[ドミニカ共和国]サント・ドミンゴ
ドミニカ共和国の空港は出国税が20ドル。空港、市内間がタクシーで20~30ドル。短期間の滞在に余計な出費がかさむ。カリブの島々の中では遺跡や古い町並みが多いとは言え、わざわざルートに組み入れるほどの場所ではない。
街に危険は感じないが、しつこい客引きが多い。
日本人かと言って近づいてくる男が多いので、No English、No espanolと退けていると、一生懸命考えた末に「アナタノフネハ、イツ、シュッパツシマスカ」と言ってきた客引きがいた。私は感心して「船じゃないんだよ」と日本語で答えたが会話は続かない。さあどうするんだ、どうやって話を進めるんだドミニカ人、期待して反応を待っていたら、すごすごと引き下がってしまった。
滞在中に見かけることはなかったが、豪華客船で立ち寄る日本人が多いのだろうか。その後もNo English、No espanolで凌いだ。
客引き以外の子供や街角の男たちは、私に対してチーノ(中国人あるいは東洋人)と声をかけてくる。メキシコ、キューバでもチーノと声をかけられることはあったが、ここでは頻度が高く、犬でも呼ぶような口調のため無視するようになってきた。私が路上でとうもろこしを買い、お金を支払っていると、チーノ、チーノと強い調子で声をかけ腕を引っ張ってくる者がいる。つり銭を確認して振り向くと、薄汚れた風貌の子供が私を睨みつけ、その金をよこせという態度で手の平を差し出した。
「てめえこのやろ、ぶっとばすぞ」
思わず汚い日本語を発してしまい、周りを見渡す。大丈夫、日本人はおろかチーノすらこの街ではめったに見かけない。
サント・ドミンゴは博物館や遺跡が少しあるが、それほど面白味はない。観光客が楽しめるのはおみやげぐらいでは。ドミニカ共和国でしか産出されないというラリマール(薄いブルーの宝石)や琥珀、彫刻類や絵画など、私でも興味をそそられる土産類が溢れていた。