国別アーカイブ:キューバ ( 3件の日記 )

[キューバ]サンティアゴ・デ・クーバ

<街から海へ下る坂道(2枚組)

キューバの博物館には女性スタッフが多い。館内の各コーナーに監視兼ガイドとして年配の女性が配置されているのをよく見かける。その働きぶりは博物館により様々だ。

ハバナで最初に入った博物館はスペイン語が理解できる見学者には熱心にガイドをして、私は全く相手にされなかった。
ところが、別の博物館では、女性スタッフが私をみつけるなり喜んで近づき、立ち入り禁止エリアに私を連れて行き、言葉が通じない代わりにサービスなのか私のカメラで何度も記念撮影をしてくれる。不審に思っていると、最後に出っ張ったお腹をみせ、もうすぐベベが生まれるのでチップをはずんでくれと要求してくるのだった。
また、トリニダーのある博物館では、どのスタッフも偽物にみえる古い紙幣を隠し持っていて、周りに人がいないのを確認して売りつけてくる。
そうかと思うとにこにこしながら誘導をして何も要求してこない博物館もあり、当たりはずれが大きい。

サンティアゴデクーバの歴史博物館に入ると女性スタッフが大きなモップで床を磨き上げていた。ここのスタッフは安心して接して大丈夫だと感じた。おばあさんとも言えるその年配の女性は私をみつけるなりにこっと微笑む。キューバではプライベートルームのおっかさんを始め、気さくに声をかけてくる年配女性に魅力的な人が多い。ほがらかな笑顔が、私の親戚にでも会ったような気分にさせてくれる。
50歳は優に超えている女性は掃除の手を休めると、スペイン語がほとんど理解できない私に対して簡単な単語を使って懸命にコーナーや展示物を説明してくれる。縮れた髪の毛を後ろに縛り上げ、おでこを出した彼女が笑顔をみせると、なぜかしらかわいらしく感じる。
廊下の格子窓から魅惑的な光が入っていたので、彼女が気を抜いたすきに撮った写真(写真上)を見せると子供のように喜んでいた。

<2006年10月27日>

<サンペドロデラロカ城(2枚組)撮影ポイント

サンティアゴデクーバからジャマイカに飛びたかったが、ジャマイカへの便はハバナからしか飛んでいないという。バスでも空路でもハバナには戻りたくなかったので、チケットが手に入ったドミニカ共和国へ向かうことにする。

空港のすぐ近くにある世界遺産のモロ要塞(サン・ペドロ・デ・ラ・ロカ城)に寄った。美しい海岸線に面した遺跡は、観光地らしくある程度整備されているが、これといった魅力的な部分がみつからない。

キューバは人が良く、比較的安全で、想像以上に旅しやすい国だったが、観光地としては今ひとつ冴えない。美しい海を始め手つかずの自然が至る所に見られるため、それら景観を堪能する旅も良いかもしれない。しかし、敢えて遠い日本から訪れるほどのものではない。キューバが観光国として更に発展していくためには、ゲバラ、カストロ以外の観光資源を発掘して整備していく必要があるだろう。
私が発見できたキューバらしさは、どこの街でも古いアメ車が実用車として走り回っている姿ぐらいだった。

[キューバ]トリニダー

<マヨール広場のサンティシマ教会撮影ポイント

ハバナでバスターミナルへ向かうとき、出発時間が迫っていたのでキューバで初めてタクシーに乗ろうとしていると、目の前にボロい車が停まる。白タクのようで正規タクシー料金の半額以下で乗車。ラッキー♪

市内の案内所で指示された出発1時間前を切ってターミナル到着。急がなければならないのだがチケット売り場がみつからず、人だかりのできたインフォメーションに並ぶ。出発まで30分を切りあせりを感じていたころ、トリニダー行きの同乗者を探していた乗り合いタクシーに勧誘される。バスより速く安いというので即決。ラッキー♪

トリニダー(トリニダあるいはトリニダード)の街中に入り、乗り合いタクシーの運転手が道に不案内のため、ガイドブックにあるホテルの場所を通行人に確認する。すると、彼がプライベートルームの客引きで、トイレシャワーエアコン付き完全個室の部屋に案内してくれる。予定していたホテルより街の中心に近く宿泊費は半額以下。ラッキー♪

キューバの旅はラッキーに溢れている。(無許可の移動手段や宿泊施設がはびこっているため、思わぬ不幸に遭遇するリスクが高いとも言える)

<2006年10月24日>

<トリニダー旧市街の路地/周辺の住宅地(2枚組)

<住宅地のお子さま(2枚組)


赤い瓦屋根の建物が集落をなす町、トリニダー(トリニダあるいはトリニダード)。
世界遺産らしい景観が部分的に見られるが、規模が小さい。主なポイントを回るのに1時間もかからない。

次の目的地サンティアゴデクーバへのバスが朝1便だけのため、今日は時間が余ってしまい観光地区外の集落を歩いてみる。
人々の穏やかさはハバナ以上だ。

窓やドアに鉄格子がはめられている家が多く、上半身を露出した黒人がうろつき、普通であれば物々しさを感じる状況だ。
しかし、そんな町を緊張せずゆったりと歩き回れるところが、ここの1番の売りかもしれない。

