ウズベキスタンのたび

サマルカンド

<夕暮れ迫るレギスタン広場(1枚目)/シャーヒズィンダ廟(2枚目)

ウズベキスタン第2の都市サマルカンドは青の都とも呼ばれ、シルクロードの要所として紀元前から様々な時代に名を残してきた。
この国の観光の目玉として期待していたが、レギスタン広場以外には魅力的なポイントがなかった。ロシア時代に整備された街並が無機質さを与え、広大な街の中で観光施設と生活空間が分離されているのが、私の好みに合わないのかもしれない。

日中、街中を歩くと汗が止まらないほどの暑さなのだが、こちらの人々は飲み物を冷やす習慣がない。店にはアイスクリームを入れる冷凍庫はあっても、飲み物用の冷蔵庫がない。冷たいジュースや水を頼んでも、店の奥からまだあたたまっていない物を持ってくるだけだ。
地元の人が多く利用するレストランで夕食をとることにした。テラスのテーブルに座り、冷えたビールがあるならば持ってきてくれと注文すると、まかせておけと言った店員は、少し時間が経ってからビンの周りが濡れたビールを運んでくる。あまり冷えていないような気がしたがビールを目の前にすると我慢できなくなり、飲むことにする。グラスが来ないので催促すると、ガラスのコップがなくチャイ用の湯のみ茶碗を持ってきた。しかも、暖められているではないか。おいこら、湯のみ茶碗までは我慢できるが、こんな熱い茶碗でビールが飲めるか。
自分たちがビールを飲まないのでわからないのだろう。明らかにふてくされた態度をする店員は、湯のみ茶碗を持って店先に出て、路地に水を打つ少年からホースを奪い茶碗を濡らすと、ほらよと持ってきた。
うう、こんなところでビールを頼んだ自分が愚かだった。悔やみながら私は生暖かいビールをすすった。

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