[ベルギー]ブリュッセル

<サン・ミッシャエル大聖堂>

昨日ブリュッセルに着き、歴史的建造物が取り囲む広場グラン・プラスに感銘を受けた。かつて、世界一美しい広場と言われていたのもうなずけると思っていた。
しかし、今日、写真を撮ろうとじっくり観察すると、天気のせいもあるだろうが古い建物には輝きがない。そして、無造作に四方に設置された催し物用テントが、昨晩からずっと残されている。また、商用車やトラックが広場内に入りこんでいる。どの方向も様々な遮蔽物によって気持ちよく見渡すことができない。世界遺産の広場だというのに。

しかたなく、ブリュッセル市内でもう一つ世界遺産に指定されているオルタの建築した住居群を見にいく。どこにその建築群があるのかわからず、オルタ博物館に入る。そこが建築家オルタの邸宅だったようだが、7ユーロも入場料を取ってたったこれだけという感じ。建築家でもない我々が古い邸宅だけを見せられても面白くない。世界遺産というだけですぐ飛びついてしまう旅行者を狙ったぼったくりに遭ってしまった。

西欧に入ってからも乞食はどの国にもいる。しかし、東欧と比べ悲壮感がなくなっている。
アムステルダムに入った夜、庶民の店と思い値段を聞かずに注文したサンドイッチ1つと水で7ユーロ(千円以上)も取られ、そのショックから食べ物を買うことに非常に臆病になっていた。朝、安ホテルで出た少量のパンと紅茶を口にして昼食は1ユーロバーガーひとつだけ。ブリュッセルの夜遅い時間に食べ物を探して歩きまわっていた。アムステルダムよりはましになったが、サンドイッチですらなかなか手が出るような価格のものがみつからない。さすがに空腹で苦しさを感じ始め、買えるパンなら何でもいいから口にしたいと思っていた。
歩道の片隅に座っていた乞食が私の姿を見つけ慌ててコインの入ったカップを差し出してきた。しかし、閉じた口がもごもごと動き、さっと隠したもう一方の手にかじりかけのパンを持っているのが見えた。
きさま、パン食いながら物乞いするな。

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