[バングラデシュ]ダッカ

雨のダッカはすごい。
降り方はさほどでないが、強い雨に打たれても打たれ負けず、ひたむきに活動する人々に驚かされる。

ダッカでぜひ見ておきたかったのは通りを埋めるリキシャと雨だったので、6月から10月だという雨季の始まりに訪れたのは予定通り。
ただ、7泊8日のバングラデシュ滞在のうちダッカ以外2,3ヶ所は訪れる予定だったが、ルンビニやインドの暑さで体調を崩してしまいダッカ周辺のみの観光となった。(しかも動き回れたのはせいぜい3日)

ダッカは広域にわたって人口が密集しているわけではなく、密集した地区や通りはまだらに散在して、公園や政府関連施設など巨大スペースが密集地を隔てている。そのため、観光スポットをいくつか訪ね歩こうとすると距離が離れており、雨が降ろうものなら密集地域は傘を差すのが困難でぬかるみや水たまりを避けるのも難しくなる。また、閑散とした地区はスコールに遭っても雨宿りする場所がなく、非常に歩きにくい街なのだ。

<屋台で雨宿り>

リキシャはダッカ渋滞の大きな要因になっているようだが、雨のなか徒歩での移動は極めて困難なためリキシャに頼らざるをえない。リキシャの屋根を閉じれば雨はほとんど入ってこないし、シートの前をビニールで覆ってくれたりする。
しかし、漕ぎ手は雨に打たれたまま。ビニールを頭にかぶったりマントのように背負う人もいるが全身は濡れている。
たくましい街の人々を撮影しようと、あえて雨が降る中、カメラを持って繰り出していたのだが、濡れた服で重労働するリキシャマンたちを見ているだけで辛くなってきて、虚弱な私はますます体調が悪くなっていった。

<雨のダッカ(2枚組)

ダッカのバスもすごい。
ダッカには二階建てから中型、ミニと様々なサイズのバスが走っているが、どのバスも運転が荒くバス同士やバスとリキシャの小ぜりあいは日常茶飯事。ダンパーやサイドミラーは落ちずに車体に付いていれば十分というくらいボコボコになっている車が多い。さらには車体の側面全体に凹凸があり、塗装がムラになってジーンズのストーンウォッシュのような味わいを出しているバスをよく見かける。
「一体どゆこと?」だったのだが、「ある日、ワタクシ見てしまったんです」。

大きな交差点の左折専用レーン内で中型バスが客集めのため停車していた。後ろに大型バスが来たが、道幅が一車線ほどのため抜くことができずクラクションを鳴らす。中型バスは客を乗せていて進もうとしない。すると、大型バスは無理矢理狭いスペースに頭をつっこみ車体を接触させる。仕方なく中型バスがそろそろと前進して歩道側に寄せる。大型バスはさらに側面をぐいぐい押しつけ、果てはガラガラと音を出し車体の側面同士をこすり合わせながら抜いていった。

こうやってダッカのバスはストーンウォッシュ化していく。

<ショドル・ガット(2枚組)航空写真

ダッカにいた1週間毎日雨が降っていたが1日中雨が降るということはなく、何時間かは止み間があり、またしとしと小降りの中でときおり30分か1時間スコールのような強雨になる。

オールド・ダッカ内にある船着場ショドル・ガッドを訪れたときは激しい雨が降っていた。
大型船が何隻も停泊している長距離船のターミナルには屋根があるが、その両端にある小型船の船着き場には屋根がない。対岸に渡る多くの乗客は傘を差しているが、手漕ぎ船の船頭たちは全身ずぶ濡れの雨ざらし。雨合羽のようなものを着ても良さそうなものだが、シャワーキャップをかぶるぐらい。ただ客とやり取りする紙幣だけはビニール袋に入れて守っていた。

しかし、そもそも、こんな強い雨の中、人力船で300mほどの対岸に渡る必要があるのだろうか。1km離れたところに橋がかかっているので、バスかリキシャで移動した方が楽なのではないか。雨は船内にもたまり、尻を付けて座ることはできない。小舟の乗客はひとりか二人が多い。人々はリキシャの感覚でこのリキ船に乗っているのだろうが、リキシャと違って出発地と到着地がみな同じなのだから大きめの屋根付き動力船で渡ればいいのに。
リキシャもリキ船も廃止すると漕ぎ手の仕事がなくなるというのが一番の問題なのだろうが。

<ナラヨンガンジまで小たび(2014年6月19日)>

せめて日帰りでもダッカの郊外に出かけてみよう。できれば鉄道で。ということで、ナラヨンゴンジ(ナラヤンガンジ)を訪れた。

ナラヨンゴンジ(Narayanganji)行きはダッカ駅に隣接した専用の駅から発車するので、切符はすぐ買え、乗る列車に迷うこともない。
ぎゅうぎゅう詰めで満員の列車は12:36発車。窓側の席を確保したため外を眺めていると、しばらく線路周辺にスラム街が続く。民家の軒先が列車の窓にあたりそうなほど接近している。毎日走っているのだからあたることはないのだろうが、屋根を押さえている大きな石がごろごろ転がって窓から中に入ってきそう。
とか楽しんでいたが、強くなった雨が車内に入り込んでくるため木の窓が閉じられ全く外が見えなくなる。50分でナラヤンガンジ到着、10BDT

<ナラヤンガンジの渡し船/沈みかけているようにみえる運搬船(2枚組)

駅で出会った日本語ペラペラの現地人の話から町に見所はなさそうなので、すぐ近くの船着き場に向かう。列車の小たびをしたので今度は船で小たびをしてみよう。こちらの渡し船はショドル・ガッドのものより大きく、日よけとなる屋根付きだがやはり手漕ぎ。対岸に渡るだけではつまらないので、動力船のフェリーで30分ぐらい移動してみたい。
百人以上は収容できるフェリーが出航しそうだったので行き先を確認せず乗り込む。乗客がみな軽装なので長距離船ということはないだろう。場合によって1時間ぐらいの船旅をしてダッカに近づけば、そこからバスで帰ればいいなと考えていた。

ところがGPSで確認すると、船はダッカと反対の南西へ進み、30分経っても寄港する気配がない。のんびりとデッキで川辺の景色を楽しんでいたが、心配になり周りの乗客に話しかけてみる。
この船はMotgon行きでそこまで6時間かかり、途中寄港するはずだがいつどこでかはわからないと言われ青ざめる。
しかし、船は出港から1時間後、最初の停船。1時間で13kmしか進んでいない。とにかく下船したが、近くに町も集落も見あたらないので、そのまま波止場で逆方向の船を待っているとラッキーなことに数分後、先ほどと同じ大きさの船がやってきた。また行き先を確認しないで乗り込んだが1時間ほどで無事ナラヨンゴンジ(Narayanganji)に戻る。ちなみにそこまでの運賃は片道25BDT

<雨の止み間のダッカ(2枚組)

帰りは船着き場の近くでダッカ行きのバスがすぐ見つかったので乗り込む。35BDT、約1時間(ルート)でオールドダッカ近辺に着いたのだが、あと数百メートルで終点という場所で渋滞によりバスはピタリと止まる。
雨がやんだので、乗客たちは次々とバスを降りてどこかに消えていく。大渋滞時はリキシャも動かなくなるので、しかたなく私もバスを降り歩き始めることに。
雨の直後はビルの屋根から落ちてくる大粒の雨にあたったり、ひどいぬかるみがあったりと難儀な道ばかりで、歩いているうちに腹痛がひどくなってきた。

ダッカはとにかく歩きにくい街なのだ。

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