[アメリカ合衆国]ロサンゼルス
<ウォークオブフェイム(撮影ポイント)>
ロサンゼルスは華やいだ都会だと思っていたが、どこに行っても寂れていて、地元の人々も垢抜けていない。
特にハリウッドの寒々とした雰囲気は何だろう。映画スターの着ぐるみで写真を撮らせている姿は中国の地方都市かと思わせ、それ以外はパントマイムと絵描きのストリートパフォーマーがいただけ。
スターの手形、足形やハリウッド&ハイランドなどメジャーと思われるモノを見たが、うーん?である。
華やかさではバンコクのサイアムスクエアにも負けているぞ。
がっかりだよ、ロサンゼルス。
[アメリカ合衆国]グランドキャニオン
<トレイルヘッドからの眺め>
グランドキャニオンは、すごいと言えばすごいのかもしれないが、この程度の景色であれば世界中至る所で見られるのでは、という気がしないでもない。
≫続きを表示<ヤババイポイントからの眺め(撮影ポイントの航空写真)>
よく整備された公園内を歩いていれば十分楽しむことができるが、こんなに広大な景色なのにみな同じポイントから見させられているような気がする。グランドキャニオンだから気持を高めて訪れたのだが、写真などで見た景色そのままで、何だこんなもんかという感想になってしまう。
今回、私はレンタカーを利用せず公共の交通機関で移動できる範囲でしか鑑賞していないので、車で広範囲に移動したり空から観察したりすればグランドキャニオンのすごさというのものが実感できるのかもしれない。
グランドキャニオン観光の拠点フラッグスタッフまでロサンゼルスから夜行列車で行き、バスでグランドキャニオンへ向かったのだが、このバスというのは10人乗りぐらいのミニバンなのだ。これが、午前と午後に1便ずつしかない。行きのバス(という乗り合いタクシー)にはすんなり乗れたが、夕方の帰りの便は予約で一杯で乗れないと言われる。
世界的大観光地だからいくらでも他に交通手段はあるだろうと思って、行きだけでいいとそのミニバンに乗ってグランドキャニオンに向かったが、帰りの足を確保するのに1時間以上かかってしまった。フラッグスタッフの隣町から観光列車が往復しているが、予約なしで帰りだけの利用は不可と言われ、来る時に利用したミニバンとは別にもう1社だけミニバスを運行している会社があり、観光案内所でその事務所にしつこく何回か電話してもらいようやく席を確保できた。(1人だから可能だった)
ツアー、レンタカー以外でグランドキャニオンへ行く人は観光列車でもミニバスでも事前予約が必須とのこと。
アメリカには自由がない。(かって気ままな旅が困難だ)
[メキシコ]ノガレス(持ち逃げ)
<セントロの教会>
メキシコに入り早速トラブル。
15ドルを娼婦に持ち逃げされ警察に助けを求める。
話は長くなるが、成り行きは次の通りだ。
メキシコ国境の街ノガレスのバスターミナル周辺で宿を探すが安くて45ドルしかない。仕方なく8km離れたセントロ(中心街)に向かう。セントロは国境に接していて、物乞いも多く、いかにも怪しい雰囲気。
そんな中で安宿が集中している地域で探し歩くが適当な部屋がみつからない。いいかげん疲れが溜まりどこでもよくなってきた9軒目のこと。入口から中を覗きこむと30すぎの女性が現れ、「何か?」と声をかけられ、私が「部屋を見たい」と伝えると、「それならこちらへ」と案内される。
「汚いなあ、特にこのシーツの汚さは」と私が彼女に伝えると「チップを出せば私がすぐ洗うわよ」と言う。部屋代を尋ねると、一緒に付いて来た大人しい男が彼女の通訳を介して答える。アメリカとの国境の街だというのにホテルスタッフですら全く英語を話さない人が多い。彼もその1人のため、掃除婦に思えるこの女性が通訳を買ってでていると思っていた。
25ドルという部屋代は私の感覚から異常に高いが、今までみてきたホテルの中では最も妥当な金額かもしれない。
私はこの部屋を取ることにして、お金は誰に支払うのかと彼女に尋ねると、彼にだと言いながら私の財布から20ドル紙幣2枚を取り上げ、目の前にいた男に渡す。
男が戻ってきた時、女がドアの外で彼と何か話し、その後ひとりで室内に入ってきてべちゃべちゃとわかりにくい英語で私に話しかけてくる。「何を言っているのかわからない」と言うと彼女は怒った様子で部屋を出て、そのままホテルの外に出て行った。この時、この女がホテルの従業員でなさそうだと気づき、男のスタッフに釣銭はどうなっているのだと尋ねた。
「釣りの15ドルは自分の分だと彼女が言うのであの女に渡した。今晩、彼女はあなたの部屋に来るんだろう?」
「何を言っているんだ。私は彼女を知らない。彼女はホテルのスタッフではないのか?」
私は青くなったが、スタッフの表情にも慌てている様子がうかがえた。
「いや私は彼女を知らない。あなたは入口から彼女と一緒に来たではないか。あなたが彼女を連れてきたのだ」
物静かで実直そうなこの男は英語をよく話す。彼は状況を正しく判断できなかったことを認めていたが、あの女は間違いなく娼婦だから盛り場に行って女をみつけ金を奪い返してくるよう私に言う。
その後、ホテル関係者3人と私が長時間言い争いをしていたが、スタッフは40ドルを私から直接受け取っていないので、釣りを私に渡さなかったことは落ち度ではないと主張してきた。私はそれでは警官を呼んで仲裁してもらうしかないなと脅すのだが、彼らはこの国で警察は役に立たない、そんなことをすればお互いが損するだけだと言う。
確かにひと昔前は、メキシコで旅行者が最も警戒すべきなのは警官だと言われていたようだ。今でも旅行者にたかる警官には注意するようガイドブックに書かれている。
女とホテルがグルだということを証明できない限り、私はこの件に関して勝ち目はなさそうだと感じてきた。15ドルは授業料だと考え、これ以上エネルギーを消耗するのは止め、25ドルだけ返してもらいホテルを出ようと考えた。
ところが、ホテルは一度金を支払った部屋はキャンセルできない。部屋に泊まらなくても返金は全くできないと主張。もうこうなったら警察を呼ぶしかないと私は言い放ち、勢いよく外に出た。
アメリカとの国境(航空写真)がすぐ近くなので、警官はうじゃうじゃいて、誰もが英語を話すと考えていたが甘かった。まず、街中に警官がみつからない。入国審査場付近に行き警官を1人捕まえたが英語を話さない。ここに英語を話す警官はいないのかと何とかスペイン語で伝えたのだが、あっさりnoと返された。
「なぜ(国境警官のくせに)英語を話さないのだ」
「あなたこそ、なぜメキシコに来てスペイン語を話さない」
私が若造警官に食ってかかると彼は反発してきた。
そこへ国境付近で旅行者のサポートを商売にする便利やくんが現れた。通常、悪徳な輩が多いので関わるべきでないのだが、今は非常事態である。
彼がこの警官の話を通訳したところによると、街の警察署には英語を話す警官がいるのでそこまで出向き訴えれば、ケースによってはホテルまで警官が同行するという。警察署まではタクシーで向かう距離のようだ。私は気が重くなった。タクシーで往復してこの便利やにたかられたら更に15ドルぐらいの出費になるだろう。
もうあきらめ気味に街中で別の警官を探そうととぼとぼ歩き始めた。しつこく付いて来ていた便利やくんが角の向こうにパトカーをみつけオーイと手を振る。すると不思議なことにパトカーが気づき近くに寄り、車から警官が降りてきた。便利やから説明を受けた警官が無線で本署に連絡して、すぐここに英語を話す警官が現れるから待っていろと言って走り去った。
ひと仕事した便利やくんが1ドルくれと言ってきた。警察が現れたら1ドル渡すから一緒に待つよう依頼する。半信半疑だった。メキシコの警察が15ドルぐらいのトラブルですぐ動いてくれるのだろうか。
ところが現れたのである。10分と経たずにピックアップトラックで4人もの警官がやって来たのには驚いた。ドライバーは年配の警官で、体格の良さ、精悍な顔つき、そして知的な英語から、この街の署長だと言われても疑わないほどの男。助手席には、この件の専門官として見た目迫力満点の中年女性が座り、更に非常時対応のためか力だけはありそうな若者警官2人が荷台でバーにつかまりながら仁王立ちしていた。
