国別アーカイブ:ウクライナ ( 3件の日記 )

[ウクライナ]キエフ

<聖ミハイルの黄金ドーム修道院/ソフィア大聖堂(2枚組)

<ウラジーミル聖堂>

ウクライナは世界遺産のリヴィウ(Львів)で理解したことにして、キエフ(Київ)は遠いのでパスしようとも考えていた。しかし、ここまで予定通りの日程で進んでいるので半ば仕方なく夜行に乗ってやって来たのだが。

驚いたことにキエフはリヴィウと格がまるで違う大観光地だった。豪華に光輝く修道院やお宝豊富な博物館を見ていると、どうしようもなくつまらないリヴィウをパスするのが正解だったと思われる。

キエフはなかなか楽しめたのだが、見るべきものはほとんど教会関連だけ。その中で最も良かったのが、現在、市民の祈りの場所として使われているウラジーミル大聖堂(右写真)。
内部は全て壁画や彫像、金の装飾で埋められているが派手さはなく落ち着いている。
聖体礼儀が行なわれている間、十人ほどの聖歌グループから迫力ある美しいハーモニーが流れる。
人々は一心に祈り堂内の空気は張りつめていた。祈りの力を強く肌に受け、旅をしていると実感する。

上の写真のソフィア大聖堂の黄金と緑を組み合わせた屋根は意外に美しく、聖ミハイルの水色と黄金の組み合わせも青空に映える。この他にも外観がかなり派手な教会施設が多く、個性溢れる姿に感動していたが、だんだんとやりすぎではと感じてきた。ウラジーミル聖堂の外壁が黄色だったり、キエフ大学は外壁全体を朱色に染めたりと、この街の人々は色彩の刺激に麻痺してしまっている。

<ウクライナめも>
  • ホテル以外のトイレの便器はほとんどが洋式でなく和式に近いアラブ式というのか中央アジア方式。全て有料トイレで、数は多く見つけるのに苦労はないが、鍵が閉まらなかったり汚すぎたりで利用しにくい。紙は料金支払時に窓口にある紙を自分で巻き取るかおばさんから50cmぐらいを支給される。私のように5mぐらい必要とする人はトイレットペーパーを持参すべき。
  • 人はほがらか、一部の旧ソ人を除いて問題なし。
  • ベラルーシと異なり、街の造りに旧ソ連らしさがあまり見られない。旧ソを感じるのは、トローリーバスが走っていることと、地下鉄のホームまで伸びる異常に長い高速エスカレーターぐらい。
  • 街の人々はベラルーシの方が垢抜けている。
  • 街の若者や安宿のスタッフも含め基本的に英語が通じない。筆談で意思疎通をはかってくれる窓口係でないと列車の切符を買うのも容易ではない。
  • 英語表記は稀にしかない。
  • 特にリヴィウに於いて、付け鼻で外国人に扮したお笑いタレントよりも鼻が高い人を何人も見かけ、ぶったまげた。
  • ロシア語ができるか、2、3日滞在して表記文字に慣れればウクライナを楽しめそうだが、キエフ以外に満足できる観光スポットがあるのだろうか。
  • ヨーロッパ東の端を南下するのまとめ
<ウクライナ(オデッサ)/モルドバ(キシナウ)間の国境越え情報>
  • 体が丈夫なごく普通の旅行者はキエフあるいはリヴィウから夜行バスでモルドバに入国するのが一般的と思われる。
  • 私は長時間のバス利用を避けたかったのでモルドバに近い黒海沿岸の街オデッサまで夜行列車で移動して、そこから列車での入国を試みたが、現在オデッサ、キシニョウ(キシニョフ、キシナウ)間に列車は走っていないことがオデッサ駅で明らかになる。(ネット上で調べた限り、列車はあるはずだが利用していないという情報しかみつからず、DB BAHN検索でも出てこなかった)こちらの区間ルートはオデッサ経由の陸路ルートと距離、()を押すとオデッサを経由しないルート表示)
  • オデッサ駅から西へ伸びる大通りを2、3分歩くとバスターミナルがある。(私の持っていた3年前の歩き方地図には表示されていなかったので念のためのお知らせ)
    <参考図書>地球の歩き方 ガイドブック A31 ロシア 2006~2007=>最新版 2018~2019
  • バスターミナルにはサインや時刻表らしきものはあるが、キシニョウ(chisinau)のウクライナ文字表示がわからず、切符売り場には長蛇の列ができていて誰に尋ねたらいいのかわからず呆然とする。メインの窓口でなくプラットフォームの小さな窓口が空いたので、キシニョウ?と自信なく尋ねる。すると通じただけでなく、その窓口でチケットが販売され、隣に停まっていた大型バスがキシニョウ行きだとわかる。65グリヴナ(780円)。ウクライナ文字表示はКишинёвで発音は同じ。
  • 1時間ちょっとでウクライナ側出国審査に着く。バスから降りずにパスポートコントロールを受ける方式だが、パスポート回収されるまで暑い車内で1時間待たされる。その間、一瞬トイレに行けるチャンスがあったので念のため済ませておく(その後トイレ休憩があったのはオデッサ出発から4時間半後のタイミングだったので長時間もたない人にとってチャンスはここしかない)。パスポート回収から40分後に出発。
  • 数分バスで移動してモルドバ側入国審査。こちらもバス内審査だが、私だけ降ろされ担当係官上司の簡単な面接を受ける。ついでにトイレをチェックしたがなさそう。しかし、両替所があったのでウクライナ通貨の残りをモルドバ通貨に交換。
  • 8:50オデッサ出発で、15:10着。6時間強のうち出入国審査に要したのは約2時間。バスのルート不明だが明らかに沿ドニエストルは通過していないので、賄賂要求などのトラブルなし。

