[リトアニア]カウナス

<カウナス旧市街(1枚目撮影ポイント

[バスの車内刻印(信用乗車)シリーズ1/3]

トローリーバス不正乗車で罰金4千円を科せられる...
が免れる。

リガのバスは乗車時に運転手に料金を支払うしくみだったが、リトアニアでは再びエストニアと同様、キオスクでチケット購入して車内で刻印するタイプ。(帰国後知ったのだが、これを信用乗車方式あるいはチケットキャンセラー方式と呼ぶそうだ)
運転席と客室がガラス戸で仕切られ英語が通じる人がみつけられない。

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ビリニュスから列車でカウナスに向かったが、カウナス駅は旧市街まで数キロ離れていてバスに乗る必要があった。バス停の地図から旧市街へ向かうバス番号がわかったが、乗車した方向が逆だったようでビーチに着いてしまった。運転手や乗客に尋ねても言葉が通じないので、再びバスに乗り途中で降りて大きなバス停にだけあるバスマップを確認して乗り直す。そうやって4回目に乗ったバスも郊外へ向かっているので逆だったなと思っていた時、停留所に着いたバスの前方から制服姿2人の女性が乗り込み、私のチケットを確認すると不正乗車券だとバス前方に停められていたワゴン車に連行されてしまった。

バスの1回目、2回目乗車時は運転手にチケット、チケットと言っても通じなかった(後からロシア語のビリェートで通じることがわかる)ので無賃乗車だったが、3回目にチケットを購入して刻印し、4回目に同じチケットで別の番号のバスに乗り換えていたところだったのだ。ヨーロッパでよくあるトランスファーが可能かどうか知る由もなかったが、チケットに刻印された極小文字(数字かアルファベットかも読み取れない)の中に時刻がありそうなので大丈夫だろうと思っていた。そもそも、文字が小さいだけでなくチケットの印刷文字に重ねて刻印され判読不能なので、何か文字が印字されていればいいのだろうぐらいに考えていたのだ。しかし、驚くことに係官は一瞬で刻印文字から不正乗車と判断したようだ。

ワゴン車内で調書を書き上げる様子は日本でスピード違反の反則キップを切るやり方と全く同じだ。ワゴン2列目の席で男性係官が若者に対して反則金支払の違反調書を作成しているのを待ちながら、私は3列目に座らされ2人の女性係官が相手をする。同じ方向のトランスファーだから問題ないのではと私が主張したが、この国ではそのようなルールがないので100リット(4千円)の罰金だと英語を操る係官が言う。1回乗車1.8リット(70円)の料金に比べて50倍以上と高額だ。

昨晩、タクシー代4千円を免れるためにあんなに苦労したばかりだ。私としては簡単に受け入れる訳にいかない。
(海外で法律を知らなかったからと違反が免除されないのは承知のうえで)旅行者の私が英語の通じない国でどうやってそんなローカルルールを知ることができるのだと抗議してみた。比較的若い女性2人は十分私に同情を示していたので、
「リトアニアはEUに加盟しているんでしょ、トランスファー可はヨーロッパ標準(その後のバスに乗った国々では全てトランスファー不可だった)じゃないの?」
とかしばらく交渉を試みた。
すると、では初犯ということで50リットに減免しますと言ってきた。それはおかしい。ではなぜ初めから初犯と理解されていた私に100リット請求していたのだ。いくらになろうと現金を持ち合わせていないので払えないのだと粘る。(50リットの2千円で手を打った方がいいのではという考えが頭に浮かんできたが、もともと不正を意図したわけでなく、逆に正しいバスになかなか乗れず困っていたところなので納得がいかなかった)

それでは一緒に警察に行ってもらうしかないと脅してきたので私も仕方がないと応じると、しばらく沈黙。(もう引くに引けなくなってしまった。こりゃ面倒なことになってしまうのでは)

この長い間合いはこちらが折れるのを係官たちは待っているのだろうか。私から次に何を切り出そうかと考えようにも心臓がドキドキしてきて頭が回らなくなってきたころ、
「今回は見逃します」
と彼女が言ってきた。まだまだ戦いが続くと思っていたので拍子抜けしてしまった。

そうして、正規の料金(70円)を支払うこともなく、私の目的地への行き方も教えてもらい、30分ぐらいの攻防で解放されることになった。
やさしいリトアニア人で助かったが、今後チケット刻印には十分注意を払うことにしよう。
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