<2006年10月25日>

トリニダーからサンティアゴまで10時間以上のバスの旅(区間ルート)になるというので、事前の飲食に細心の注意を払って乗車したが、驚いたことにそのバスはキューバで初めて見るトイレ付き。トイレさえ付いていれば、10時間ぐらいはどうってことない、2、3日は乗っていられそうな気がする。
ところが、たまっていた写真の整理と当サイト作成作業でPC操作をしていると、あっという間に酔ってしまった。基本的に乗り物酔いはしない性質だが、このバスは小舟が嵐に揉まれているように良く揺れる。荒れた舗装路を飛ばすため、ダンパーがへたっているようだ。
結局、12時間かかり暗闇のターミナルに着くと、タクシーや宿の客引きが出口の鉄格子ドアに折り重なるように群がっていた。
その夜、振動で胃腸が攪拌されたためか、疲労性下痢炎に苦しんだ。

<トリニダーを走る現役クラシックカー(2枚組)

[キューバ]ハバナ

<旧市街にあるプライベートルーム2階の窓から繁華街と逆の方向を見た朝の風景>

<ハバナの観光客が多い通りを練り歩く道化団(2枚組)

空港の税関を過ぎたところでキューバの地図やガイドブックを売る店があった。『地球の歩き方』ではキューバの情報が乏しいためロンプラか何かを買おうと思っていたので8ドル程度のガイドブック(ほとんど役に立たなかった)を購入。そこの店員に運良くプライベートルーム(一般家庭の部屋を宿として提供)を紹介される。『歩き方』の一番安いホテルが80ドル以上で、どうやってプライベートルームを見つければ良いのかわからなかったので、32ドルと決して安い部屋ではないが大いに助かった。

≫続きを表示

『歩き方』では市内までの交通手段として30ドルだというタクシーしか紹介されていなかったので、ついでにその店員に安い移動方法を教えてもらう。空港から1km以上先にある交差点まで行けば、乗り合いタクシーが捕まえられるというのでその場所を目指すことにした。
空港ビルから外に出る道は車専用にもみえるが、車が少ないので問題なく歩行できる。しかし、空港を利用する現地の人が歩いていても良さそうだが、歩行者は全くいない。強い日差しの中、不安を感じて歩いていると、目の前にルノーの小型車が停まった。私が乗り合いタクシーでセントロ(中心)まで行こうとしていることを告げると、その運転手はとんでもないという顔をして、いいから自分の車に乗れと勧める。
微妙だった。親切にただで乗せてくれる、親切そうに送ってくれるがTAXI代相当の金を要求される、ひとけのない所に連れて行かれ襲われる、の大きく3つのケースが考えられる。3つめだけはないことを祈り彼の車に乗った。
結果は期待以上で、市内中心部に入ると、彼はアドレスを元に人に聞きまくってプライベートルームを探し出し、私を降ろすとすぐに走り去った。私は車内でずっと彼を疑い続け、人の善し悪しを探りながら会話していたのが申し訳なく感じる。成田でキューバ人を見つけたら、東京でも埼玉でも送ってあげたいという気持ちだ。

宿は街の中心から近くて良いのだが、旧市街の地元住民が集まる場所にあり、夜中の騒々しさは半端でなかった。通りに面したエアコンのない2階の部屋に朝4時過ぎまで騒音が響き渡り、まるで喧嘩の絶えない場末の酒場で横になっているようだ。時々、飛び起きてしまう程の大音響や叫び声があがり、3、4人は殺されただろうなと夢と現実のはざまで感じていた。朝は6時にもなると清掃車の音や台車をひきづる音が鳴りだし、不眠による体中のしびれと共に起き上がる。宿を替えるしかないと思ったが、観光案内所のないキューバでどうやってプライベートルームを見つければ良いかわからず、そこへ2泊してしまった。

キューバの道は閑散としている。人も車も少なく密度が低い。逆に言えば、道が十分整備され歩きやすいということなのだが、夜は暗さが半端でない。観光客の多い地区以外は、人通りが多い道でも街灯が暗く少ない。また、店も疎らにしかないため最初の夜は緊張感があった。オーナーが言うには、ハバナの中でもこのプライベートルーム周辺だけは、スリや強盗の多い危険地帯だという。
しかし、暗さに慣れてくると恐怖感は薄れてくる。暗闇の中でも涼しくなった通りを幼児たちが走り回っている。私の感覚では、新宿や池袋よりはましなレベルではないだろうか。この程度で危険だということは、キューバが安全な国のような気がしてきた。(2泊しかしてない者が言っていることなので鵜呑みにせず、キューバを旅行される方は地元の方の言うことに従って下さい)

<参考図書>カリブ海の島々〈2006~2007年版〉バハマ・キューバ・ジャマイカ・ドミニカ共和国
最新版=>B24 地球の歩き方 キューバ&カリブの島々 2019~2020