エチオピアのたび

ラバの思考 (ラリベラ)

<エチオピア高原の子どもたち>

ラリベラ郊外の山上にも教会があるとガイドに教えられ、ラバに乗ってでかける。歩いて登るのもきつい山道を私を乗せたラバは馬子に無理矢理引かれながら、駆け上がっていく。急峻な山や深い谷の景色を眺めていると、山村の子どもたちが時折現れる。
断崖の縁に建つ小さな小屋から女の子が2人現れた。ガイドを通して彼女たちから撮影の了解を得る。しかし、カメラとは何であるか全く理解していない素振りのため、ただじっと立っていてもらいシャッターを切った。

ラバでの下りは、前に転げ落ちる恐怖感がある。こんな小さな動物が人間を乗せて、急坂を下っていることは驚きであった。しかし、次第に慣れてくると、ラバと私の頭が近く視線が重なっているため、自分で山道を下るように足場を探す感覚があることに気がついてきた。ラバが足を踏みだす前に考える間がある。
そこの石は大きいが崩れそうだ、そうそう、右側の岩盤に足場を確保してから左足を大きく出す。あっ、このまま真っ直ぐいくと大きな段差があるぞ、そうそう、左寄りを迂回していこう。
遠くも見渡しながら考えている間の長さと、考えた結果踏み出す足場の位置は、全く私の思考と一緒である。ラバとの一体感が得られ楽しかったが、山道を下るという行為においては、私の脳みそはラバと同程度だと悟るのだった。

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