<カスバの姉弟(2枚組)>
カスバで一眼レフカメラをぶら下げていると、危ないから隠すよう街の人々に注意される。出会う人々を見ている限りそんな危険性は全く感じないが、犯罪者が潜むというカスバで地元住民が忠告しているので従うこととする。但し、代わりにコンパクトデジカメを手に持って歩いた。
カスバの道はほとんどが海へ向かう下り坂で、石畳であったり階段が延々と続いていたりする。坂道を登っていると、写真を撮ってと声をかけてくる子どもたちに出会う。下町で子どもたちが近寄ってくることは他の国でも珍しくないが、ここは路上が汚れていても、子どもたちの身なりが良く清潔である点が異なる。
周辺のビルが崩れて陽のあたる階段でも、密集する建物の下をくぐる暗い坂道でも、垢抜けた女の子が小さな弟をいたわる姿が印象的だった。