。国内の夜行なので、国境越えにより深夜に起こされることがないのが良い。

マドリードもバルセロナ同様に道がわかりやすく、歩道が歩きやすい。美術館が多い街だが、王宮以外にこれといった見物がない。街の景色に特徴的なところが少なく、これはという光景があったとしても多くの障害物により遮蔽されている。
マドリードはバルセロナより更に暑く、今日は湿気も多い。バルセロナが東京の暑さだとするとマドリードは大阪の暑さ。地下鉄が使いやすいが、駅の通路は蒸し風呂の暑さで、車内にはクーラーが入っていない。乗客は苦しそうに中国扇子で風を送る。朝8時すぎの電車でもそれほど混雑していないのが救われる。

マドリードはスリや置き引きが多いだけでなく、首絞め強盗が頻発しているという。首を絞められ気絶したところでパスポートや金品が奪われるという中南米に多い犯罪だが、地下鉄や人通りの多い道を歩いている分にはそんな危険は感じない。ただ、1本裏道に入っただけで急に浮浪者が増え喜捨を強要してくる。

マドリードは日本語表記が多い。バルセロナでも観光名所の案内でいくつかのヨーロッパ言語と共に日本語が記されていることがあったが、ここでは歩行者に対する道案内でスペイン語、英語、日本語の3つが並んで表記されているのが目につく。日本人には大変ありがたいことだが、常に日本語表記があるわけではないので多少とまどう。
ホテル内での案内も含め、ヨーロッパでは2つから4つぐらいの言語を並べて表示しているケースが多く、その順番が決まっていないので英語表記を見つけだすのに時間がかかる。色かフォントを言語によって統一して、わかりやすくする方法はないものか。

[スペイン]モンセラット

マドリード行きの列車が満席で午前発の切符が取れなかった。次の列車は到着が夜になり、マドリードで夜の宿探しは危険だという複数の情報を目にしてしまったため、夜行で朝着く列車で入ることにした。スペインは列車の本数が非常に少ない上に事前に予約しないと満席になりやすいようで極めて使いにくい。

空いた時間を利用してバルセロナから1時間のモンセラットを訪ねる。
モンセラットはキノコ岩が寄り集まった山に教会や修道院が点在する観光スポットだ。黒いマリア像が有名だということで、私も長い列に並んで拝ませてもらう。包容力が感じられる親しみやすい表情だ。マリアが手にする玉にさわると、やさしいお顔の仏様に触れたような気持ちになった。
モンセラットには山岳鉄道やケーブルカーなど様々な乗り物があるが、ハイキング感覚の山道も整備されている。登山の好きな私はついつい登ってしまうのだが暑さと空腹で早歩きができない。そんな私を老夫婦があっという間に抜き去って行く。ヨーロッパの老人は足腰が丈夫だ。

バルセロナは良い街だと思っていたがそうとも言えなくなった。夜の街がうるさすぎる。深夜12時ぐらいまで騒いでいるのは許せたとしても、この街の人たちは朝の6時まで大騒ぎを続けるという狂乱ぶりだ。1日目の夜は日曜だからうるさいのかと思った。バルセロナのメインストリートであるランプラス通りに面した部屋だから仕方がないと考え、反対側の部屋に替えてもらった。部屋を移ってからは日中ほとんど通りの音が聞こえなくなったが、ワールドカップの試合で勝利したことによってその静かな部屋にも響く雄叫びや凱歌が何度も襲ってくる。もう終わるだろうと耐えながら、ついに前の晩と変わらぬ眠れぬ朝を迎える。

[スペイン]バルセロナ

<サグラダ・ファミリア/グエル公園(2枚組)

バルセロナは街としては良い所だ。歩きやすい、地下鉄はわかりやすい、大都会の機能を持ちながら、昔ながらの魅力的な路地や歴史的建造物がところどころにある。犬が少なくフンがない、喫煙者があまり多くなく、投げ捨ては少ない。警官をよく見かけ、交通マナーは日本人なみだ。旅行前にイメージしていたヨーロッパの街がやっと現れたという感じだ。
しかし、観光地という点では、ガウディの作品に興味がない人は、わざわざ遠くからやってきて見にくるほどのものはない。

サグラダ・ファミリアは今回の旅でぜひ見ておきたい観光スポットのひとつだったが、実物を見るとなんか小さいし、建設中の状態を見学するのは建築関係者だけで良いのではという気がする。しかしながら、多くの観光客を集め、工事現場の写真を取らせて楽しませているというのは大したものだ。かくいう私も階段で上まで登ることができたので満足度は高い。
他にもグエル公園などガウディ建築物を見られる場所が多くあるのだが、奇をてらうパターンが同じような気がして飽きてきてしまうのは、私だけ?

<前日>

アビニョンから列車を乗り継ぎバルセロナに向かう。
国境の駅で2時間の乗り継ぎ待ち時間があり、面白そうな街であれば宿でも取ろうかと思ったが、小さな海水浴場のある漁村という雰囲気だ。漁村なのに旅行者が多いためか食べ物が高い。予定通りバルセロナに向かうことにした。

スペインに入ってから公共トイレが無料になった。よい事だ。

スペインにおける挨拶はオッラー。イタリア、フランスではボンジョルノ、ボンジュールと言われ、時にはスィニョーレ、ムッシュウというくすぐったくなる言葉まで付けられていたのにスペインでは突然オッラーという投げやりな短い言葉だけ。
車掌やホテルのスタッフからオッラーと挨拶されてなめられてると感じるのは、私だけ?