[フランス]アヴィニョン

<法王庁宮殿正面航空写真回転拡大可)

フランスでやっとこれはという遺産に出会った。

アヴィニョンには14世紀にローマ教皇の本拠地だった宮殿がある。内部のほとんどの部屋をオーディオガイドを聞きながら見て回ることができる。さすが教皇庁、部屋の大きさやたたずまいに威厳が感じられ、本物の遺跡を見ているんだという気になった。室内の壁画や彫像、装飾品がほとんどないのが残念だ。火事で焼けてしまったり、フランス革命時に消失、破壊されたり、パリに持ち去られたりしているそうだ。パティストリーなどパリにそれらしき物があるなら返して欲しい。そうすればもっと楽しめるだろう。

街はアルルよりは大きいが、城壁に囲まれた地域はほどよいサイズにまとまっていて、所々に歩いて楽しい通りがある。ホテル、博物館のスタッフ、スーパーの店員など人あたりがよく、歩道も歩きやすいので気持ちよく観光できる。プロバンス地方の中心だというが、街並みや周辺の景色からは特異さが感じられない。レストランで食事をする旅行者はプロバンスらしさを味わえるのだろうが。

<フランスめも>

鉄道はフランスに入って急に使いにくくなった。フランス南部に限ったことかもしれないが、本数がかなり少ない。イタリアではトーマスクック時刻表に載っていないローカル列車がいくらでもあり、主要な駅間は1時間に1本以上が普通だったが、フランスではトーマスクック掲載の列車が全てで、主要駅間も日に数本というパターンが多い。つい、イタリアの感覚で出発時間を確認しないまま駅に行き、ニースでもアルルでも2時間以上待たされることになった。
そして、運賃が高い。イタリアの2、3倍だろうか。それでもまだ日本よりは安い気がするが。
車内はイタリアより大分きれいだが、シートの間隔が異常に狭いのが気になる。古い車両の対面式シートは満席になった時大柄なフランス人の足がどのように配置されるのかが想像できないほどの狭さだ。

ニースから気になっていたが、野犬を見かけない割にはどの街にも犬のフンが多い。歩道のあちこちでにおいが立ち上るモノや歩行者に踏みつけられたモノが見られる。犬を散歩させている時、綱をつけていないことが多い。しつけが良く襲いかかることはなさそうだが、よだれを垂らした大きな犬が鼻を私のズボンにこすりつけようとしてきた時には、かなりあせった。列車内の通路を塞ぐように寝そべる犬もいる。
犬嫌いには耐えられない。

フランスでも鳩やツバメがやたらといる。アルルでは、鳥のフンまみれのボディーで走る車を数多く見かけた。木の下で鳥のフンが固まるところは臭い。動物嫌いの私にとって、その面での辛さはインドなみだ。

人はよろしい。ストラスブールを含めてフランスの街全てで、人々の対応が非常によい。時々、不気味なほどに愛想がよかったり、親切な人に出会う。英語を理解していてもフランス語しか話さない人が多いという噂も昔話のようで、ほとんどの人が英語を話すため、モロッコに向けたフランス語の練習ができなかった。最後にパリ周辺にも行くが、人あたりが冷たいと思っていたフランス人の印象を変えなければいけないかも。

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください