[ルーマニア]ブカレスト

<ルーマニア旧共産党本部前>

昔、小パリと呼ばれた美しい街並は、共産党政権によりほとんど破壊されてしまったそうだ。
そして、今は観光客が見るべきものがほとんどない首都になってしまった。今回立ち寄った首都の中では、キシナウ(モルドバ)、ヘルシンキに次いでつまらない。
国立農村博物館はルーマニア各地から農家や教会などを移設させた野外博物館だが、昔の生活風景を再現した建物内部を見学できるのがなかなか良かった。他は教会で静かな祈りの世界に浸るぐらいしか楽しむことはできなかった。

[バスの車内刻印(信用乗車)シリーズ3/3]
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ブカレストはホステルをネット予約していたので、案内通りにバスで宿に向かうことにする。ブカレスト駅前で指示された番号のバスが、なぜか3車線の道路の真ん中の車線に停まるのを見つけ急いで駆け寄ったが、方向が正しいかどうかわからない。乗り込む前に運転手に尋ねようとしたが、入り口のドアと運転席がガラス板で遮られている。バルト3国で見かけたように運転席後方に小さな窓があるのかと思ったが何もなく、運転席は客室から完全に隔離され乗客と運転手の会話も許されない。まるで電車のようなしくみだ。

しばらく唖然とした後、路線図でもないのかと探そうとしたが、その前に乗車券の刻印をしなければならない。これまで2度も検札官から摘発されているのだから。
乗車券を機械の隙間に差し込もうとしたが入りそうもない。それはプリペイドカードか何かのための機械のようだった。近くにいた男性がこっちだと古い小型の機器を指差したので、そこに乗車券を差し込んだがジジッという印字が行われない。何度も入れたり抜いたりしていると、少し離れたところに座っていた女性が、それは手で叩いて穴を開けるものだと教えてくれた。

機械の横から手でパンと叩くと乗車券に穴が3つ開けられた。教えられなければ刻印方法が全く想像できない、今まで経験した中で最も原始的な刻印機(チケットキャンセラー)だった。刻印(自己改札)に慣れていない日本人旅行者が荷物を抱えたまま、国や町毎に異なる刻印機に対応するというのは非常に難儀なことで、そのことに気を取られ過ぎていろいろ失敗もしてしまうだろう。私は3年前のソフィアで刻印に気を取られているスキに財布を盗られているのだ。

驚いたことに近くで古い刻印機の場所を教えた男は、実は検札官で、私がやっと刻印するのを黙って見届けると検札を開始した。
あんた、ついさっき言ったばかりでしょ、検札官は外国人旅行者に対しては取り締まるのではなく正しいルールを教えてやるべきだって。私が刻印できずに苦労していた時、何をボケっと近くで見ていたんだ。

検札官は検札前に刻印を促したり手伝いをしてはいけないというルールがあるのではと想像されるが、それは外国人旅行者に対しては間違いではないのか。そもそもここは国際列車が到着するブカレスト駅から最初の区間である。バルト3国や旧ソの国々では車掌や運転手からチケットを買えるバスが多かったので、同様に考えて乗り込んでしまった旅行者は完全に不正乗車として摘発されてしまう。私は何度も嫌な思いをしてきたので、まず刻印せねばと身体が反応したが、罰金着服のため検札詐欺すらあるというブカレストでは、私がチケットを持ったまま刻印せずバスのルート地図を探していただけで摘発された可能性が高い。
ヨーロッパのバスは恐ろしい。

日本のバスのように乗降時に料金を支払うのではなく刻印システム(信用乗車方式)を取っているのは、混雑したバスではどのドアからも自由に乗降できるというメリットがあるが、(勝手に推測すると)運転手による収受料金の着服防止と運転手に対する犯罪防止の意味あいが大きいのではないか。ヨーロッパ人のように刻印システムが習慣として身についていない外国人旅行者が、そんな理由で苦労させらるのはたまったもんではない。

