国別アーカイブ:ブルガリア ( 4件の日記 )

[ブルガリア/マケドニア間国境]Deve Bair

バスが来なかったためタクシーをシェアして歩いて国境を越えることに。

<リラからスコーピエまでの国境越え詳細>
  • ブルガリアからマケドニアへの移動はソフィア(София)からスコーピエ(Скопје)までの国際バスが正道だと承知していたが、外国人旅行者が多く国境通過に時間がかかる国際バスはできれば避けたく、ソフィアまで戻るのも大変(昨日のうちに戻れば良かったが宿が高そうなのでやめた)なので、リラからマケドニア入国を目指すことにした。しかし、ネットやガイドブックによると公共交通機関はなさそう。
  • リラ村のツーリストインフォメーションで尋ねると、Blagoevgrad(ブラゴエヴグラト)に行けばマケドニア行きのバスが出ていると即答。Blagoevgrad(Благоевград)からマケドニアへ向かう道が伸びているがその国境(グーグルマップでリラからオフリドへのルート検索をすると抜けている国境)はガイドブックでは通れないことになっている。Kyustendil(キュステンディル)を経由しないといけないのではとインフォメーションの若い女性に確認すると、そのルートは大分遠回りになる、どの街行きがあるかは定かでないがマケドニア行きバスは絶対にあると相当自信を持って答えていた。半信半疑だったがダメでもリカバリーがきくと思いBlagoevgradに向かった。が、やはり誤っていた。(カンボジアでシエムリアプのツーリストインフォメーションのおやじに似たように国境に関する誤情報を伝えられ酷い目にあったことがある<こちらを参照>が、海外のツーリストインフォメーションではその街以外の情報はあてにしない方が良いかも)
  • リラ村からBlagoevgradまでバスで40分1.7Lv。Blagoevgradのバスターミナルでマケドニアに行くためにはKyustendilに行かなければならないと言われ、Kyustendilへ直行するバスがたまたますぐにあり乗車、1時間10分4.5Lv。(リラからKyustendilまではバスの本数が少なくなるかもしれないがDupnica経由の方が近い)<後日記>区間で()を押しルートをマウスで動かしてみると10km強短縮されるだけなのでリラからバスがすぐ出る方を選択すれば良さそう。
  • Kyustendilのバスターミナルでスコーピエ行きのバスが11:30に出ることを知る。土曜日で専用窓口が閉まっていたが、待ち客が言うにはスコーピエまで15ユーロか28Lv。ところが、12時近くになってソフィアからのバスが、ここの専用窓口が閉まっているためターミナルに寄らず通過してしまったことが判明。
  • スコーピエまで行こうとしていた他の2人の客と国境までタクシーをシェアして移動。1台10ユーロ、20分。
  • 国境は歩いて越えることになるが、これを望んでいたので結果的に良かった。ブルガリア出入国審査場では質問なし、荷物検査なくあっさり通過。ほとんど隣接しているマケドニア側では2、3の質問のみで荷物検査もなく通過。
  • マケドニアのイミグレーションを出たところにはバスもタクシーもなし。カフェ1件と無料トイレがあるのみ。
  • 国境までのタクシー同乗者の1人がタクシードライバーの息子を迎えに呼んだというので、私の分として8.5ユーロ(500DEN)を支払ってスコーピエまで乗せてもらうことになる。国境のカフェで息子のタクシーが来るのを2時間待っていたがバスらしき乗り物はどちらの方向にも通過せず。
  • バスがあったのに来ないという不幸があったが、交通機関がない場合、最悪20km前後の歩きを覚悟していたのでラッキーだった。ヒッチハイクをせずに国境を歩いて通過するためには、Kystendilから国境まで(20km以上)タクシー10ユーロか、国境近くの村までバスで行き国境まで数km歩く。国境からマケドニア側の町Kriva Palankaまで(10km以上)は歩くか国境のカフェでタクシーを呼んでもらい移動して、Krivaからバス(あまり本数がなさそう)でスコーピエに向かうことになる。(現地での情報から想定される越境方法で経験者の情報ではないので注意)

[ブルガリア]リラ

<リラ僧院(2枚組)撮影ポイント

評判が良いリラ僧院に期待していたが、外観がちょっとケバすぎで、観光客が多く騒々しい。

山に囲まれた立地環境はすばらしい。現地で見ている分には写真ほど派手さを感じないので、山に残雪があり観光客が少なければ感動していたかも。

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夜行で首都ソフィア(София)に朝6時に着いた時、あちこちの売店でコーヒーや朝食になりそうな揚げパンやハンバーグの類が売られていて、薄暗いロビーから感じられる異国の雰囲気にわくわくした。外に出ると駅前広場が3年前から大きく変化して新しくなっており街に明るさを感じた。ソフィアに泊まりたくなり、宿を予約して荷物を置いてリラ(Рила)に出かけようと思ったのだが、ガイドブック上の2,500円程度の宿は満室で近辺の安そうな宿をあたると4,000円前後と相場が高そうなので、予定通り荷物を持ってリラに出かけた。