ホテルまで案内するようにと、私はトラックパトカーに乗せられる。便利やくんが「ミスターまだ1ドル払ってないぞ」と車の外で叫んでいたが、年配警官からどすの効いた声でたしなめられていた。
そして旅行者(私)と4人のメキシコ精鋭警察軍団がホテルに乗り込むわけだが、さあここで問題。
1. 娼婦が持ち去った釣銭15ドルを旅行者はホテルから返してもらえるか。
(ポイント)持ち去られた15ドルがホテルのものか旅行者のものかが争点になるが、旅行者側は旅行者に返すべき釣銭を女に渡してしまったのだから、15ドルはホテルの金だと主張。これに対してホテル側は、そもそも40ドルは娼婦の手から渡されたから釣銭を娼婦に返しただけで、旅行者が40ドルを娼婦に取り上げられた時点で彼女に盗られたのだと主張。
2. 旅行者はこのホテルをキャンセルして25ドルの返金を受けられるか。
(ポイント)旅行者は部屋を全く使用していない。信用できないホテルだとわかったのでキャンセル可能だと主張。これに対して、ホテル側はいかなる理由があっても一度金を支払えばキャンセルできないの一点張り。
さあ、最強のメキシコ警察軍団の裁定はいかに。このあと驚きの結果に当事者騒然。(ってほどでもないが)
威厳ある警官4人の登場に私が期待したようなホテル側の動揺はなく、淡々と3人のスタッフがカウンターの内側に並び警官の対応をした。女性専門官がホテル側から話を聞いた後、私に尋ねた質問はひとつだけ、支払の40ドルは私から直接スタッフの手に渡したか、女からスタッフへだったかである。直接渡そうとしたところを女が割って入り、一瞬だけだが女の手を介した、と多少私に有利な説明をした。しかし、通訳の熟年警官は、あーダメダと思われる声をあげた。
「しかし、彼は私の財布から紙幣がでていくのを見てますし、だいたい彼女がホテル内にいたのだから、私は彼女をホテルスタッフだとしか思っていなかったんですよ」
私はダメもとで最後の主張をした。釣銭15ドルは取れなくても、いかがわしいホテルをキャンセルしてホテル代25ドルが返金されるよう警官たちに仲介してもらいたいと考えていた。
その後、状況を完全に把握した女性専門官からホテル側に対して、早口ながら迫力のある説教が続けられた。彼女から一方的な話が終わると、ホテルスタッフが神妙な面持ちでカウンター内から15ドルを取り出し私に渡す。
通訳の警官が説明してくれた。
「今回はあなたに落ち度があるが、ホテル側にもミスがある。このホテルは娼婦が自由に出入りできる宿だから、持ち去った女をつきとめるのが容易だ。ホテル側が責任をとって15ドルは奪い返してもらうのであなたに返却された。しかし、あなたはこの部屋に泊まらなければなりません。法律上キャンセルはできません」
「このホテルは大丈夫なんですか。安全ですか」
「ああ、問題ないですよ。しかし、周辺は危険ですから十分注意して下さい」
予想と反対の結果に驚いたが、私は損失なく安全を保障されたホテルに泊まることとなった。
そして、短時間で小さな揉め事を解決した4人の警察軍団は颯爽とホテルから立ち去った。
うーん、なかなかやるじゃないか、メキシコ警察。
そうだ、あの便利やくんに1ドル渡してあげないと。1ドルだけでいいかな。
<たびメモ>
(後日談)その後のメキシコ国内の部屋代と比べると、この街のホテルはどこも倍以上していた。さらに泊まった部屋はとにかく床を這う虫が多く、虫をつぶさずに室内を歩くことは不可能なほどだった。メキシコはどこもこんな感じなのかと恐れていたが、ノガレス以外の宿はみな驚くほどクリーン。たとえ体調を崩していても、この街には立ち止まるべきでない。
ここからグアダラハラまでのバスはEliteという会社の一等バスでトイレ付き車両だが、便器に水が流れず手洗いもないので2~4時間毎に停車するターミナルで毎回のように用を足していた。ターミナルのトイレはまあまあきれいだが、全て有料で3ペソ(30円)。
食べ物も時々補給しなければならないが、このバスは27時間中食事休憩は1回しかなかった(途中バスの故障で遅れをとったからかも)。ドライバーは乗客が全員戻ったかどうか確認しないことが多いので、特に1人で旅行する場合、最低限のスペイン語ができないとかなりの苦労が予想される。
[メキシコ]グアダラハラ
<カテドラル(撮影ポイント)>
ノガレスから27時間のバス移動(区間距離とルート)でヘロヘロだが、やっとメキシコの観光が始まり気分が高まる。
グアダラハラはメキシコ第2の都市でさぞ治安が悪いのではと思っていたのだが、ホテルスタッフや親切な警官に尋ねた限り問題なく安全だという。
食事が口に合い、人も良さそうなので気に入っている。
観光地にいる警官は英語を話し、街の造りやレストランなどがヨーロッパ風で洗練されている。
ここの博物館は先住民の遺跡が興味深く、なかなか良かった。しかし、世界遺産オスピシオ・カバーニャスはイマイチな上、入場料が1年前の10ペソ(ガイドブック情報による)から70ペソ(約700円)と高騰しているのが気に入らない。
観光施設、ホテルなど全般に価格が2、3割上昇している。
バスターミナルはグアダラハラ中心部から10km離れ、ターミナルから中心部に入る際は赤の707か709と教えられ、709(9ペソ)に乗ったら1時間以上かかった。市内からターミナルに向かう際は地下鉄(5ペソ)で東の終着駅Tetlanに行き、地下鉄出口から150mぐらいのバス停からR-610(5ペソ)のバスで30分程度で着く。このルートで移動するのに街の人々に手当たり次第聞きまくったが、ほとんどみな親切に教えてくれる。その中で説明してくれた内容が理解できた人に従った。
警官やバスチケット販売員など英語が通じる人が多い。泊まったホテルのスタッフは英語がダメだったが、親切なおじさんたちで、バスターミナルまでのルートを紙に書いて教えてくれた。ちなみにホテルはAna
Isabel(Single200ペソ)。エアコンなしが問題なければ、虫が1匹もいなく清潔でほぼ完璧な部屋。
[メキシコ]グアナファト
<ピピラの丘からの眺め(撮影ポイント)>
なかなか変わった街だ。
かつて鉱山で栄えていたというグアナファト。狭い盆地に壮麗な教会や大学、そしてカラフルな建物が建ち並ぶ。また、石畳の車道が地下と地上を立体的に巡り、ガイドブックの地図がある中心地周辺でもメイン通りをはずれるとすぐ迷ってしまう。
観光地としての磨きが足りないので一般の旅行者にお勧めするほどではないが、個性的な街が好きな人は気に入るのでは。
<ラパス広場周辺>
≫続きを表示狭いながら公園が数多くあり、清掃や植物の手入れが行き届いている。♪この木なんの木気になる木♪の下で、朝、男たちが靴磨きをする姿が印象的だった。(右写真:フアレス劇場斜め向かいのラ・ウニオン庭園)
メキシコの男性は帽子と靴に気を遣うということで、街の公園などで靴磨き屋を多くみかける。
観光用施設はどれもぱっとしないが、私にとって印象的だったのはドンキホーテ肖像博物館だ。よくぞこれだけ集めたなというほどドンキホーテの絵画や彫像などが陳列されている。有名無名の芸術家たちによるドンキホーテやサンチョ像を1度に鑑賞できるのは感動的で、ドンキホーテファンであれば、この博物館を訪れるためだけにこの街に立ち寄っても良いかもしれない。(日本人には安売りショップのファンしかいないかもしれませんが)
街中心部の西はずれにあるPosada Juarez(200ペソ)は(部屋によって多少違うが)驚くほどに床とベッドがきれい。ホテルの前に長距離バスターミナル行きの市内バス発車場とツーリストインフォメーションがあり、大変便利。
[メキシコ]ケレタロ
<ケレタロの水道橋(撮影ポイント)>
メキシコの街に1km以上の水道橋があり、世界遺産に指定されているというので立ち寄ってみたが、「確かに水道橋あります、長いですねえ」ぐらいの感想しかない。(遺跡らしくない)
≫続きを表示<セネア公園からサンフランシスコ教会を望む>
メキシコの街はどこにでも教会と公園があり、涼しくなる夕方には公園のベンチが街の人々でいっぱいになる。長閑な人たちと一緒にぼんやりと時を過ごすのは実に幸せ。
メキシコのホテルはチェックアウトタイムが12時あるいは午後1時なので、部屋に荷物を置いたまま午前中いっぱい観光して午後に移動するというパターンを続けている。
