<切り立った崖のふちで遊ぶ子どもたち>
<絶壁に守られるハジャラ>
ハジャラに近づくと、その姿はますます異様だ。建物が絶壁に沿って建てられ、人が下から登って入り込むのは不可能に見える。サボテンが植えられているのはヤギも近づけないようにするためだという。村の中心地区は絶壁と防護壁に囲まれた要塞城になっていて、そこには人ひとりがやっと通れる小さな門からしか入れない。
この村に着いた時からガイドを強要する子どもたちが次々と寄ってきた。断って無視してもガイドを続けたり、私のバッグを引っぱる、道を塞ぐ、石を投げるなど様々な攻撃にさらされる。ガイドと一緒にハジュラに向かうべきというマナハの人々の忠告を聞かなかったことは誤りだったのか。いや、ここまで来たら最後までガイドなしで済ませよう。そう思っていたが、この小さな門を数人の少年に塞がれ、前に進めなくなった。
『ここは俺たちが住んでいる村だ。ガイドをつけない旅行者は通させない』
年長の少年にこう言われと、これ以上我を通しきれない。しかたなく最も温厚そうな子にガイドを頼んだ。やっと攻撃的な子どもたちから解放され、幼い子らが戯れる平和な住宅地を探索した。
ガイドを頼んだ子と要塞城の外に出て村はずれの店でガイド料としてのコーラを買う。村に入ってきたとき私に無理矢理ガイドをしていた少年が店までついて来て、当然のようにコーラを要求する。この要求を退け店を後にすると、後ろでガチャンと大きな音がした。驚いて振り返ると腹いせで空き瓶を割った少年が私を睨みつけている。
私は足早に村の外へ出た。マナハへの道を下る私の背後から、何人もの子どもたちが投げる石が飛んできた。不適切な観光客の対応により、子どもたちがすさんだ村だった。