リラにはソフィアからバスで行くのが楽で速いが、時間があったので敢えて列車でリラ村の近くDupnica(ドゥプニッツァ)に向かう。2時間20分程度の列車による移動のうち半分ぐらいを広々としたコンパートメントを独占でき、車窓は美しく快適な旅だった。Dupnicaに9:50に着きリラ村へのバスは10:00発と接続が良くそのままリラ僧院に突入しようと思ったが、リラ村発僧院行きのバスは「歩き方」に記載されている通り12:40発までなかったため2時間近くの待ちが発生。しかたなく、リラ村のホテルORBITA(トイレシャワー付30Lv、約2,100円)にチェックインすることにした。
リラ村に宿泊する外国人が少しはいるようだがほとんど観光地化されていない。カフェやスーパーで英語があまり通じず、外国人も相手にしてそうなカフェが1件あるだけ。(ATMは何台もあり驚いた)
代わりに農村の風景を楽しもうかとカメラを持って歩き回ったが、ときどき出会う村人たちが警戒感を顕にするだけで、特にこれといった景観や生活の様子を拝見することはできなかった。

<参考図書>
A25 地球の歩き方 中欧 2009~2010=>最新版 2019~2020

<たびメモ>

ギリシャのテッサロニキからブラゴエヴグラト(Благоевград)まで列車で行き、Blagoevgrad->リラ村->僧院とバスを乗り継げば、テッサロニキからリラ僧院の日帰りが可能(なはず)。但し、テッサロニキ発6:40で戻りがテッサロニキ着22:53となり、タイムテーブルを調べていて気づいたもので、実際利用した結果ではないのでご注意。

<ブルガリアめも>
  • スーパーでレジ袋をくれたのは、今回旅した国々でモルドバに次いで2ヶ国目。
  • 美しい緑に覆われているのに、道沿いや集落内の川にゴミが溢れている。ルワンダを見習いたまえ。
  • なぜ、またキリル文字(ロシア語で使われるアルファベットのひっくり返りがいくつかある文字)。もう簡易ロシア語辞書をしまいこんでしまったのだが、列車の駅名などでアルファベットへの解読作業が必要となる。例えばSofiaはСофияというように。しかし、旧ソ連の国と比較してアルファベット併記が多いので、ここで訓練してから旧ソに入るのもいいかも。
  • 子供に近づこうとすると敬遠される。若い女性はほとんど私の顔を見ず、店員などには冷たく対応される。私に何か問題でも?3年前からブルガリアの女性や子供とは相性が悪い。
  • 全般に人々の表情は暗く冷たさを感じ、以前訪れた時はそれゆえに危険なのではと思っていたが、ルーマニアや旧ソの国などを通ってきて十分慣れているので、気にすることなく接していれば特に問題ない。警戒心を顕に見つめる村の老人もこちらから挨拶すれば笑顔で応える。
  • 有料トイレは十分清潔、洋式で紙が備え付けられ、トイレ紙配給制から解放される。普通列車のトイレも何とか利用できるが、便座がボルトで固定され上げられないので汚れており座る気にならない。女性はどうしているのだろう。
  • 3年前ソフィアでスリに遭い、印象の悪かったブルガリアだが、緑の美しい国内を列車で旅してみたいという気持ちに変わりつつある。
  • ヨーロッパ東の端を南下するのまとめ

[ブルガリア]ソフィア(盗られる)

その日の始まりは、冷たい表情の子どもたちとの食事だった。
女の子6人と椅子を詰めながらテーブルを囲む。日本でいう小学高学年の子どもたちは何の目的でこのホステルに泊まっているのだろう。朝食を準備するスタッフは英語を話さず分からない。直接子どもたちに尋ねればよいのだが、彼女らは意図的に無視するように私を見ない。昨日彼女たちと最初に視線が合った時、露骨にいやな顔をされている。
皆、自分の体にぴったり合った服を着て、身なりは良い。修学旅行のたぐいか、何かの試験なのか。気になる。

