[ウズベキスタン]ブハラ(2)

<早朝のミナレット>
ママと3人の娘たちは、食事をする居間でもある中庭の絨毯に毎晩布団を敷き、川の字になって寝ている。室内より涼しいからと勧められ、私も中庭で寝ることにした。
夜中は寒いくらい涼しく、気持ちよく眠れるのだが、早い日の出と共に日光がまぶしく、とても眠れるものではない。6時前に完全に目が覚めてしまい撮影にでかけた。

朝食の済む8時半ごろからは、中庭ではじっとしていられないほどの暑さになる。
10時ごろ、ママがバザールに連れて行ってあげるというので付いて行くと、何のことはない、買出しした重い食料を持って連れ回されることになり、猛暑による疲労も相俟って、帰ってから気分が悪くなる。
そのまま下痢と高熱が発症して寝込んでしまった。
<6月2日>夜中まで30度以上になる酷暑の部屋で、この家にひとつしかない扇風機を独占して水だけで耐える。クーラーのあるホテルに移るよう勧める旅行者もいたが、なんとかこの家で治したい。
ママが自分の家で出した食事にあたったのではないかと心配してくれているが、テルミズであれだけ引き回され飲食し続けていたのだから、私としては良く今まで持ちこたえたと思っている。
昨日は高熱にうなされ重症かと思ったが、今日は大分楽になった。横になっていれば耐えられる。24時間絶食で治すことにしよう。
昨晩は再び中庭で寝た。すると、夜中に風が強く吹き込んできた後、雨がパラパラと降ってきた。乾燥地帯だから、外で寝ていても雨に濡れることはないのかと思っていたのだが、そういう訳ではないようだ。女性たちがふとんを抱えて部屋に入ったので、私も別の部屋に移ったが、中庭内の一角で寝ていた男3人は雨に濡れながら折り重なるように固まって眠り続けていた。
体はフラフラしているが、下痢と熱が完全に治まったので今日の夜行列車でタシケントへ向かうことにする。
10日間もこの家族と寝食を共にしていたことになる。私は日本で1人で生活しているので、別れは非常に辛かったが、皆が明るくあっけなく送り出してくれた。
テレビの海外滞在モノで、タレントだけでなく現地人までがお決まりのように涙しているのは、過剰演出なのでは。