刻印システムを廃止できないのであれば、せめて検札時にパスポートを提示してEU域外の旅行者と判断されれば警告のみ(あるいは罰金額を日本なみの料金の3倍)にするとかで、ヨーロッパ全体で改めてもらいたいものだ。
それが行われず日本人旅行者が刻印し忘れだけで高額の罰金を科せられるようであれば、日本政府は報復措置を考えるべきだ。成田空港から都心へ向かう列車をお座敷列車にして、靴を脱がずに上がり込んでしまったヨーロッパ人からは有無を言わさず罰金として料金の30倍を徴収する、というのはどうだろう。
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<ブカレストからソフィアまで列車による国境越えメモ>

ブカレストから夜行列車でソフィアに向かったのだが、ルーマニアもブルガリアもEUに加盟しているので出入国審査はなくゆっくり眠れると思っていたら大きな誤りだった。両国とも係官が車内を回るという方式で審査が行われる。
(後日談:帰国後確認すると出入国審査を廃止するためにはシェンゲン協定に参加して実施している必要があり、ルーマニア、ブルガリア共に調印済だが施行日未定。ということがわかったので、当サイトの世界の国々にシェンゲン協定実施25ヶ国を登録しました。検索窓に"sch"と入力すると検索結果が表示されます。)

<ルーマニアめも>
  • 一般の人で英語が通じる人は少ない。日本程度か。英単語会話ならバス停の切符売りおばちゃんやワルそうな顔つきの兄ちゃんができたりして驚くこともある。
  • ルーマニア語で道を尋ねられたことが何度かあり、理解できないといっているのに何度もルーマニア語で話しかけてくる人がいることから、ヨーロッパ人にはルーマニア語を知らなくても部分的に通じているようだ。
  • 子供たちの品はあまり良くない。私は日本人としてはごく標準的なありふれた顔をしていると思っているが、あからさまに人の顔を見て笑う少年がいる。おめえらもそんなに変わらない田舎顔だぞ、と言いたい。また、列車内で集団でゲームをして大騒ぎするなど社会的マナーがよろしくない場面が散見される。
  • 路上では周りを気にせずぷかぷかふかす。特に女性の喫煙者が目につく。
  • 駅以外で公共トイレを見つけられない。ブカレスト中心部で探したがなかったため、ケンタッキーに入る。
  • ガイドブックに「ルーマニアの鉄道は正確」とあったが決してそうではない。私の乗った列車は3回続けて30分から1時間遅れた。単線区間が多いので国際特急列車が遅れれば、急行や各駅は上り下りとも影響を受けてしまう。駅名がどこに表示されているのかわかりにくいので、列車が遅れると自分の降りる駅に着いたのかどうかわからず不安になり、コンパートメントを出てそわそわしていないといけない。4回目に乗ったブラショフからブカレストまで4時間半の各駅停車も途中駅で通過待ちの長時間停車が何度もあったので、どうせまた1時間は遅れているだろうとPC入力に集中していた。すると終点ブカレストに定時に着いていて、乗客がみな降りているのにしばらく気づかなかった。私の経験からは、「ルーマニア鉄道は正確に走ることもあるので注意が必要」というのが正しい。
    <参考図書> A25 地球の歩き方 中欧 2009~2010 =>最新版 2017~2018
  • 今回訪れた観光地を見る限り、期待していたほどルーマニアの観光は楽しめなかった。北トランシルヴァニアやマラムレシュなどのメジャー観光地は、交通の便が悪く車のチャーターが必要なので訪れるのを止めたが、農村風景に触れる以外はそれほど大したことないのではと想像される。(ヨーロッパの観光地という目で見てしまうからつまらなく感じるだけで、ヨーロッパ人旅行者には厚化粧をしない素朴さが受けているのかも)
  • ヨーロッパ東の端を南下するのまとめ

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