バスはこの地域ではPrimera Plusという会社がメインなので、毎回そこのバスになっている。乗車時に軽食と飲み物がもらえるので昼食は車内で済ます。また、車内のトイレは完璧で便器に水が流れ、手洗いが付き、紙タオルまである。座席は36人分しかないのだが、乗車したバス3台のうち2台にトイレが2つ男女別にあった。
但し、車体は良くても運転は荒いので落ち着いて用が済ませられることは少なく、男性の小でも座って用を済ませるよう注意書きがあるのだが、守られていないのか床がびちょびちょになっている場合が多い。
[メキシコ]テオティワカン
<太陽のピラミッド(撮影ポイント)>
太陽のピラミッドはでかい。ギザのピラミッドほどではないにしても、高さ65mはイメージしていたものよりかなり大きい。下から見上げると頂上付近の観光客が蟻ほど(写真では点)にしか見えないほどだ。
しかし、テオティワカンの遺跡は全般に味がない。深みがないと言うべきか。
太陽のピラミッドの頂上まで登れるのはすばらしいことだが、補修されすぎていて、古代から遺されている部分があるのかどうかわからない。
チチェンイツァやウシュマルは石組みが崩れかけたり、雑草に覆われたりして遺跡らしさを醸し出しているが、こちらには古に思いを馳せらせるような演出がほとんどみられない。
巨大なレプリカに見えてしまうので、少し味付けして欲しいものだ。
メキシコ北ターミナルから遺跡へのバス(31ペソ)は頻繁に出ているようで、私が行った時もすぐに出発した。途中からも客を乗せ満員で走っていたが、遺跡で降りたのは数人だけ。観光客は大勢いたが、ツアーバスか自家用車が大半だった。
テオティワカンからの帰りもすぐ路線バスに乗れ、ルートは違っていたが行きと同じほぼ1時間でメキシコシティの北ターミナルに到着。現地ツアーで行くよりも利便性が高いと思われるが、市内から北ターミナルまで行くのに危険だと言われる地下鉄に乗らなければならないのがネック。
[メキシコ]メキシコシティ
<メトロポリタン・カテドラル内部>
国立人類学博物館には半日ではとても消化しきれないほどのメキシコ古代文明のお宝が陳列されている。見るべき展示物の多さではエジプトのカイロに次ぐのではないだろうか。(自国の文化財のみを陳列する博物館では)
≫続きを表示博物館の1階は考古学で2階が民族学、文明あるいは民族別に部屋を分けて、巨大な遺跡は2階からも見られるようにとか、かなり工夫して配列されている。ここに国内最高の発掘品が全て集められているのかと思ったら、テンプロ・マヨール博物館にも地方のお宝が人類学博物館に対抗するように(規模はぐっと落ちるが)美しく展示されていた。
今まで見てきた地方の博物館(一昨年訪れているユカタン半島も含めて)は一体何だったんだろう。メキシコシティに取り上げられなかった残りものを並べていただけではないだろうか。地方と首都で博物館格差が大きすぎるので、少しは地方の博物館に戻した方がいいのでは。
メキシコシティの乗り物はスリや恐喝が頻出して大変危険だという。外務省のサイトではバスも地下鉄も流しのタクシーにも、少なくとも1人では絶対乗るなと忠告している。ガイドブックには人類学博物館に向かうバスで1ヶ月に日本人12人の被害が報告されたこともあると書かれている。(現金だけの被害であれば届けても保険が下りないため)わざわざ報告する人は少ないはずなのでとんでもない数だ。
どうしたものかと思案したがこれといった解決策が出てこないので、気合を入れて地下鉄に乗ることにした。高価な腕時計をしていると狙われるので外す(テオティワカンで日焼けしてしまい腕時計の痕が残ってかえって不自然)とか、荷物はひとつにまとめて抱えるとか、ホームに警官がいる場合はその近くの入り口から乗るとかした上で、車内の全員をチェックして怪しい人物がいればすぐ降りようと考えていた。なにせ被害例を読むと、地下鉄車内で男2、3人が近寄って押さえ込み財布などを奪うのだが周りの乗客は助けてくれない、ということなので、人相の悪い男たちに注意を払うしかないのだ。
すると、地下鉄車内の乗客たちはどいつもこいつも目つきが悪いことに気づく。私があちこちに視線を向けると、何人とも目が合ってしまう。みんなが互いに車内の人たちを観察し合っているようだ。特に若い男性は、ほとんどが犯罪者になり得る顔つきをしているので、一緒に乗り込んだ男たちはグルか、あの男とこっちの男が目で合図しあったのではないか、とか最大限に警戒し続けていた。
結局、市内の移動に全て地下鉄を使い、何ら危険な目に合っていないが、気を張り詰めすぎてくたくたである。
<ソカロ付近の朝の街角>
メキシコの都会の朝はチョー気持ちいい。街中の車道から歩道までとことん清掃されて磨き上げられているかのようだ。また、メキシコシティなど高地にある都市はひんやりとして空気が澄みきっている。
静かな朝の街を散歩するとあちこちの道端で軽食や飲み物を供する店がある。人だかりができている店で適当に指差して注文すると安くてはずれがない。実に幸せな気分になれる。
メキシコのホテルはノガレスを除いて、たとえ安宿でも、これでもかというほどに磨きあげられているので、セキュリティ面だけをチェックすれば良いかもしれない。しかし、事前にチェックしようがないが、ホテル内の騒音が問題で、安宿ほど夜更けまで騒ぐ客が多い傾向にある。
[メキシコ]プエブラ
<チョルーラのトラチウアルテペトル遺跡(ピラミッドが埋まっている丘の上に建つレメディオス教会)>
メキシコシティの街や博物館のすばらしさを見て、地方の街を観光する気がなくなったが、ここの2つの教会(カテドラル、サントドミンゴ教会)は見事、見る価値がある。
サントドミンゴ教会には壁面から天井へと金箔の浮き彫りに覆われた礼拝堂があり、カテドラルはその大きさと美しさからスペインの有名な教会を連想させる。
バスで30分のチョルーラの遺跡は素朴だ。発掘されたままであまり手がかけられていないように見受けられる。味があって悪くない。しかし、(テオティワカンを巨大なレプリカと言っておいて何だが)これだと元がどうであったのか全くイメージできないのだが。ミニチュアか想像図でも使って説明してくれないと。(帰り際に街中に博物館があることを教えられたが時間がなく行っていない)
<たびメモ>プエブラ、チョルーラ間はローカルバスが頻繁に走っている。全て舗装道路なのだが、日本でダート道路を走っているよりも揺れる。30分ぐらいかかり途中不安になったが、景色を見ていてここしかないというバス停でドンピシャで降りられた。運ちゃんにここに着いたら教えてと言っておけば良いだけだが、メキシコ人は親切すぎるので、混んでいるバスでは運転手や乗客にできるだけ迷惑かけないように自力での移動に努めている。
[メキシコ]オアハカ
<サントドミンゴ教会前広場からマセドニオ・アルカラ通りを望む>
オアハカは花と緑に溢れた美しい街。
石畳の歩行者道路にカラフルな街並み、ヨーロッパ風のカフェもあればメキシコ料理の庶民の店もある。街中にはプエブラなみに壮麗なサントドミンゴ教会と隣に十分立派な博物館と植物園、郊外には遺跡がいくつかあって観光資源が豊富。
理想的な観光都市ではないだろうか。
<マセドニオ・アルカラ通り>
≫続きを表示<カテドラル前でストライキをしている人々>
しかし、まだストライキが街の中心であるカテドラル(教会)とソカロ(広場)で行なわれているのだ。現地の人たちはクレージーなやつらがストライキだと称して何日もここに泊り込んでいると言っていたが、2006年5月に始まった教職員組合のストライキかそれを支援する団体による抗議集会が続いているようだ。ビニールテントやアウトドア用のテントが並べられ、夜が更けるにつれて公園が人で溢れてきて異様な雰囲気になる。
身だしなみが整った人たちはベンチや花壇の縁石に腰掛けてぼうっとしているか話し込んでいるだけ。危険はなさそうだが、写真を撮っていると鋭い視線を感じる。
現在はそれだけだが、このストライキが暴動に発展する恐れがあるとして、日本の外務省からも危険情報が発令され観光客を遠ざけてしまっている。これさえなければ、2、3日ゆっくりしたい街だ。
<モンテアルバンの遺跡(航空写真)>