[ウクライナ]リヴィウ

<ドミニカ教会(2枚組)

リヴィウ(Львів)は古都としての素材はありそうなのだが美しく見せる部分が欠けている。改築工事があちこちで行なわれているので今後ましになるかもしれないが。
中心部の道路の多くが古い石畳なのだがとんでもなく荒れていて、バスに乗っているとアフリカの洗濯板ロードのような激しい振動を受け、ほとんど速度が上がらない。その点、レールの上を走るトラムはスムーズに走れるのかと思ったが、かなり古い車両を使用しているため緩やかな下り傾斜でもおそるおそるゆっくり走っている。宿が安い以外ぱっとしない街だ。

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<リヴィウ民族建築・風俗習慣博物館(2枚組)

駅で軍服姿の鉄道警察(?)にパスポートチェックを受ける。外国人のチェックをするなら片言の英語を話して欲しいのだが、パスポートを見ながら、(たぶん)現地語とロシア語を交互に話し、私がわからんと言っても許してくれない。何度か言い回しを変えた後でクダー(where)と2度目に言われた時、やっと「どこへ行くのだ」と聞かれているのがわかり、切符を見せることにより簡単に解放される。
旧ソ連の国に入るならロシア語の基礎の基礎は行きの飛行機でやっておいた方が良い。語学センスのない私は、何度もロシア語にチャレンジしているのだがアルファベットを覚える前に挫折してしまい、いつも苦労している。

<たびメモ>

ソ連式三ツ星のホテル・リヴィウがバス付シングルが150グリヴナ(1.800円)でトイレシャワー共同が90グリヴナ(1,080円)と安い。裏通りに面して室内にシンクが付いていたトイレシャワー共同を選んだが、共同トイレが汚い以外は問題なし。(部屋がそれなりに汚くベッドのスプリングが効いていない、旧式エレベーターが今にも落ちそうなので7階まで階段を上らなければならない、英語が通じない、サービスがソ連式のまま、など人によっては問題だらけかもしれないのでご注意)

リヴィウからキエフまで(鉄道のルート)の夜行列車は下段ベッドが140グリヴナで上のベッドが164グリヴナ、二段ベッドの4人部屋だからかなり安いのでは。上段のベッドが高いのが不思議だが、英単語がいくつか通じた売り場のおばちゃんとのコミュニケーションミスかもしれない。

[ポーランド/ウクライナ間国境]Przemysl

今回の旅で初めて歩いて国境を越える。いろいろと面倒はあるが、国境を越えたと実感でき自力で旅しているような気になれる。

<クラクフからリヴィウまでの国境越え詳細>
  • クラクフからリヴィウ(Львів)に直行する列車は深夜発夜行とクラクフまで夜行で来た列車の早朝発しかない模様。ポーランド側国境の街Przemyśl(プシェムィシル、プシェミシル)まで列車で行き、そこからバスでリヴィウに向かうのが一般的と思われる。(読んでないのでわからないがLonely Planetあたりに記載されているのでは)
  • 8:30クラクフ発12:14Przemysl着のIR(急行?)で移動。35zl、10:30頃クラクフ発で2回乗り換えて行く普通列車は25zl。
  • Przemyslからリヴィウ行きの大型バスが出ているようだが確認できたのは15:30発のみ。
  • Przemysl駅で、駅前バスターミナルがある方の出口で地下通路から地上に出たすぐ左側にミニバスが停まっていて、これが国境へ行くバスとわかる。席が全て埋まらないと発車しないバスだがヨーロッパでは初めての体験。この日は特別に暑かったが車内にクーラーがなく、ウクライナ人は体が大きく彼らの荷物が多かったため、出発までの待ち時間にアフリカなみの圧迫感と息苦しさに襲われる。国境まで2zl、20分。
  • バス停から歩いてすぐの場所にポーランド側出入国審査場。建物内に無料のトイレがあったのでトイレ用小銭を残しておかず使い切れば良かった。と思ったがウクライナ側バスターミナルの有料トイレでポーランド硬貨を受け取ってもらえる。前日から原因不明の下痢なのだ。ポーランドのトイレ代は通常33円、ウクライナは12円。
  • ポーランド出国審査はEU諸国民用とそれ以外の窓口に分かれていたが、EU以外の窓口が空いていたため、ねちねち質問される。
  • ちょっと歩いてウクライナ出入国審査場。ウクライナ入国では審査担当係官が1人しかいなかったが、私の後ろに列がどんどん伸びていくのを気にすることなくねちねちと質問。
  • 出国、入国とも税関チェックなし。
  • 審査場を出て両替店が何件も並ぶ道をまっすぐ進み、最後の店を左に曲がったところがバスターミナルで近い。(航空写真で半画面東に移動して北側にある広場がバスターミナル)
    1時間に1、2本リヴィウ行きがある。16.65グリヴナ(200円)、1時間50分でリヴィウ駅前ターミナルが終点。(国境からリヴィウまでのルート