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ホームに待ち客がなく空いていたはずなのに、私がそのトラム(路面電車)に乗り込むと後ろからどかどかと人が押してきた。私が乗ったドア付近だけ混雑している。
ホステルをチェックアウトする時、女性マネージャーにトラムでの駅への行き方を尋ねた。トラムに乗ったらすぐチケットにスタンプを押すこと、それから、ジプシーによるスリが多いのでショルダーバッグは自分の体の前で常に手でガードしておくことと入念に彼女から注意された。
私はカバンに若干の注意を払いながら、押されている体を手すりで支え、右手にチケットを持ったまま、どこでスタンプを押すのかだけに気が集中していた。
横腹をバッグで押された気がした。しかし、その時もスタンプの機器を見つけ、乗客が面倒そうに押している姿をじっと観察していた。
次の停留所で乗客が少し降り、強く押されて弓なりになった体を元に戻し、少しずつスタンプの位置まで移動しようとした。ちょっと待てよ、さっきポケットに嫌な感覚があったな。右手のポケットに手をあてる。あれ財布がない、どうしたんだろう。さっきチケットを買った時に財布を出してどこにしまったかな。左側のポケットに張りを感じるから大丈夫か。まだ、人が多く手すりから左手を離せなかったので確認しないでいた。
次の停留所で多くの乗客が降りた。手すりから左手を離し、左側のポケットを探る。ポケットから出てきたのはマネージャーが無理矢理渡したホステルのパンフレットじゃないか。急に心臓の鼓動が激しくなってきた。体のあちこちを探る。ない、ない。後ろを振り向くと老齢の男と若い女が立っていた。女は黒いハンドバッグを男は白っぽい大きなショルダーバッグを提げている。このどちらかのバッグに押された時に盗られたのだ。
『おい、財布、サイフ、盗られたんだよ。知らないか』
まだ盗られたという確証がなかったが、慇懃な態度で男に迫った。知らないよ。そんなことしたらこれだもんな。老人はおどけて両手を揃えて前に突き出してみせる。黒っぽい服装の女は、私のしつこい攻撃に怒りもせず冷ややかな視線を向ける。あやしい。2人ともあやしい。このような時どう対処すれば良いのか。周りの乗客に空のポケットを引き出し盗まれたんだと訴えたのだが、老人と婦人だけの乗客はただかわいそうにという表情をしてみせるだけだった。黒い服の女は3つ目の停留所で降りた。私は老人を再度せめたが、自分のカバンやポケットの中をちらりと見せ、落としたんじゃないのという仕草をする。
冷静になろう。財布を持っているやつがずっと近くにいる訳ないじゃないか。この怪しい老人が仲間の可能性はあるが何の証拠もない。財布に一体何が入っていたか考えよう。
イスラエル出国時に財布の隠しポケットから全て現金を抜かれていたので、キャッシュはせいぜい60ユーロ程度しか入っていない。しかし、シティバンクのキャッシュカードが入っていた。まず、これを停止させなければ。私は、老人の追求をあきらめ、4つ目の停留所である鉄道駅でトラムを降りた。
その後、駅で拾ったタクシーで『シティバンクに連れて行くというから乗ったのに知らないなら金はこれしか払わん』と300円程度をめぐり掴み合いのけんかをする。
街の警官に盗難に遭ったことを訴えると離れた場所にあるオフィスまで歩かされ、そこでも別のオフィスに行けとたらい回しにされる。(この後で連絡の取れたシティバンクで、警察に届けるかどうかはカード停止や再発行には関係ないと言われ、現金は盗難保険の対象にもならないことから、警察への届け出は労多くして益少なしと判断して断念)
警察では誰もシティバンクの場所を知らないし調べようともしてくれない、など苦難の連続だった。

アジア、アフリカ、南米で周りの人々に注意されながらも無防備に都会を歩いてきて、1度も盗難や危険な目に遭遇していない。自分はこれでもプロの目から見るとスキのない旅人なのだろうという根拠のない自信が、最初のヨーロッパの街でもろくも崩れた。
恐るべしヨーロッパ。これより厳戒態勢に入る。
(ソフィアに悪い人や不親切な人ばかりいるわけではない。親切に道を教えてくれる人がたまにいて、シティバンクだと言われやっとたどり着いたオフィスは法人業務のみ取り扱うシティコープだったが、複数の社員に懸命に対応してもらい大変感謝している)


この事件のため早々にブルガリアを離れることにして、鉄道でギリシャに向かった。
なだらかな緑の大地が線路沿いに続き、列車の進む国境方向には雪を頂いた高峰が望める。
時折現れる集落はベージュの瓦屋根が落ち着きある佇まいをみせ、単調ながらも見飽きぬ景色が車窓に流れていた。

[ブルガリア]ソフィア

街角でソフィアの女性がタバコを吸う姿をよく見かける。人々の表情はさえない。街もさえない。見所といわれるスポットは更にさえない。観光する街ではなさそうだ。

夜、街をぶらついたが特に危険を感じない。スタンドでサンドイッチを食べていると、暗い表情の女の子が店に入ってきて店主に何か話しかけた。12、3歳ほどで黒っぽい衣服に身を包み、長い髪を後ろで結わえ整った顔立ちをしている。店主がその子の問いかけを聞き返した後、手で追い払った。彼女は私の方を見向きもせず通りに出ると、すぐ出会った男性に何かを乞い拒絶される。まともな身なりをしていたが物乞いのようだ。
幼い子が物乞いをしている姿を見ると胸がいたむ。私がねだられていれば、1ユーロ分でこの子に何か食べさせてと店主に言ってあげたのに。
それが良いことかどうかはわからないが。