オアハカ近郊の遺跡で世界遺産のモンテアルバン<写真上>を訪れた。マヤ文明よりも前に栄えていたサポテコ人の祭礼センターだということだが、遺跡らしい素朴さを残しながら、かつての面影がイメージできる。しかし、どうも個性やインパクトがない。もうちょっとオリジナリティが出るよう修復しておいてもいいんじゃないかな。これではちょっと、印象が薄すぎ。
緩やかな山の頂上部にあるモンテアルバンまではツーリスト向けのバスでしか行けないが、途中の山腹には集落があり、狭い山道をローカルバスが何台も行き来している。最近でかけたスリランカのアダムスピークへ向かう道やフィリピンのバナウェ周辺の山道を思い出させる、景色の良いなかなかのアプローチだ。
オアハカのバスターミナルから中心ソカロまでは2km弱。メキシコのバスターミナルは数km以上郊外にあることが多く、バスターミナルから市内へ向かうローカルバスに乗ると、ほとんどの街で自分のイメージした場所で降りられず苦労していた。しかし、オアハカはローカルバスに乗らずに歩いて市内に入ることができ楽だった。
[メキシコ]サンクリストバル
<中心部付近のレストランよりカラフルな通りを望む>
サン・クリストバル・デ・ラス・カサス(San Cristóbal de las Casas)はオアハカよりも更に私好みの街。
山に囲まれている。少数民族が衣装を纏い土産売りをしている。こじんまりとした田舎町だが、しゃれたカフェや美しい街並みがある。
<サント・ドミンゴ寺院を望む公園(撮影ポイント)>
≫続きを表示<カルメン寺院の門>
しかし、バックパッカーが多いのだ。今までメキシコ国内では、メキシコシティに泊まったホテルでみかけたぐらいなのだが、この街に着き、バスターミナルで十数人のバックパッカーがいるなと思ったら街中にいるわいるわうじゃうじゃと。別に私に危害が加えられるわけではないので、オアハカの教職員組合員ぐらいに思っておけば良いのだが、バックパッカーたちは気に入った小さな町を占有して自分たちの色に染めていく力がある。
今のところ彼らのおかげで私好みの街になっているかもしれないが、素朴さと洗練さの絶妙なバランスが維持されるよう、バックパッカーがこれ以上増えないことを望む。
オアハカからパレンケ(区間ルート)に向かおうと考えていたが、夜行の特等バスがあったのでオアハカからサンクリストバル(区間ルート)にした。しかし、ADO GLというブランドのバスはPrimera
Plusの1等バスと同程度のグレードでそれほどラグジャリーなものではなかった。
サンクリストバルからパレンケまでの道(区間距離)は距離がない割りに時間がかかる。5時間以上の大半がくねくね曲がる山道。たまに道路が直線になると小さな集落が現れ、バンプ(減速用段差)が無数にありバスが大きく上下動する。私はめったに乗り物酔いしないのだが、出発して30分後に気持ち悪くなり、それからずっと吐き気が治まらず辛いバス旅となった。
[メキシコ]パレンケ
<十字架の神殿>
<頭蓋骨の神殿(撮影ポイント)>
これまでのメキシコの遺跡は、やれレプリカのようだとか、崩れすぎて全くイメージが沸かないなどと文句を言ってきたが、ついにほぼ理想的な遺跡に出会えた。
パレンケは遺跡の雰囲気を醸し出しながら、建築物の姿が残り、当時のイメージを想起することができる。更に多くの遺跡に登ることができるのも気に入った。また、周辺の奥深い緑は見事で、虫がほとんどいないのもすばらしい。
ただ、暑い。蒸し暑い。
今まで高地の観光地が続き、雨模様のため肌寒かった。それが、いきなり急に暑くなったのでたまらない。
私は気温が40度を超えない限り水なしで歩き回れるのだが、あまりの暑さで気を失いそうになり、水を買いに一度遺跡の外に出なければならなかった。
カンクン周辺のチチェンイツァやウシュマルを超えるできの良さは、遺跡の観光地としてはメキシコで一番かも。(以上は学術的な価値を無視した観光客の視点による個人的感想です)
[ベリーズ]ベリーズシティ
何かありそうな気がしてベリーズシティに来てみたが、何もなかった。ベリーズの4分の1の人口が集まるという元首都の街だが、スイング橋(航空写真)周辺の中心部は殺風景で海岸沿いを歩いても美しい景色は見られない。
唯一、絵になりそうな姿の良い黒人たちは、私がカメラを目線まで持ち上げただけで襲ってきそうなほど怒り出す。ベリーズは中米では安全な国と言われているが、気の触れた浮浪者やジャマイカ風(?)の黒人が多く、慣れないせいか体感危険度が高かった。
物価は高いが安全な大都市で一休みしようという目論見は外れた。
メキシコのチェトゥマルから国境をどのように越えられるのか情報を収集できてなく不安だった。
パレンケからの夜行バスが朝5時にチェトゥマルのバスターミナルに着き、夜が明けてから歩いて国境を越えられないものかと考えていた。すると、そのターミナルでベリーズに向かう大型バスの運転手が客引きしていて、朝6時発のバスに乗ることができた。(パレンケ-チェトマル-ベリーズシティの区間ルート)
ベリーズのイミグレーションでビザが発給されるようだという不確かな情報を元にビザを持たずに来たのだが、このイミグレーションでのビザ発給は通常手続きではないようだ。チェトゥマル市内の領事館でビザが取れるから戻って取得してから来いと係官に強い態度で迫られたが、「そこを何とか」とお願いして発給してもらう。(係官がワイロを要求していた訳でなく単に朝早くてやりたくなかっただけかも)
ビザ代50ドルで写真不要。大型バスの乗客10人のうちビザが必要なのは私だけだったので交渉後すぐ発給されたが、大人数でビザ発給を要求したり係官の気分次第では発給を拒否される可能性あり。
(2014年12月より日本人は90日までの滞在にビザ不要。最新の情報は”ベリーズ国政府観光局”のサイトなどで確認して下さい)
[グアテマラ]ティカル
<ティカル遺跡>
<Ⅰ号神殿とグランプラザ(撮影ポイント)>
昨日、ベリーズのサン・イグナシオに泊まろうと考えていたが、予定を変更してティカルへの拠点となるフローレスまで来た。湖に浮かぶフローレス島周辺を観光したかったのだが、大雨のため中止。
本日、ティカルに向かったが、昼すぎから断続的に強い雨が降っていた。
ティカルは中米を代表する遺跡観光地というだけあって、さすがだ。適度な広さの公園内に巨大ながら味のある遺跡がいくつもあり、周辺の野性味溢れる自然が実にすばらしい。高さ30m以上ある遺跡の上に登れば、熱帯雨林の高木を見下ろし、珍しい野鳥の観察も行なえる。
遺跡観光は遺跡の見学だけでなく、周辺にある現在の生活や自然を合わせて観察すべきだ。ティカルは周辺に住居はないが、手入れをすれば植物園にもなりそうな自然公園の中で遺跡を探索できる。
≫続きを表示ただ、ティカルの遺跡自体は写真うつりがあまり良くない。実物を目の前にしても美しさを感じるものがほとんどない。
ギザのピラミッドは傾斜角度に美しさがある。アジア、中東、ローマ、ギリシャなど多くの遺跡は美を意識して造られている。しかし、このマヤ文明の遺跡には美しさを見出すことができない。
主な遺跡建築物は、日本でテレビのCMに出てくる不快な一つ目の宇宙人の姿をしている。この点が個人的に気になり、私の観光地ランクは☆3つ半(5つ星満点)だ。
右の写真の遺跡はかなり危険だった。40m以上の高さにある頂上部スペースが狭く、地面から頂上部までの遺跡の階段が急傾斜なのだが、観光客はそれよりも急な推定85度の梯子を登らなければならない。しかも、それは木製で熱帯の雨にさらされているため、木が腐りかけたり、釘が抜けかけたりしている。
頂上部にも遺跡保護のため板が敷いてあるが、釘が抜けているものがあって、端を歩いていると板が大きくはねあがり、ひっくり返りそうになった。私は、危うくティカルの40m階段転げ落ちを演じるところだった。
部屋を取ったフローレス島内はホテル、レストランなど観光客向けの施設が大半を占め、グアテマラとはいえ十分安全な地域だと思われる。
夜9時ごろ、ホテルの裏通りにスーパーをみつけ、こんな近くにあったんだと思って小躍りしながら店内に入ると、陳列棚の影に隠れていた男がふっと通路に現れ、ライフルの銃口を私に向けた。まるでゴルゴ13のようなスムーズな動きだ。
