[アルメニア]アラヴェルディ
<台地上の団地/団地を見下ろす(2枚組)航空写真>
ジョージア(当時はグルジア)との国境からバスで1時間、世界遺産の教会があるアラヴェルディに立ち寄ったのだが、実に奇妙な地域だった。険しい山に囲まれた渓谷沿いに中心の街が広がり、両側にテーブルマウンテン状の台地があって、広大な平地に団地が密集した村が点在する。
街道の通る川沿いの地域と台地との標高差は約300m、その斜面はほとんどが人道も作れないほどの断崖で、少しでもなだらかな斜面を使ってつづら折りの車道が作られている。まるでイエメンの要塞村を団地化して発展させたようだ。いくつかの台地に点在する教会や修道院に向かうと、それぞれのアプローチに驚きの光景がある。
ホテルのある集落は、街の中心部分から標高差250mぐらいをロープウェイで登った南側の台地上にあり、そこは5、6階建ての集合住宅が集まった団地になっている。最初はほとんどが廃墟と化した建物かと思っていたら、多くの部屋に人が住んでいる気配がある。しかも、町の中心産業である銅山に勤める人から、牧畜や農業を営む人まで、様々な職業の人たちが同じ団地で生活しているようなのだ。
この団地の後背斜面を100mほど登ると、いくつかの台地上の村や奇妙な稜線をみせる山なみが見渡せる。世界遺産の修道院よりも、はるかに興味深い光景だった。
こちらから声をかければ、誰もが言葉が通じない旅行者の意図を理解しようと努力して、何かしらを教えてくれる。
カメラを向けると、老人から子どもたちまで快く応じ、スパシーバ(ありがとう)と礼まで言われてしまう。
道端でさくらんぼ採りをしているお子さまたち(2枚目写真)を撮影した時は、お礼にと両手いっぱいのさくらんぼをいただいてしまった。
あまりに心地良い町なので、2泊することにした。