[ニジェール]コンニ(2/2)
<コニ裏通りの快活なお子さまたち(2枚組)>
<道端でモロコシ(ソルガム?)を売っていた親子>
とりあえず高熱は治まったので、カメラを抱えてコンニの裏通りをぶらぶらしてみると、撮れ撮れと大興奮の子供たちに囲まれる。彼らに押され気味になりながらシャッターを切った。できれば愛嬌のある子どもを撮りたいと狙っても、ほとんど無理だった。
ニジェールはこれといった見どころがなくても、人々と触れ合ったり、生活を拝見するだけで私にとって観光になる。ナイジェリアなど通らず健康な状態でニジェールに入るべきだった。
≫続きを表示ニジェールにもいろいろと大変なことがある。
まず車がトロい。マラディからビルニン・コンニまで大型バスで3時間、プジョーのステーションワゴン(日本人なら7人乗りでも窮屈、こちらでは10人乗り)で3時間半、ワゴンのミニバスで4時間半とガイドブックに記されており、早朝起きれず大型バスを逃した私は、プジョーに乗った。(ルートを見ると240kmもある)
長くても4時間半で着くと思い、いつものように水も持たずに乗った。舗装道路には数多くの穴があり、集落周辺にはバンプ(減速用の段差)があるのだが、プジョーはそれらを止まるぐらいのスピードで越えていく。ナイジェリアでは逆に天井に頭を何度も強打するぐらいのスピードで駆け抜けていたから、その違いにかなりイライラする。減速しすぎてか何度もエンストして、その度にボンネットを開けて水をかけ、スパナでエンジン部分を何度かおまじないのように叩き始動させる。止まるほどの速度で走るということは風が全く入ってこないということで、炎天下車内の温度は42度を超えている。そして、息もまともにできぬほどの密着。結局、7時間半かかり、晩に高熱を出す大きな要因になった。
ニジェールはボトル入りの水がなかなか売っていない。人々が飲むのは500ccぐらいの袋入りの水で、ブランド名などが印刷されているのはまだしも、無印モノが多い。隣国ベナンの道端で大きなタライに入った水を袋詰めしているのを目撃したことがある。マラディのホテル近くに露天売りの小さな店がいくつかあったが、ボトル入り水を売っている店が砂の道を10分くらい歩かないとなかった。
また、マラディからコンニまで7時間半の道中、飲み物を買うチャンスは何度もあったが、袋入り水以外は炭酸飲料しかなく、下痢を伴う体調不良のなか移動していたため炭酸飲料が飲めず(お腹の丈夫な人には理解できないでしょうが)我慢せざるを得なかった。
蚊が多く、ホテルでは蚊の対策が取られていない。マラディで泊まった1,300円のホテルでは、1m四方ぐらいの窓ガラスが1枚抜けていることに部屋を取ってから気がついた。カーテンで覆われているとはいえ蚊が入り放題。(1階入り口近くの部屋なので防犯上の問題大ありだったが蚊の方が気になった)
部屋に蚊帳がないだけでなくシーツもなく、シーツや寝袋を持参していない私には絶対絶命。シーリングファンを回し続け、ウィンドブレーカーを着て、下半身は長ズボンだけでは蚊に喰われまくるので、巨大アルミホイルのようなサバイバルキットを掛けた。なにしろ、日本から持参した蚊取り線香が効かないのだ。
顔の周りを羽音を立てて飛び回っているので蚊取線香が消えたのかと起き上がると点いている。いったい何のために日本から連れてきたか知っているのか。お前のミッションは例えアフリカの蚊であろうと全て殺戮することではないのか。
香取線香が信用できなかったため、アルミホイルがシーリングファンの風で巻き上がるのを体で押さえながら、厚着して汗をかき、眠れぬ夜を過ごした。
その後よくよく観察したところ、この蚊取り線香が煙を出している間、蚊は元気に飛び回るが人を刺すことはないようだ。線香が消え煙が止まると、蚊どもは暗示が解けたかのように血を吸いに皮膚が露出した部分に集まってくる。
この蚊取り線香の会社はなんという手のこんだことをしているのだろう。
あんたらブッディストか。
<コニ裏通りのお子さま(2枚組)>