私が平和な顔をした外国人であることがわかると、男はすっと銃口を上に向けた。彼は店の警備員と思われるが、よく見ると70にも達しそうな年配だ。誤射でもしたら危ないではないか。
しかし、その辺にいる年寄りに見えて、実は鍛えられた元軍人なのかもしれない。私は彼を試してみたくなり、入り口を注視しているゴルゴ13の背後にそっと近づいてみた。ところが、銃に手が届くところまで近寄っているのに彼は全く気づかない。棚の缶詰で音を出してみると老人は振り向き、間近にいる私に相当驚いたようで体をびくっと震わせていた。
おいっ、ただの老いぼれじいさんにライフル持たせたら危ないではないか。
フローレスからグアテマラシティまで、少なくとも3社で7本の1等バス(トイレ付)があることを確認。うち4本は夜行だった。
[グアテマラ]キリグア
<キリグアの遺跡公園(撮影ポイント)>
芝生の緑はきれいだが、遺跡公園には保護のための屋根で覆われた石碑が何本か建っているだけ。
予想はしていたが、世界遺産のキリグア遺跡は観光資源としては厳しいものがある。
この2m四方ぐらいの大石が一番の見もののようだが、わざわざこんな辺鄙な所を訪れて見るべき価値があるのだろうかという気がしてしまう。しかし、大きな石段の上にある球戯場跡が修復中だったり、木々に覆われたエリアで発掘が進められていたので、キリグアはコパンに行く途中に寄ってもいいかなという程度の観光スポットになるかも。
本日の移動はフローレスからグアテマラシティ行きのバスに乗り遺跡への分岐点で降ろしてもらい、そこからミニバスかトラックバスでキリグア遺跡に向かい(フローレスからキリグアまでのルート)、また、遺跡からミニバス、街道バス、ローカルバスと乗り継いでチキムラに向かう(キリグアからチキムラまでのルート)、というもの。かなりの困難を伴い、バスが来なくて途中で暗くなってしまうのではないかといろんなケースを想定していたが、それぞれのバスの待ち時間もほとんどなくあっさりとチキムラまでたどり着いた。(フローレスからチキムラへ直行した場合のルート距離)
乗り合いミニバスやローカルバスが満員にならなくても出発して本数が多いのは意外だった。また、メキシコ人より更に無愛想なグアテマラ人ながらメキシコ人なみに親切なのだ。私が尋ねると他のバスの客引きをしている男でも私が乗るべきバスまで案内してくれたり、バス停らしき場所で一緒に雨宿りしていた農夫が、お前あのバスに乗るんだろと、私がバスだと気づかず走りすぎようとしていたミニバンを止めてくれたりなど、親切な人だらけだった。みんなが脅すほど犯罪が多い国とは思えないのだが。
グアテマラの人は良いのだが食事はまずい。
1食目、2食目まではたまたまかと思って耐えていたが、3食目以降も全てまずいので我慢できなくなってきた。素材や調理法はメキシコと変わらないようにみえるが、味付けや調理後の保存方法が悪そうだ。味の単調さや外し方はフィリピンやスリランカの料理に通じるものがる。
水がくさいのだろうか、レストランで出されたネスカフェコーヒーもあまりのまずさに途中から飲めなくなった。
<参考図書>B20 地球の歩き方 中米 2007~2008 => 最新版 2018~2019
昨日、テレビで日本人女性が経営する「キリグアの宿」が紹介されていた。
時間が遅くなりチキムラに辿り着けそうなければ、地球の歩き方にも紹介されていたその宿へ泊まることを検討していたが、スムーズに移動できたのでチキムラに向かってしまった。
しかし、結果として、チキムラはつまらなくまずい食事で食あたりを起こしてしまっている。今考えると、このキリグアの宿に泊まり、ゆっくりとグアテマラの農村の生活に触れ、キリグアから直接コパンに入るのが正解だったようだ。(2011年10月10日)
[グアテマラ]チキムラ
<子供向けイベントが催される中央公園(撮影ポイント)>
ついにやってきた。私の旅では恒例の食あたり。このぐらいのペースで移動していると10日前後で発症するのだが、今回は20日近くも持ちこたえた。
疲労の程度も関係あるだろうが、食品の不衛生さによる影響が大きいと思われる。
<中央公園近くの市場>
メキシコの食べ物は衛生的だった。路上で売っている食べ物のほとんどはプラスチックケースなどに入れられ外気にさらされていない。大衆食堂の食器類も清潔に保たれているため、ほとんど庶民向け食堂で食べるか、立ち食いしかしてなかったが、あたることはなかった。
同じ感覚でグアテマラで食事したため、かなり不衛生な物を口にしてしまったような気がする。
チキムラでの夕べの食事は、通りで一番混雑している食堂に入ったのだが、食べてる最中に羽蟻のような虫がライスの山に次々と突入してくるのに驚いた。厨房の大鍋にはいったいどれだけの虫が混入していたことか。
過敏な私の腹はその国の不衛生度をはかることができそうな気がする。覚えているところで言うと、チュニジア、モロッコ、ベネズエラ、ウズベキスタン(ここは家庭料理のみだからちょっと違うか)で食あたりと思われる急性下痢症になっているが、グアテマラもこのリストに加えておこう。
腹を壊して躊躇していたため出発が遅い時間になったが、チキムラからコパンまでの移動(区間ルート)はあっさりしていた。
チキムラから国境までミニバスを1度乗り継いで1時間半(25ケツァーレス)、国境からコパンまでミニバスで15分(20レンピーラス)と、いずれもガイドブック表記よりはるかに短かった。
ただし、ここのミニバスは結構詰め込むので、荷物を抱えたままでは苦しく、宿に入ってから寝込んだ。
[ホンジュラス]コパン
緑に覆われたあじわい深い遺跡だが、シンボルとなる建造物がないのが残念。遺跡に積み上げられた石を押しのけて木々が生えている姿はカンボジアのアンコール遺跡群を連想させる。
もう少しだけ手を加えてやれば、より良い遺跡となりそうだ。
[グアテマラ]エスキプラス
<巡礼者が向かう夕方のバシリカ(大教会堂)(撮影ポイント)>
コパンのあるホンジュラスからグアテマラに戻らずエルサルバドルに入るルートもあったが、(犯罪が非常に多いという)恐怖のサンサルバドルに着くのが夜になりそうなので、刻んだ。パーオンを狙わず、ボギーで十分という作戦に出たのだ。
エスキプラス(あるいはエスキプーラス)は黒いキリスト像を詣でに巡礼者が集まる門前町だそうだ。
≫続きを表示私も黒いキリスト像を拝ませてもらった。スペインのモンセラットで拝見した黒いマリア像には感動したが、こちらでは伝わってくるものがあまりない。(もう少し言いたいことがあるが、他人様の信仰対象を評価すべきではないので右に写真を掲載)
前回盗難に遭った中米旅行ということで、ガイドブックやネット上の危険情報に目を通してしまっているので、いろいろとびびりながら行動している。ミニバスの場合、車掌と客がグルになり、外国人旅行者を襲うケースがよくあるそうだ。
コパンからエスキプラスへの移動中(区間ルート)、国境を越えグアテマラ側で客待ちしていた空のミニバスに私が1人乗ると、体格のいい若者4人が乗り込みすぐに出発した。もう少し客を集めてから発車するのではないか。この4人の男たちは荷物も持たずに国境に何の用があったのだ。なぜ、後ろの席が空いているのにこの人相の悪い男が私の隣に座るのだ。開け放されたサイドドアのステップに立つ車掌は二の腕が太く、客の男たちと時々会話している。集落のない山道をミニバスはなぜかゆっくりと走る。
もう、だめだ。このワルそうな男たちに身ぐるみ剥がされてしまう。逃げ出そうとしても、隣に座る男か車掌にひ弱な私は簡単に取り押さえられるだろう。せめてどういうタイミングにどんな方法でやられるのか、首を絞められ気を失う直前までを覚えておこうか。
隣の男がこちらを向き大きな手を伸ばしてくる。この瞬間に首絞めか、そう思って首の筋肉を硬直させると、男は振り返って後ろの仲間と話をする。
車が街道を外れ、細い道に入る。いよいよかとバッグを持つ手に力を入れていると小さな集落に入り、女性客を乗せた。しかし、彼女の表情が明らかに固い。やばい車に乗ってしまったという表情にみえる。そして、女性客はすぐ降りてしまい、また車内はワルそうな男たちだけに。あーもう終わりだあぁぁ...
