[スペイン]モンセラット

マドリード行きの列車が満席で午前発の切符が取れなかった。次の列車は到着が夜になり、マドリードで夜の宿探しは危険だという複数の情報を目にしてしまったため、夜行で朝着く列車で入ることにした。スペインは列車の本数が非常に少ない上に事前に予約しないと満席になりやすいようで極めて使いにくい。

空いた時間を利用してバルセロナから1時間のモンセラットを訪ねる。
モンセラットはキノコ岩が寄り集まった山に教会や修道院が点在する観光スポットだ。黒いマリア像が有名だということで、私も長い列に並んで拝ませてもらう。包容力が感じられる親しみやすい表情だ。マリアが手にする玉にさわると、やさしいお顔の仏様に触れたような気持ちになった。
モンセラットには山岳鉄道やケーブルカーなど様々な乗り物があるが、ハイキング感覚の山道も整備されている。登山の好きな私はついつい登ってしまうのだが暑さと空腹で早歩きができない。そんな私を老夫婦があっという間に抜き去って行く。ヨーロッパの老人は足腰が丈夫だ。

バルセロナは良い街だと思っていたがそうとも言えなくなった。夜の街がうるさすぎる。深夜12時ぐらいまで騒いでいるのは許せたとしても、この街の人たちは朝の6時まで大騒ぎを続けるという狂乱ぶりだ。1日目の夜は日曜だからうるさいのかと思った。バルセロナのメインストリートであるランプラス通りに面した部屋だから仕方がないと考え、反対側の部屋に替えてもらった。部屋を移ってからは日中ほとんど通りの音が聞こえなくなったが、ワールドカップの試合で勝利したことによってその静かな部屋にも響く雄叫びや凱歌が何度も襲ってくる。もう終わるだろうと耐えながら、ついに前の晩と変わらぬ眠れぬ朝を迎える。

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