[カンボジア]シエムリアプ(2)

<ワットの回廊にて/タプロムにて(2枚組)

<シエムリアプの子どもたち(2枚組)

アンコールワットの回廊には、見事な壁画が残されている。ふと旅行者が途絶え、石造りの回廊が静まり返った。その時、壁際を音も立てず走り過ぎる子がいた。薄汚れた衣服がねずみ色の壁に同化しそうだ。私と視線が合うと立ち止まり、大人びた笑みを返した。
回廊の連子窓から差し込む細長い光が彼女を照らす。壁画からでてきたアプサラ(天女)を見ているようだった。(写真上表)

「格好いいね、お兄さん。ねえお兄さん、これ買ってぇ。」
ニコニコしながら話しかけてくるお嬢さん。厭味がなく、屈託ない笑顔から日本語が発せられるとくすぐったくなる。
アンコール・トムで出会った物売りの子は、おでこが広く、目が離れ、鼻がつぶれたこの国の典型的な顔立ち。しかし、写真を見ていると引き込まれてしまう。彼女こそがカンボジア美人なのでは。(写真下表)

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10年前に寺院を巡っていると、銃を抱えた少年や片足を失った男性が物陰から姿を現し、何度か金を要求されて怖い国だと感じていた。また、子どもたちが大勢群がり、執拗にお金やペンを求め、断ると非常に不快な態度を表していた。
しかし、今は遺跡群の隅々まで警官やスタッフが配置され、危険そうな人物は見かけなくなった。子どもたちの物売りはまだいるが、不遜で攻撃的な態度を取る子には出会わない。

絵葉書などの小さな土産を抱えた子どもたちが、寺院へ行く途中と帰りにつきまとって来るが、すぐに離れてしまう。場所によっては、道路と寺院の間の広場に2本のロープが地面に張られていて、その間でしか物売りをしてはいけないそうだ。ロープが張られていなくても、何らかの目印で活動できる範囲が制限されているらしい。それを知れば、しつこいからと大声を出して物売りを振り払う必要はなくなるだろう。

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