結局何事もなく済んだのだが、相当に緊張した乗車を40分以上続けていたため胃腸がキリキリ痛み音を上げていた。外務省やその指導を受けたガイドブックの過剰な脅しはなんとかならないのだろうか。(あとから考えるとあの体格の良い男たちは国境警備員だったのかも)
エスキプーラスに着いてほっとすると、胃腸の痛みが和らいでいた。一昨日の腹の壊れ具合から回復まで3日以上はかかると予想していたが、グアテマラの不衛生度はそれほどでもないのかもしれない。
この巡礼町はホテル、レストラン、土産物やがやたらと多いのだが、レストランは見るからに衛生的な店が目につく。チキムラがひどく、フローレスがイマイチだっただけかもしれない。
コパンの宿代は高いのでエスキプラスで宿を取って、コパン日帰りという手もある。片道3時間でミニバスを3回乗り換える必要があるが、目つきの悪い車掌が親切に教えてくれるはず。(保証はしかねます)
国境では、グアテマラ側で出国及び入国時に1.5ドル、ホンジュラス側で同様に3ドルずつ税金か手数料が取られる。コパンだけを訪れ、同じ国境に戻ってきても再度出入国税が取られるとガイドブックにあったが、コパンに2日滞在で戻ると告げたら別紙にそれぞれスタンプが押され、帰りには出入国税は不要だった。
コパン遺跡のみ訪れる旅行者に配慮した対応に変更したのだろうか。
グアテマラの観光地アンティグアとコパンを結ぶ旅行者向けシャトルバスが運行されている。国境周辺の男たちは人相が悪い(と感じられる)ので、ミニバスでなくシャトルバスに乗るのが正解かも。
[エルサルバドル]サン・サルバドル
<屋根で覆われたホヤ・デ・セレン遺跡(航空写真)>
世界遺産ホヤ・デ・セレンの古代遺跡は観光地としては非常に厳しいものがある。
発掘途中の遺跡の一部を特別に見せてくれているという程度で、考古学研究者でもなければ見る価値はない。
英語の解説やガイドを充実させれば少しは興味が沸くかもしれないが、博物館と遺跡を全て見て20分で十分という今の規模では外国人旅行者が行くほどのものではない。(あくまでも2008年5月訪問時の感想です)
<サンサルバドルの繁華街>
サンサルバドルの街はごみごみして車の運転はかなり荒い。
雨で暗いせいもあるが危険と言われればそんな気がかなりする。銃を所持した警備員がやたらと多い。グアテマラやホンジュラスの地方都市で、銀行の建物には入り口だけでも3、4人が銃を構えており物騒だと感じた。しかし、ここはそんなもんではない。中心街を歩いているとあちこちの建物の前に制服姿で銃を所持した男たちが警備している。逆に警官らしき姿はみかけない。
レストランやバーの入口が鉄格子の扉で閉じられている店が多く、開店しているのかどうかわかりにくい。
さらに二重鉄格子の店もあった。鉄格子入口内にあるロビーには銃を所持した警備員がいて客を選別して店内に入れる。ロビーに入ってもカウンター上が全て鉄格子になっていて、その内側にいる店員が客の注文を聞いて奥から商品を取り出していたのだが...
そんなに危険なのか。
世界遺産を全て制覇せよという特命を受けていない限り、ホヤデセレン遺跡には行く必要ないと思うが、交通手段を示しておく。
ガイドブックではサンタ・アナ行きのバスで途中乗り換えとなっているが、サンタ・アナ行きバス乗り場の近くにオピコ(Opico)行きのミニバス(50分、$0.85)あるいは大型バス(70分、$0.5)が頻繁に出ているようで、ホヤ・デ・セレンまで直行でアクセスできる。
エスキプーラスからサンサルバドルまでの国境越え移動は、コパンほどやさしくはなかったが親切な人たちに教えられ、それほどロスタイムなく移動できた。(区間ルートはサンサルバドル経由ホヤデセレンまで:マーカー、ルートともマウスで移動可、エスキプーラスからサンサルバドルまでホンジュラスを跨ぐ経路で約140km)
- (1)グアテマラ(エスキプーラス)-> 国境 ->ホンジュラス(アグアスカリエンテ->ヌエバオコテペケ)
- エスキプーラスから乗り合いタクシー15分(15ケツァール)で国境。
国境はホンジュラス側のパスポートチェックだけで、両国とも出入国税不要(せっかく両国通貨を残しておいたのに)。
国境地点でエルポイまで行くというミニバスに乗れたが、国境通過待ちのトラック渋滞でほとんど進まなかったため運行取りやめ。1kmぐらい歩くとアグアスカリエンテの街の中心に着き、頻繁に出てそうな大型バスに乗り、30分(20レンピーラ)でヌエバオコテペケ(Googleマップ上ではオコテペケ、”9″まで拡大すると地名がでてくる)。 - (2)ホンジュラス(ヌエバオコテペケ)-> 国境 ->エルサルバドル(エルポイ)
- ヌエバオコテペケからミニバスで国境まで20分(10レンピーラ)。
ここもエルサルバドル側でパスポートのチェックのみ。
国境から500mぐらい歩き、バスターミナルから大型バスがサンサルバドルまで直行、3時間(1.8ドル)。
[エルサルバドル]サンミゲル
<グスマン公園とカテドラル(撮影ポイント)>
また、刻んだ。サン・サルバドルに2泊したくなかったので、バスで3時間程度移動したのだが、サン・ミゲルはかなりつまらない。
町の人々に常にじろじろ見られている。子供からはチーノ(中国人あるいは東洋人)と囃したてられ、少年からはジャッキーチェンとからかわれ、浮浪者風のおやじはカンフーの真似をして「おい、やるか」と迫ってくる。
単に外国人を見慣れていないだけだろうが、雑然とした町なみや車の凶暴さから雰囲気の悪さを感じる。
雨が降っていて、町が汚いのでほとんど撮るものがなかった。
[ニカラグア]レオン
<カテドラル>
レオンは古い教会が多く趣ある街と言いたいところだが、ちょっと苦しい。
外国人観光客が来るほどのところではない。
<市場のある通り>
≫続きを表示世界遺産のレオン・ビエホには、レオンからバスで1時間の町で乗り換え、トラックバスに30分以上詰め込まれて村に着き、村人に尋ねながら10分歩いてやっとたどり着いた。アクセスの悪さから、とてもメジャーとは思えない遺跡だ。
レオンからグラナダに移動の途中に立ち寄ったため、荷物が一緒で何かと大変だった。トラックバスに乗ってからスコールに襲われ車内は窒息しそうな息苦しさになり、遺跡に着いたころ雨が上がったが、やぶ蚊の大群に襲われて観光どころではなかった。
遺跡は航空写真で事前に見た通りのままで、素人目には学術的にもそれほど重要でないような気がする。期待していた富士山のような火山とその子供のような小富士を雲が晴れた短い間だけ見ることができた。
しかし、それよりも感動的だったのは、つまらない遺跡の上に青い鳥がとまっていたことだ。見たことのない細身の美しい鳥に息をのんだ。そっとカメラを取り出して構えると、飛び去ってしまった。
欲を持って撮ろうとせず、じっとして、不意に現れた幸せの鳥をしばらく観賞すべきだった。
サンミゲル(エルサルバドル)からホンジュラスを渡ってレオン(ニカラグア)まで抜けるルート(地図の区間を押すとレオン経由レオンビエホまでのルート表示、レオンまでは約310km、マーカーやルートをマウスで動かし確認可能)
- (1)サンミゲル -> サンタロサ
- 大型バスで65分($1.2)
サンタロサのターミナルに入る手前でアマテージョ行きバスの乗り換え場所があるので、車掌に告げておいた方が良い。 - (2)サンタロサ -> エル・アマテージョ
- 大型バスで30分($0.9)
- <<エルサルバドル-ホンジュラス間の国境>>
- ホンジュラスの入国チェックのみ。(入国税$3)
- (3)アマテージョ -> チョルテカ
- 大型バスで2時間10分(37レンピーラ)
- (4)チョルテカ -> グアサウレ
- ミニバスで50分(26レンピーラ)
- <<ホンジュラス-ニカラグア間の国境>>
- $7取られ、$2と$5のまともなレシートをもらうが何の料金なのかわからない。ニカラグアのイミグレーションからバスターミナルまで1km以上あり、雨が強かったので自転車タクシーを使った。($2)
- (5)グアサウレ -> チナンデガ
- 大型バスで2時間(25コルドバ)
ミニバスも走っており、そちらがはるかに速そう。 - (6)チナンデガ -> レオン
- 大型バスで1時間20分(13コルドバ)
バスの待ち時間や国境移動時間を含め10時間近くかかっている。
国際バスがレオンに停車しないでマナグアまで行ってしまうのと、マナグアの国際バス停付近は超危険地帯ということで、国際バスを利用せずローカルバス乗り継ぎにした。事前に詳細情報を得られず手さぐりの移動だったが、予定通り夜までにたどりつけて、グー。
[ニカラグア]グラナダ-Nicaragua
<カルサーダ通りからカテドラルを望む(撮影ポイント)>
