[グアテマラ]ティカル

<ティカル遺跡>

<Ⅰ号神殿とグランプラザ(撮影ポイント)

昨日、ベリーズのサン・イグナシオに泊まろうと考えていたが、予定を変更してティカルへの拠点となるフローレスまで来た。湖に浮かぶフローレス島周辺を観光したかったのだが、大雨のため中止。
本日、ティカルに向かったが、昼すぎから断続的に強い雨が降っていた。

ティカルは中米を代表する遺跡観光地というだけあって、さすがだ。適度な広さの公園内に巨大ながら味のある遺跡がいくつもあり、周辺の野性味溢れる自然が実にすばらしい。高さ30m以上ある遺跡の上に登れば、熱帯雨林の高木を見下ろし、珍しい野鳥の観察も行なえる。

遺跡観光は遺跡の見学だけでなく、周辺にある現在の生活や自然を合わせて観察すべきだ。ティカルは周辺に住居はないが、手入れをすれば植物園にもなりそうな自然公園の中で遺跡を探索できる。

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ただ、ティカルの遺跡自体は写真うつりがあまり良くない。実物を目の前にしても美しさを感じるものがほとんどない。
ギザのピラミッドは傾斜角度に美しさがある。アジア、中東、ローマ、ギリシャなど多くの遺跡は美を意識して造られている。しかし、このマヤ文明の遺跡には美しさを見出すことができない。
主な遺跡建築物は、日本でテレビのCMに出てくる不快な一つ目の宇宙人の姿をしている。この点が個人的に気になり、私の観光地ランクは☆3つ半(5つ星満点)だ。

右の写真の遺跡はかなり危険だった。40m以上の高さにある頂上部スペースが狭く、地面から頂上部までの遺跡の階段が急傾斜なのだが、観光客はそれよりも急な推定85度の梯子を登らなければならない。しかも、それは木製で熱帯の雨にさらされているため、木が腐りかけたり、釘が抜けかけたりしている。
頂上部にも遺跡保護のため板が敷いてあるが、釘が抜けているものがあって、端を歩いていると板が大きくはねあがり、ひっくり返りそうになった。私は、危うくティカルの40m階段転げ落ちを演じるところだった。

部屋を取ったフローレス島内はホテル、レストランなど観光客向けの施設が大半を占め、グアテマラとはいえ十分安全な地域だと思われる。
夜9時ごろ、ホテルの裏通りにスーパーをみつけ、こんな近くにあったんだと思って小躍りしながら店内に入ると、陳列棚の影に隠れていた男がふっと通路に現れ、ライフルの銃口を私に向けた。まるでゴルゴ13のようなスムーズな動きだ。
私が平和な顔をした外国人であることがわかると、男はすっと銃口を上に向けた。彼は店の警備員と思われるが、よく見ると70にも達しそうな年配だ。誤射でもしたら危ないではないか。
しかし、その辺にいる年寄りに見えて、実は鍛えられた元軍人なのかもしれない。私は彼を試してみたくなり、入り口を注視しているゴルゴ13の背後にそっと近づいてみた。ところが、銃に手が届くところまで近寄っているのに彼は全く気づかない。棚の缶詰で音を出してみると老人は振り向き、間近にいる私に相当驚いたようで体をびくっと震わせていた。

おいっ、ただの老いぼれじいさんにライフル持たせたら危ないではないか。

<たびメモ>

フローレスからグアテマラシティまで、少なくとも3社で7本の1等バス(トイレ付)があることを確認。うち4本は夜行だった。

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