[ベナン]ウイダー

<路上の売り子(かわいらしく撮れなかったので2枚組)>
緑が美しく小さくまとまった町は散歩してもバイクタクシーに乗っても気持ちがいい。これで観光資源が充実していればお勧めできるスポットなのだが。
観光ポイントになっている博物館と聖なる森は、どちらもこんなの見るために外国人観光客来ないでしょうというレベルなのだ。
美しい女性やかわいい子供も多く、挨拶を交わしながら楽しめる。しかし、写真を撮っていいかと尋ねると初日は見事に全て断られた。
2日目の朝、静かな通りにぽつんと店をだしていたおじょうさんが愛想良く応じてくれた。
10ドルのホテルは部屋の床のあちこちで土が堆積して、様々な虫が入り放題の隙間がある。さらにマットはよれよれでかなり厳しいものがあったがスタッフは親切だった。
彼は最初から何かと世話を焼いてくれていたのだが、水を買いたいと尋ねると2ブロック先のBarで買えると言い、わざわざ一緒に付いてきてくれた。百円の水だが2千円分の紙幣を差し出すと釣りがないから売れないと断られる。客が頻繁に出入りしている店でそのくらいの釣りがないはずないのだが、この町では博物館も路上売りもバイクタクシーも全て釣りを断ってくる。
最初にホテルに連れて来られたバイクタクシーの代金はホテルスタッフに立て替えてもらい、さらにホテルで小銭に崩してもらった。しかし、街の人たちがみな釣銭を拒むのでその小銭を全て使い果たしてしまったのだ。他に水を売っている店はなさそうで、水なしにあの部屋で一夜過ごすことはできない。
慌てずじっくり構えていれば誰かが動いてくれるだろう、私はそう思い、別の客の相手をしている店員を待っていた。そうするとしびれを切らしたホテルスタッフが自分のポケットから百円出して、ほら貸してやるよと渡してくれた。何度も小銭借りて悪いね、にいちゃん。
翌朝、どこで金を崩せるか彼に尋ねると、バイクタクを呼び、私をある場所に連れて行くよう指示した。町の中心部に近い民家で降ろされ、ドライバーが声をかけると、バッグを抱えたおばさんが現れる。大きめのバッグには小銭が沢山詰め込まれていて、50円分の手数料を取り二千円札を細かくしてくれた。そして、彼女は欲深そうな目で睨み「もっと両替しなくていいの?」と言う。
この町の小銭は全てこのおばさんに集められているのだろうか。

<聖なる森近くの雰囲気のある並木道>