古い街なみを残す明るい町だが、特にこれといった魅力はない。欧米人旅行者が多く、観光客向けレストランも多いのでレオンよりはましという程度。
≫続きを表示<ローカル市場>
馬車が観光用だけでなく地元民の移動の足として使われている。乾燥した馬糞が舞い上がる街は苦手だ。市場内の生肉の臭いもかなり強烈だった。
グラナダは大きな湖に接していてツアーもいくつかあるようだが、欧米人旅行者は何をして楽しんでいるのか(他の旅行者と全く会話しないので)不明だった。
ニカラグアも人はかなり良さそう。一般庶民たちと一緒に詰め込まれるローカルバスの旅でもそれほど苦にならないし、何かと車掌や乗客が気を遣って教えてくれる。
グラナダ中心部で高級ホテルしかみつけられずかなり歩き回った。
親切な街の住人に安宿の前まで雨の中連れて行ってもらうと、その入口にはCAFEと共にHOSPEDAJEと表記されている。そのオスペダヘが宿泊所の意味で、私が歩き回っていたカルサーダ通り周辺にはオスペダヘがいくつも並んでいた。(他の旅行者と少しはコミュニケーションした方が良いかも)
[コスタリカ]リベリア
<朝のカテドラル(撮影ポイント)>
ニカラグア、コスタリカ間のベニャス・ブランカスの国境は最悪だった。
出入国合わせて4時間、屋外に並ばされた。
今回の旅で通ってきた8ヶ所の陸路国境越えは驚くほど楽だったので、このような事態を予測できず、国境で完全に暗くなってしまい、またしても刻む。
≫続きを表示旧中央アメリカ連邦5ヶ国のうち国旗のデザインが似ていて仲の良さそうな グアテマラ、 ホンジュラス、 エルサルバドル、 ニカラグアの4ヶ国は越境時に出入国スタンプが不要だったが、ニカラグアから コスタリカに抜ける際は通常の国境越え手続きが必要になる。
しかし、1人あたりの審査時間が特に長いわけではない。単に審査官の数を減らし、待ち時間ができるだけ長くなるようにしているだけなのだ。
更に国際バスが到着する度に国際バス乗客の審査が割り込み処理され、ローカルバスを乗り継いで重い荷物と共に並んでいる我々の列は全く進まなくなる。
ニカラグアでは強い陽射しと時々雨の中で2時間半、コスタリカではぬかるみやゴミ溜めで荷物を下に降ろすのもためらわれる場所<上記写真>で1時間半、アフリカでも経験したことのない苦痛の国境越えだった。
放心状態の旅行者たちは陽が完全に落ちた国境でバスがあるのかないのかわからず右往左往。犯罪に巻き込まれやすい状況となっている。
前回の中米旅行で、国際バスでコスタリカに入国する際、暗闇の屋外に乗客たちの荷物を置かせてしばらく待たせるという税関の怠惰な対応もあって私のバッグが盗難に遭っている。今回、敢えて国際バスを避けた結果がこれだ。
国をあげて観光を推進しているコスタリカだが、陸路で入国しようとする旅行者を虐げ、国境での犯罪を助長する対応をしているとしか思えない。(ニカラグアはそれなりの国だからその酷い対応に特に文句なし)
この国境越えの列に並ぶ人々の中で第3国の外国人は珍しい存在だったが、ニカラグア出国時、私の数人前に小柄な東洋人が一人いた。体格に似合わぬ大きなバックパックをかつぎ、オレンジのサブパックを胸に抱え、サイズの合わない大きな帽子をかぶり黒ぶちの眼鏡、黄色い腕時計と異様に目立った出で立ちだ。あまり関わりたくない雰囲気を持っていたので韓国人か香港人あたりであることを願っていたが、バックパックを下ろすとTシャツの背中にひらがなが書かれているのを発見してしまった。
コスタリカ入国時には彼を見失ったのだが、入国審査終了後、彼の方から私をみつけ一緒に近くの町まで行こうと誘われた。あまりにも目立ちすぎて、おとりにしか見えないような男と一緒に行動すれば、一人で移動するよりかえって危険ではないかと思ったが、バスの車内で話してみると旅行経験豊富な面白い男だった。
彼は数年前にスペインで首絞め強盗に遭った話をしてくれた。
マドリード中心部で人通りの少ない公園の脇を1人で歩いている時、突然、数人の男に囲まれた。前を歩いていた男が振り向いた瞬間、後にいた男に首を絞められ、HELPと叫んだところまで覚えているが苦しむ間もなく気を失う。
気がつくと路上に仰向けになっていた。気を失っていた時間は短かったようだが、襲われる前、周辺にいたはずの物売りや浮浪者はみないなくなっていて、半身を起こした時、青年が一人だけ近くにいてどうしたんだと話かけてきた。バックパックは宿に置き、貴重品のみをサブパックに入れて持ち歩いていたが、サブパック、財布、パスポートの全てを盗まれたという。
そんな経験をしながらも、首絞め強盗の本場、中南米に1人で乗り込むとは見上げたものだ。
このおとりくんの経験談は興味深かったが、首絞め強盗への防御方法が見出せない。
男達に囲まれたと思ったら、前の男が振り向いた瞬間、首に手がかかる前に屈み込めばいいのだろうか。(その次どうすれば、横にすばやく逃げるか)
グラナダからリベリアまでの国境越え。(ルートはこちら)
- (1)グラナダ -> リバス
- 大型バスで1時間45分(24コルドバ)
- (2)リバス -> ベニャス・ブランカス
- 大型バスで45分(20コルドバ)
ニカラグア出国税$2
ニカラグアもコスタリカも税関チェックなし、コスタリカでの出国チケットのチェックなし - (3)ベニャス・ブランカス -> リベリア
- 大型バスで1時間45分(1000クローネス)
[コスタリカ]サンホセ
<中央公園からカテドラルを望む(撮影ポイント)>
サン・ホセに来て、コスタリカは他の中米諸国よりも明らかに洗練されていると感じる。パナマやメキシコ以上。
街中に警官が多く、危険もあまり感じないので安心して街歩きができる。
食事も衛生的で、気軽に食べられる店が多い。(やたらとフライドチキン屋が多いのが気になるが)
今回は中米内で事件に巻き込まれることのないよう、中央アメリカ4ヶ国の首都はできるだけ避けるルートに途中で変更した。そのため、サンホセを他の中米大都市と比較しにくいが、街や人が比較的穏やかながら欧米色をあまり感じないことからアジアの垢抜けた都会にいる気分。
博物館がどれもぱっとしないなど市内の観光資源は乏しいが、中央アメリカを抜けてきた旅人は何もせず2、3日のんびりしたくなるような街だ。(私も疲れが溜まりのんびりしたかったが、チケットがあるので午後ニューヨークへ飛ぶ)
コスタリカは路線バスも洗練されている。リベリアからサンホセまで(区間ルート)のバスは定時運行で快適なシートが備えられ、トイレこそ付いていなかったが2時間走って休憩があるので安心。
ニカラグアでは、首都マナグア以外のバスターミナルにはトイレがなく(空き地で用を済ませていたり近くの商店内に有料トイレがあるのは発見している)、バス車内には息苦しいほど乗客を詰め込んでいたが、隣国なのにえらい違いだ。
[アメリカ合衆国]ニューヨーク
飛行機が少し遅れたこともあり、ホテルにチェックインしたのは夜中の2時近く。ネット検索では最安値(と言っても$45)のシングルルームはノガレスのような恐ろしい部屋ではないかと心配していたが、清潔なホステルだった。
ニューヨークはなかなかいいんじゃない。地下鉄は乗り易いし、さすがにロサンゼルスと違って、大都会ならではの景色があちこちに見られる。
東京では物足りない都会好きの人にとって、訪れる価値十分あり。
<メトロポリタン美術館内アフリカコーナーの一角>
ニューヨークでも時間が十分ないため、限定的に歩き回る。ブルックリンのホステルから地下鉄でウォールストリート周辺まで行き、バッテリーパークからただ船で自由の女神を見学。タイムズスクエアで牛丼を食べた後は、残り3時間程度を3日あっても見きれないというメトロポリタン美術館に充てた。
世界各地のお宝が集められた巨大な美術館だが、その広さよりも迷路のような館内のわかりにくさで無駄な時間を費やしてしまう。それでも絵画以外は全て見た結果、(エジプト関連も充実しているが)エジプト以外のアフリカ各地の陳列物が豊富で、アフリカに行っても目にできないような優れた品を数多く鑑賞できた。
サンホセからニューヨークまでのフライトは燃油サーチャージとか含んでちょうど2万円の格安チケット。しかし、スターアライアンスのUS Airwaysなので、スターアライアンスのゴールドメンバーである私は、乗り継ぎが1度ある機内とラウンジで食いすぎ飲みすぎ状態になるのだろうなと予想して事前の飲食をセーブしていた。
ところが、サンホセにラウンジはなく、機内の食事とアルコールは全て有料なのであった。
うーん、US Airwaysがそういう航空会社だとは知らなかった。
[カナダ]トロント
<1914年に富豪により建てられたカーサ・ロマ>
トロントは緑の多い洗練された大都会で親切な人も多い。
反面、いかれた危ない人も少なくない。平和な美しい街と思って歩き回っていたが、結構、やばい街なのかも。
昨日のニューヨークからトロントはAir Canadaで飛ぶ。バスや鉄道でも12時間ぐらいかけて行くことができるが、飛行機よりも7、8千円安い程度なので、終盤の疲労も考慮して飛行機を選択していた。
また、Air Canadaはスターアライアンスメンバーなので、私はラウンジが利用でき、たらふく飲食してネット使い放題を想定していたが、ラウンジではネット不可でこれと言った食べ物がなく、機内食はまたしても出なかった。
おとといもラウンジ及び機内食を期待して朝食しかとっていないし、昨日も高価なNYの食事はできるだけ避けようと思って牛丼並1杯だけで耐えていたのでさすがに辛い。何でもいいからとラウンジにある食べ物を口にしたが、ナッツやチョコすらなく、ぼそぼそとした鳥の餌のようなスナック類だけ。全く腹にたまらないが、ぼろぼろとラウンジの床にこぼしながら袋をいくつも破って食べていた。私はハトか。
トロント空港から地下鉄の駅に向かうバスに乗車する際、小銭がないため料金の支払ができずに困っていた。足りていないUSドルの小銭で何とか勘弁してもらえないかとねばっていると、女性の乗客が運転席まで来て回数券を無償で提供してくれた。
バスが走り出してから礼を述べ、何がしかのお金を支払おうとしたが受け取ってくれない。彼女はAir Canadaのフライトアテンダントだった。
US Airwaysなみかと不満を感じていたAir Canadaの株が一気にあがり、トロントはいい街で安全なのだろうとしばらく思うことにした。
良い印象を持って眺めていたのだが、薬などで気が触れた人や浮浪者が結構目につき、だんだん気になってくる。東京でも夜中に街を歩けば酔っ払いに絡まれ、ホームレスがたむろして悪臭を放つ地区が少なからずあるので大差ないのかもしれない。単に私が白人の浮浪者や精神異常者に慣れていないだけと思い込もうとした。
しかし、地下鉄の車内で獣のように残飯にむしゃぶりつく老婆と、ナイアガラまでのバスで大声で喧嘩し続けていた薬物中毒らしき中年カップルの姿が強烈で、頭から消え去らない。インドやアフリカで目にする変質者は、異文化地域の一部として抵抗なく受け入れられるが、先進国でこのような人たちを間近で見てしまうと、自分に襲いかかる異質なものと感じ体が強く拒絶する。
昨年12月に訪れたオーストラリアは、アフリカなみのハエの多さとシドニーの安宿の汚さが深く脳裏に刻み込まれ、他の良いイメージはすっかり薄れてしまった。
私には先進国の旅が向いていない。
[カナダ]ナイアガラフォールズ
<カナダ滝(航空写真)>
訪れたことのある全ての人から、つまらないから期待しない方がいいと言われたナイアガラフォールズ。
期待度をぐっと落としていたことが幸いして予想以上に良く感じた。もっと小ぶりなのかと思っていたが、なかなかの大瀑布だ。
アフリカのビクトリアフォールズで感激して南米イグアスの滝を訪れ、そこでも十分感動していたため、世界三大瀑布のナイアガラもいつかは見に行きたいと思っていた。それら2つより迫力は劣るが十分満足。
実はNYから風邪をひいている模様で日増し悪化している。何せ、中米でくたくたになっているところで、ニューヨークは深夜2時チェックイン、トロントは深夜1時チェックインなので、疲労回復させるすきを与えていなかったのだ。
本日の体温は38度台。頭痛と寒気がつらいが、ゆっくりならなんとか行動できる。おかげで、水しぶきを浴びるアトラクションものや高所に登る乗り物などは未練なくパスできた。
アメリカ側は見ないつもりでカナダ側のビューポイントをゆっくり歩いたら1時間半しか時間が経っていなかった。半ばしかたなく国境の橋を渡りアメリカ側ビューポイントも回る。アメリカ側の方が滝の迫力を感じられて楽しい。
亀のごとくゆっくり歩いても3時間で全て見られるコンパクトさが結果的に良かった。
ナイアガラフォールズ周辺の宿は、日本でネット検索する限り、この時期はシングルルームが50ドル切るのがやっとだった。私が予約した49ドルのシングルルームは街中からも遠い最安値の部屋だと思っていたが、3人横になれるキングベッドにバスタブまで付いた相当オーバースペックの部屋。付近には同様のモーテルが多く、40ドル以下と表示されている宿もあった。また、滝に近い街中でもモーテルがいくつも目につき、空き部屋表示も多く見られた。
ヨーロッパ旅行後、先進国の宿はネットでの事前予約が最も安上がりだと思っていたが、ここに関する限り、現地で探した方が安く良い条件の部屋をみつけられたようだ。(空き部屋の有無はシーズンによりますから保証はしませんよ)
[アメリカ合衆国]バッファロー
<中心部(撮影場所)>
高熱で苦しかったので、中心部周辺を食い物探して歩き回っただけだが、実に寒々とした街だ。大きく立派な建物が多く大都会のように感じるのだが、店が少なく更に通りを歩く人は異常に少ない。(日曜日のせいなのだろうか)
≫続きを表示
1軒だけあった高級レストラン以外に唯一見つけられた中華のファストフード店に入ったが恐ろしい所だった。暗い店内はがらんとして、浮浪者に見えてしまう客が2人離れてぼそぼそと食事している。
店員はチャイニーズ系女性1人しかおらず、注文を聞いてそのまま彼女が調理する。久しぶりに焼きそばを食べようと思ったのだが、Fried Noodleはどれ?という私の質問に対して、彼女はFried
Noodleは焼きそばでなく揚げた乾麺を指すと主張して、私と見解の相違がみられたのでラーメンにした。
中国以外の海外でラーメンを頼み、まともなモノがでてきたためしがないことを忘れていた。
ビール大ジョッキ用のプラスチックカップにしか思えない容器にビール色をしたスープが入れられ、ブロッコリーなどの野菜と一緒にみみずほどの長さで縦に伸びた麺が浮いていた。
カップを抱え込むようにぼそぼそと暗い店内で食べる。私も他の客と同じように浮浪者風にしか見えないだろう。
たまたま入った店が悪かったのだろうが、グアテマラなみに緊張を伴う食事だった。
ナイアガラフォールズの滝周辺からバッファロー空港までは遠く、シャトルバン(乗り合いタクシー)でも30ドルかかる。私は、ナイアガラフォールズからバスで1時間(2.25ドル)のバッファロー市内に宿泊して、翌朝そこからバスで30分(1.75ドル)の空港へ向かった。どちらも本数が少なく、1、2時間に1本程度なのでとても不便。
空港へ向かうバスの乗客は、空港周辺の勤務先へ出勤する人たちだけだったので、他の旅行者はシャトルバンかレンタカーを利用しているのだろうか。
(グランドキャニオンの日記に続けて)もう一度言おう。アメリカの旅はほんと不自由だ。
中米をぐるり2のまとめ
前回の中米をぐるりの旅で残してしまったコスタリカからロサンゼルスまでを陸路で移動して、中米をぐるりが完成した。(方向が逆でコスタリカのサンホセとパソカノアスが繋がっていないが)
ロサンゼルスからフラッグスタッフ(グランドキャニオンへの拠点)まで夜行列車を利用してしまったが、それ以外はこの区間を全て定期バスのみで移動。
また、陸路国境越えポイントは10ヶ所でほとんどの国境を前後別々の交通機関を利用して国境を自力で越えた感じになっているが、メキシコ-ベリーズとベリーズ-グアテマラの2ヶ所はたまたま拾われた国際バスで越えてしまった。
更に陸路はできるだけ一筆書きのルートを取ることを信条としているが、チキムラ(グアテマラ)-コパン(ホンジュラス)間のみ、体調を崩していたので安易なルートを選び、完全に往復してしまっている。
「ほんま中途半端やなあ」という部分がいくつかあるが、ほぼ当初の予定通り無事終えることができたので良しとする。
それにしても、中米の旅ではニカラグア-コスタリカ間の国境越え以外に想定外の出来事がなく順調に移動できたのは驚きだ。ほとんどの国で人々は親切で移動手段が簡単にみつかるので、犯罪が多いという流説(いや事実なのだろうが)さえなければ、中米の国々の移動の楽しさを他人にも勧めたいくらいだ。
ただし、メキシコ以外は観光資源が乏しい。せいぜいグアテマラ(+コパン)までで、それ以外のパナマも含めた中米諸国は観光旅行で敢えて行くところではない。(あくまでも私の嗜好にもとづく結論)
今回の旅で印象的だったベスト3は以下の通り。
- (1)グアテマラ以南のローカルバスを乗り継いだ国境越え
- 特にサンミゲル(エルサルバドル)からホンジュラスを渡りレオン(ニカラグア)までバス6台を乗り継いだ3ヶ国移動
- (2)ティカル遺跡の巨大建造物群と熱帯雨林
- 古い建造物だけでなく自然林や鳥などを合わせて鑑賞できるのが中米遺跡の魅力でその代表的観光地
- (3)メキシコ各地における朝の街の清々しさ
- 掃き清められた街でひんやりとして澄みきった空気に触れる快感はメキシコ旅行の醍醐味
まあ、清潔感があり、食べ物が美味しく、トイレ天国のメキシコはまた行ってもいいな。